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白魔道士VSキングゴブリン

本日は、一話更新ですm(_ _)m

 ブラストがいきなり倒されたことに気付いた者達は、ブラストを倒した存在を目にして、恐怖で足が(すく)んでしまっていた。


「ぼ、ボスゴブリンか!?」

「お、俺らじゃ太刀打ち出来ねぇぞ!?」

「あーー、待て待て、あ、あり得ない。コイツは、ボスゴブリンじゃない! キングゴブリンだ!」

「な、何だって!?」

 部隊の者達は、目の前に現れた存在が、キングゴブリンだと気付いた。


 気付いたからと言って、どうこう出来るレベルな相手では無い。


 更に、岩場の陰から、ゴブリンソルジャー達も姿を現し、部隊は敵に囲まれてしまっていた。


 唯一の逃げ口も、キングゴブリンによって、逃げ出すのも困難な状況だ。


「結界魔法を展開しろ!」

 そんな中、声を張り上げた者が現れる。


 声を上げたのは、ルベルだ。


 ルベルの上げた声に、全員が反応し、自分達の前に結果魔法を展開する。


 ルベルは、別方向に進行した、マルスが辿り着くまで、結界魔法で耐えようと考えたのだ。


 ゴブリンソルジャー達が、結界に攻撃を繰り出すが、結界によって弾かれる。


「よし! これなら。」


 バリィーーン!


 ルベルが喜んだのも束の間、結界魔法が破られてしまう。


 勿論、結果魔法を打ち破ったのは、キングゴブリンだ。


 キングゴブリンは、人間を喰えると思い、笑みを浮かべていた。


「不味い!? そっちの結界を厚くしろ!」

 キングゴブリンには、より強度の高い結果魔法でなければ耐え切れないと判断したルベルが、仲間達に指示を出す。


 キングゴブリンの前に、複数の者達が移動し、結界魔法を展開するが、ルベルは直ぐにキングゴブリンに結界が破られてしまうと悟った。


 ルベルだけじゃなく、他の者達も同じことを考えていた。


「ルベル! 応援を呼んで来てくれ!」

「え?」

「長くは保たない! 今なら通路の入り口を通れる。」


 キングゴブリンが若干動いたことで、隙間が出来たのだ。


 しかし、この結界を飛び出すと言うことは、死ぬ可能性が高まる行為だ。


(俺が今行かなきゃ、全滅するだけか。なら、行くしか無い!)

 ルベルも覚悟を決めた。


「直ぐに仲間を連れて来る! それまで持ち堪えてくれ! 【支援魔法:高速(ハイスピード)】!」

 ルベルは、自身の速力を強化し、結界内から飛び出したのだった。



  ▽



 洞窟内奥に辿り着いたマルス達の目の前には、通常のゴブリンの3倍はあろうかという身の丈をしたゴブリンの姿があった。


 このゴブリンの正体は、ボスゴブリン。


 ゴブリンソルジャーなどの上位種に当たる。


 ボスゴブリンの周りでは、ゴブリンソルジャー、ゴブリンソード、ゴブリンアーチャーが武器を構えていた。


(まさか、この洞窟にボスゴブリンまで居るなんて。ゴブリンソルジャー辺りは予想していたが、反対側の部隊が心配だ。)

 マルスは、白魔道士部隊でも、連携すればゴブリンソルジャーなどの個体は倒せると思っていた。


 しかし、この洞窟の奥で待っていたのは、ボスゴブリンだった。


 通常、一つの洞窟にボスゴブリンが2匹居ることは無いので、反対側にボスゴブリンが出ることは無いだろうと、マルスは考えていたが、嫌な予感が消えることは無かった。


「ぼ、ボスゴブリンが居るなんて聞いてないぞ!?」

 部隊の者達は、雑魚モンスターを倒しに行くとは聞いていたが、こんな強敵が出るとは聞かされていない為、腰を抜かしてしまう者がいた。


「ボスゴブリン程度、問題ありませんから落ち着いて下さい。」

 マルスは、そう口にしてボスゴブリンへと歩み出る。


「皆さんで、ゴブリンソルジャー達をお願いします。支援魔法を駆使し、仲間と連携すれば、十分勝てる相手です。」


「か、勝てるのか? 俺達が?」

「確かに、ゴブリン相手は楽勝だったしな。」

「彼が言うんだから、俺達でもやれる筈だ!」

「よし! やってやろうぜ!」

 マルスに勝てる相手だと言われ、部隊の士気が上昇する。


(ここに来て、ゴブリンをだいぶ討伐しているから、皆んなのレベルは確実に上がっている。……まぁ、危なそうだったら、フォローすればいいだけの話だ。)

 マルスは、やる気を取り戻した部隊の者達から目を逸らし、ボスゴブリンへと目を向ける。


「ギガ! (小僧一人で俺の相手をしようと言うのか? 笑止)」

 ボスゴブリンは、マルスを見下すような目を向ける。


「【支援魔法力増強(パワーアップ)】。」

 マルスは、ボスゴブリンに向かいながら、自分自身に支援魔法を施す。


「ギギガ!(死ね。)」

 ボスゴブリンは、大剣をマルスに振り下ろす。


「ギガ。(弱い。)」

 ボスゴブリンは、今の一撃でマルスを仕留めたと思っていた。


 ボスゴブリンは、自分の太い腕で良く見えなかったが、ボスゴブリンの振るった大剣は、地面に到達していなかった。


「弱いな。」

 マルスは、そのまま剣を上に弾き飛ばし、がら空きになったボスゴブリンの胴体を一振で両断する。


「……ギィガ!?(ば、馬鹿な。)」

 ボスゴブリンの上半身と下半身が、大きな音を立てて地面に落ちたのだった。


 ボスゴブリンを瞬殺したマルスは、引き連れてきた部隊の者達の戦いを観戦する。


 部隊の者達は、3匹のゴブリン上位種を分断し、複数人で取り囲んで、上手く立ち回っており、次々と敵にダメージを与えて行き、ゴブリンよりは苦戦したが、大した負傷もせずに討伐することが出来たのだった。


「お疲れ様でした。ゴブリンの上位種でも、問題無く戦えましたね。」

 マルスは、勝利の余韻に浸っている者達に、労いの言葉を送る。


「俺達って、こんなに強かったのか。」

「この調子で、ガンガンモンスターを倒して行けば、俺ら最強じゃね?」

「ふふふふふ。前衛職の奴らを見返す日も近いな。」


 不純な目的な輩が多いが、短時間で戦力を劇的に強化するには、白魔道士の強化が最優先であることから、力を悪用しないのであれば、どの様な目的があろうと、彼らがやる気を出すことは良いことだと、マルスは考えていた。



「た、助けてくれーー!」

 突如、マルス達の後方から声が聞こえて来る。


 部隊の者達は、何事だと話し合うだけで、その場から動けなかったのだが、マルスだけは、その言葉に瞬時に反応し、声の方へ駆け出したのだった。


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