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冒険者学校〜クラス分け〜

初日は多くの方に、読んでいただきました(^^)!

ありがとうございます!

 合格発表の紙が張り出されており、その用紙を確認した俺とイリス。


「良かった合格してる。イリスとは同じクラスみたいだね。」

「そうね。これからもよろしくねマルス。」

 マルスは、イリスの差し出す手を取り、握手を交わした。


 マルスとイリスのクラスは、Sクラス。


 学校のクラス分けは、S、1、2、3、4、5となっており、試験結果の実力が高い者達がSクラスになっている。


 Sクラスは、最上級職業や、上級職業の中でも実力者だけが入れるクラスだと、イリスが教えてくれた。


 イリスと共にSクラスの教室へ入ると、20人くらいが既に教室内に居た。


 Sクラスは、全部で25人いる。


「イリス様、お久し振りです。」

 コバルトブルーの様な、あざかやな青いショートヘアの可愛らしい女性がイリスへと声を掛ける。


「フレイヤ。久し振りね。それと、様はいらないわよ。」

 イリスがフレイヤと呼んだ女性は、腰に剣を帯びていた。


「分かりました。そちらの殿方は?」

 フレイヤの目線がマルスへと向く。


「初めまして。マルスと言います。」

「フレイヤです。よろしくお願いします。マルス殿は、剣士なのでしょうか?」

 フレイヤは、マルスが帯剣しているのを見て、そう質問した。


「いえ、俺は白魔道士ですよ。」

「え?」

 マルスの返答に、フレイヤは目を丸くする。


「マルスの実力は本物よ。」

 イリスがフレイヤに耳打ちする。


「イリスさ……イリスがそう言うなら、相当な実力者なのですね。」

「ええ。」

 マルスは、フレイヤがイリスのことを信頼していると感じたのだった。


「今、白魔道士って聞こえたんだが、やっぱりテメェかよ。どんなコネ使いやがったんだ?」

 (誰だっけ? あーー、受験前に居たチャラ男だ。 コイツもSクラスなのか。)


「どんなコネも使ってないぞ? ちゃんとゴーレムも倒したしな。」

 マルスの言葉に、教室中の生徒が反応し、マルスへと目を向ける。


 (え? 何? 俺何か変なこと言った?)


「ゴーレムを倒しただと? 寝言は、寝て言え!」

「事実なんだけど?」

「マルスの言うことは本当よ。同じ班だったもの。」

 まだ、何か言おうとしたチャラ男に、イリスが口を挟む。


「……なら、イリス様が倒しただけで、テメェが倒した訳じゃねぇだろ!」

「私の力だけじゃ倒せなかったわよ。マルスが居たから勝てただけよ。」

 イリスには逆らえないのか、チャラ男は口を閉じた。


「私の班でもゴーレムは、倒せなかったんですが、イリスの班は倒せたんですね。」

「さっきも言ったけど、マルスが居たからよ。それと、敬語も禁止ね。」

「わ、わかり……いえ、分かった。」

 イリスは、フレイヤの答えに満足したのか笑みを浮かべていた。


「みんな揃ってるか? ホームルームを始めるぞ。」

 先生が教室に入って来たので、マルス達は決められた席に着く。


 マルスの右横がイリスで、左横は真っ赤な髪を後ろで一本に束ねているスレンダーな女性を挟んでフレイヤが座っている。


「私がみんなの担任のエイルです。よろしくね。」

 エイルは、黒髪長髪のおっとりした女性だ。


 因みに、かなり主張する二つの山を持っている。


「なんだよ。女が担任かよ。」

 早速チャラ男が、エイル先生に噛み付く。


「アザゼル君。実技は実技専門の先生がちゃんといるから、安心してね。」

 (ふむ。 チャラ男の名前は、アザゼルと言うのか。 それにしても、文句を言われてもエイル先生は全く気にしていないみたいだな。)


「それじゃあ、入学式が始まるから、このまま講堂へ移動して下さい。」

 マルス達は、エイル先生を先頭に体育館へと移動した。


  ▽


 長ったらしい校長先生の挨拶が終わり、次は生徒会長の挨拶らしい。


 生徒会長は、10人いたら10人が美人と答えるほど綺麗な女性だった。

 挨拶も、校長先生とは大違いで、端的に纏まった内容だった。


 マルスは、生徒会長の演説に対し、素晴らしいと、盛大な拍手を送る。


「それでは、新入生代表Sクラス、()()()さん。壇上に上がって下さい。」

 (……え? 俺?)


 マルスは、訳が分からないと言った顔をしながら、状況説明を求めてエイル先生を見る。


 そこには、両手を合わせて頭を必死に下げているエイル先生の姿があった。


 (先生伝え忘れたでしょ!? いきなりなんて無茶苦茶だよ!)


 マルスが困惑していると、背中を押される。


 マルスの背中を押したのはイリスだ。


(仕方ない。行きますか。 てか、なんで俺が。)


「初めまして。新入生代表挨拶をさせていただくマルスです。……俺が小さい頃、俺の住んでいた村がモンスターの襲撃を受け、壊滅しました。……俺の両親もモンスターに殺された。……俺は、大切な人を守る力を手に入れたい。その為にここへ来た。皆さんも、一人一人に、ここへ来た目的があると思います。在学中は、その目的を忘れないで下さい。」

 こんな代表挨拶でいいのだろうかとマルスは思ったが、これが自分の限界だと自己完結する。


 列に戻ったマルスは、イリスから「いいスピーチだったよ。」と言われ、安堵する。


 入学式を終えたマルス達は、再び教室へと戻る。


「ごめんねマルス君。先生が伝え忘れちゃって。」

「い、いえ。あんなスピーチですみません。」

「とっても良いスピーチだったわよ。」

 エイル先生に褒められたマルスだったが。


「チンケなスピーチだな。」

「てか、何で白魔道士が代表挨拶なんだよ。」

 チャラ男改め、アザゼルとその取り巻きがマルスのスピーチを馬鹿にする。


「新入生代表挨拶は、毎年試験結果の1位がすることになっているわ。その意味は分かるわよね?」

 エイル先生が、目を鋭くしてアザゼルを睨み付ける。


 (せ、先生こえぇーー。)


「白魔道士が一位? 下級職業が一位だなんて、採点者の目が腐ってんじゃねぇのかよ?」

 その視線に動じずに、アザゼルは尚も食ってかかる。


「なら、マルスと戦ってみたらどうかしら?」

「はい?」

 マルスは、思わず声がした右隣を見た。


 マルスの横で、声を出したのはイリスだ。


「いいだろう。俺が貴様の化けの皮を剥がしてやる。」

 (ええーー。どうしてそうなるの。)


「えっと、マルス君はどうしたい?」

 (んーー、毎回絡まれるのも嫌だからな。)


 マルスは、戦うことを選択し、エイル先生立会いで、試合を行うことになった。


 他のクラスメイト達も、試験結果1位の白魔道士の実力に興味があるのか、全員が試合観戦に向かうのだった。


【支援魔法ブクマ】お待ちしてます!

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