交際報告
70話目突入!
マルスとイリスは、正式に交際することが出来た。
そのことを報告する為、マルスはイリスと共に王城を訪れていた。
マルスとイリスが、国王への取り次ぎをお願いし、イリスの部屋で国王の時間が空くのを待つことになった。
コンコン
「イリス様。国王様の準備が整いました。」
呼ばれたマルス達は、王の間へと向かう。
王の間には、国王様と王妃様だけでは無かった。
「あれ? どうしてヘラさんとゼウスさんもいるの?」
マルスは、王の間に二人の姿があったことに驚く。
「王都で色々情報収集していてな。それも終わったから、旅立つ前に、最後の挨拶に来ていたんだよ。」
ゼウスは、マルスの質問に答える。
「貴方が来ていると聞いたから、最後に貴方の顔も見ておこうと思って、待っていたのよ。」
ヘラは、優しくマルスへと微笑みかける。
「ごほん。待たせて悪かったの。この間のバラキエルの件で来たのか?」
国王は、マルスとイリスが訪ねて来た用件について尋ねる。
「いえ。その件は既に報告した通りです。今日は、お父様に報告があって参りました。」
「報告? 一体なんだね?」
イリスの言葉に、国王は首を傾げる。
「国王様。イリスと交際することになりました。」
マルスの言葉に、国王の目が飛び出そうなくらい見開かれる。
「な、な、なんじゃと!?」
「俺はイリスが好きです。」
「私もマルスが好きです。」
二人は頬を赤く染め、お互いを見つめ合う。
「み、認めないぞ!? まだ、イリスに交際は早い!」
「……あなた。」
国王が二人の交際に反対すると、王妃が絶対零度の目を向け、身も凍るような声を国王へ放つ。
「ひっ!?」
「イリスが自分で決めた相手よ。イリスに好きな相手を選んでいいと言ったのは、あなたでしょ?」
「は、はい!」
「なら、イリスが相手を見つけて来たのだから、歓迎してあげるのが、親の務めですよ。」
王妃の言葉に、国王はタジタジだった。
(国王様って、絶対王妃様に尻に敷かれているな。)
マルスは、二人のやり取りを見て、そう感じていたのだった。
「おめでとうイリス。それからマルス君。イリスのことを宜しくね。」
「はい!」
「くっ!? イリスを泣かせたらタダじゃおかないからな!」
「は、はい!」
「……あなた。」
「す、すいません。」
マルスは、国王と王妃が、イリスを本当に大事に育てて来たのだと思えた。
「遂に、マルスにも恋人が出来たか。」
「まさか、お姫様と交際するとはね。」
ヘラとゼウスは、マルスに恋人が出来たことを喜んでいた。
「イリスちゃん。常識が欠けているマルスだけど、宜しくね。」
「マルス、浮気してイリスちゃんを泣かせないようにな。」
「浮気なんかするかよ!? イリスより可愛い子なんていないよ!」
マルスが、本心を口にすると、マルスの横に立つイリスの顔は真っ赤に染まる。
「熱いねぇ。」
「若いっていいわねぇ。」
マルスも、自分の発言を思い出し、顔が熱くなるのを感じる。
「さて、今日はおめでたい日ですから、豪華な食事にしましょう。お二人も食べて行って下さいね。」
王妃は、旅立とうとしていたヘラとゼウスにも声を掛ける。
マルスの祝いの席だけあって、ヘラとゼウスも喜んで参加すると答えた。
「それでは、新たな英雄マルスと娘のイリスの交際を祝して、乾杯!」
「「「「「乾杯!」」」」」
国王様の乾杯の合図によって、皆がグラスを高く掲げる。
そして、今回の主役であるマルスとイリスの出会いの話からスタートとなる。
「あれは、俺が冒険者学校に向かっていた時のことだ。」
マルスは、自分とイリスの出会いを語り出す。
あの時、マルスが通りかかっていなかったら、イリスは命を落としていただろう。
最初は、イリスが王女と知らず、可愛い女の子として接していたマルス。
冒険者学校に到着し、一緒にゴーレムを討伐し、同じSクラスになって、パーティーを組むことになった。
ハイペリオン討伐、ギガントゾンビ討伐、ミスリルゴーレム討伐、アザゼルの悪魔化、魔王デスワーム、魔王マンティコア。
数々の修羅場を共に過ごし、マルスとイリスはお互いを理解し合って来た。
そして、初デートの話をしたところで、国王は激怒し、それを王妃が宥め、ヘラとゼウスはマルスの話を楽しそうに聞いていたのだった。
楽しい時間は、直ぐに過ぎてしまうもので、お祝いの席は、あっという間に終わってしまった。
遅くまで、食事をしていたため、この日は国に泊まることになったマルスとイリス。
結婚前のイリスが、マルスと同じ部屋で寝ることは絶対に認めないと国王が断固拒否し、マルスはヘラとゼウスと同じ部屋で寝ることになった。
「なんだか、三人で寝るのは久し振りだね。」
「そうね。マルスが小さい頃は、よく三人で川の字で寝ていたものね。」
マルスは、昔のことを思い出していた。
そのまま、三人で昔のことを話していたが、いつの間にか、マルスは眠りについてしまった。
「寝たか?」
「ええ。大きくなったわねマルス。」
「そうだな。」
二人は、リズムよく寝息を立てているマルスを、優しい目で見ていたのだった。
▽
「力が欲しいか?」
王城の地下牢の一室で、何者かが声を発していたのだった。
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