表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/197

冒険者学校入学試験〜戦闘試験〜

ぶっ飛んだステータスを見せつけたマルス。

いよいよ戦闘試験が始まります!

 水晶玉による能力測定を終えた受験者達は、係の指示により、4人で一つの班を組まされた。


「これより受験者は、今組んだ即席の班でゴーレムと戦ってもらう!」

 その言葉に、受験者達がざわつき始めた。


 受験生達が騒ぐのは、仕方の無いことだ。

 ゴーレムのHPは1,000を超えており、攻撃力150、防御力250と破格のステータスを有している。


 正に、動く要塞だ。


 速力は低く、魔法に弱い為、物理で攻めるより魔法で倒すのが正攻法と言われている。


「何もゴーレムを倒せと言うものでは無い! 諸君らの力を図るためのものだ! 制限時間内の行動全てが評価される。強力な一撃や、仲間との連携、戦術など、全てだ!」


 説明は続き、野生のゴーレムでは生死の危険があるため、試験官達が使役しているゴーレムと戦うそうだ。


 (成る程。 白魔道士は、回復や支援魔法で、仲間をサポートすれば評価される訳だな。)


 マルスの班はと言うと。


「イリスと一緒になったね。」

「そうね。ステータスと言うよりも、職業の組み合わせで選んでいるようね。」

 イリスの言うように、同じ班の二人は、片方が剣、もう片方が斧を手にしていることから、職業は剣士と戦士などだろう。


 他の班を見ても、剣を持つ者と杖を持つ者がバランス良く組まれていた。


「俺はダッシュ。職業は剣士だ。」

「俺はダン。職業は戦士。」

「私はイリスです。職業は黒の賢者です。」

「「黒の賢者!?」」

 二人は、イリスの職業に興奮していた。


「黒の賢者が一緒なら、ゴーレムも倒せるかもな!」

「受かったも同然だな!」


「えっと、白魔道士のマルスです。」

「「……はぁ。」」

 二人は、イリスの時とは打って変わって、あからさまに嫌そうな表情を浮かべた。


「俺らの邪魔すんなよ。」

「自分の身は自分で守れよ。 」


 (白魔道士って、そんなに嫌われてるのか。)


「ちょっと、貴方達! マルスも一緒に戦う仲間なんだから、そんな風に言わないで!」

 イリスの剣幕に押され、二人は嫌々ながらも頷いていた。


 マルス達の班は、剣士と戦士が前衛となって敵を引き付け、遠距離からイリスが攻撃することになった。


「あの? 俺は? 前衛も出来ますけど?」

「お前、白魔道士だろ? 前衛出来る訳ねぇじゃん。HP、攻撃力、防御力がカスじゃんかよ。」

「てか、何でお前杖じゃなくて剣を装備したんだよ。馬鹿過ぎ。」


 何か言い返そうとしたマルスだが、イリスに腕を掴まれる。


「先ずは、白魔道士としての力を見せてあげなさい。」

 イリスが自信満々に言うので、マルスは言葉を飲み込んだ。



  ▽


 順番に別会場へと案内され、いよいよマルス達の番を迎えた。


「次は貴方達ね。」

「一つ質問いいでしょうか?」

「どうぞ。」

 (これだけは一つ確認しておかないと。)


「使役しているゴーレムとのことですが、ゴーレムは倒してもしまってもいいんですか?」

 マルスの質問に、係の者は苦笑いしながらも、構わないと答えた。


 (なら、心置き無く戦えるな。)


「コイツ馬鹿だ。」

 ダッシュとダンは、呆れた目をマルスへと向けていたのだった。


  ▽


 マルス達は、最初に打ち合わせいていたように、ダッシュとダンが前衛に配置し、イリスとマルスが後方に控える配置を取った。


「俺の剣技を見せてやる! 【剣技:豪斬(パワースラッシュ)】!」

 ダッシュは、ゴーレムの振り下ろす腕を避けて、豪斬を叩き込む。


 ギィン!


「硬てぇ! 手が痺れちまったよ!」

 ダッシュは、一撃を入れたのはいいが、ゴーレムの防御力を前に、自分の手を痛めてしまう。


「次は俺だ! 【斧技:兜割り】!」

 ゴーレムの頭上から、ダンが斧を叩き込む。


 剣士のダッシュよりも、戦士のダンの方が攻撃力が高いのだが、それでもゴーレムにダメージを与えることは出来ない。


「私がやるわ! 【氷魔法:氷柱(クルスタロ)】!」

 地面から2つの氷柱が出現し、ゴーレムの岩の身体を抉り取る。


「「すげぇ!?」」

 自分らの攻撃では、ゴーレムにダメージを与える事が出来なかった二人は、イリスの攻撃に驚く。


 (凄い……のだろうか? ゼウスさんの魔法と比べるとそれ程凄いとは感じないんだけどな。)


「!? 攻撃に備えろーー!」

 マルスが、突如大声を張り上げた。


「「「え?」」」

 三人が驚いている内に、ゴーレムが必殺技を放つ。


 巨大なゴーレムが、両拳を頭上に掲げ、そこから一気に地面に拳を叩きつける。


 その瞬間、地面が隆起して、三人に襲い掛かる。


「イリス! 【結界魔法:結界(バリア)】!」

 マルスは、ゴーレムのモーションに気が付いてから、イリスの側に駆け寄り、結界魔法を発動した。


 イリスに向かっていた土の棘は、結界にぶつかると共に消滅したが、ダッシュとダンは、ゴーレムの攻撃が直撃して軽くは無いダメージを受けていた。


「今、回復する! 【回復魔法:全体回復(オールヒール)】!」

 マルスの回復魔法により、ダッシュとダンの傷が塞がる。


「今のは、全体回復魔法!?」

「お前すげぇじゃんかよ! 助かったぜ!」

 二人は、マルスが思っていたよりも使える白魔道士だと認識を改めた。


「今からみんなに支援魔法を掛けるから、もう一度アタックしてくれ! 【支援魔法:超越した身体(フィジカルバースト)】!」

 マルスが発動したのは、上級の強化魔法である。


 ()()()を2倍に引き上げるものだ。


 それを、3人に発動したのである。


「これが支援魔法!?」

「か、身体が軽い!?」

「ち、力が漲って来る!?」

 三人は、マルスの支援魔法を受けて、自分のステータスが大きく上昇している事に気が付いた。


 そして、先程同様にゴーレムへとダッシュとダンが駆け出す。


「喰らえ! 【剣技:豪斬(パワースラッシュ)】!」

「オラぁ! 【斧技:強力な一打(フルスイング)】!」


 ドゴーーン!


 先程とは違い、今度の二人の攻撃は、ゴーレムの防御力を突破していた。


「私だって! 【炎魔法:大爆発(エクスプロード)】!」

 イリスが放った魔法は、ゴーレムを巻き込んで大爆発を巻き起こす。


「「す、すげぇ威力だ!」」

「いつもの倍くらい威力が上がってる!?」

 魔法を撃った張本人であるイリス自身も、自分の魔法の威力に驚いていた。


 ゴーレムの身体は傷だらけだが、まだまだ動ける状態だ。


「俺もやるか。【支援魔法:大天使の力(ミカエル)】!」

 マルスは、自分に最上級の支援魔法を発動し、攻撃力を強化して、ゴーレムへと迫る。


 マルスに向かって、ゴーレムが拳を打ち出すが、その拳を最小限の動きで回避し、ゴーレムの胴体を剣で斬り裂く。


 ゴーレムがマルスへと視線を向けようと、身体を捻ると、ゴーレムの上半身がズレ落ちる。


「よし。終わったな。」


「「あ、ありえねぇ!?」」

「流石ね。」

 ダッシュとダンは、白魔道士でありながら、剣でゴーレムを斬り裂くマルスに驚きを隠せない。


 イリスは、マルスがキングオークを倒したのを見ているので、それ程驚くことはなかった。


  ▽


 イリスの戦闘を観戦していた学園の教師陣達は、マルスの力に驚愕していた。


「白魔道士であの実力とは。」

「信じられませんね。」

「実際、目にしてしまったのだから、疑いようが無いだろう。」

「てか、最後の支援魔法って、最上級じゃないか? 今年の受験者は規格外が混じってるな。」

「今年は、黒の賢者だけでなく、剣聖と拳聖、更にパラディンも居たそうですね。」

「皆の者、今年は荒れるかも知れんが、しっかり頼むぞ。」


 この後、合格発表があり、合格したのは500人程度いたそうだ。


 勿論、マルスとイリスが合格だったのは、言うまでも無いだろう。


投稿初日の本作を読んでいただき、ありがとうございます(^人^)

ブクマ、評価の支援魔法を掛けて下さった、白魔道士の皆さん、ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ