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マルスとイリス

いよいよマルスの反撃開始です!

 バラキエルが使用出来る最大魔法である、紅い稲妻(レッドスプライト)を発動した瞬間、マルスは観客席に飛び込んで来たイリスの姿を捉え、咄嗟に結界魔法を展開し、バラキエルの魔法を防いだ。


「ん? さっきの声は。」

 バラキエルは、先程の女性の声に反応する。


 そして、バラキエルが自身の後方を確認すると、そこには捉えている筈のイリスの姿があったのだった。


「ば、馬鹿な!? 何故、イリスがここに!?」

 バラキエルは、拘束しているイリスが訓練場に現れたことに動揺する。


「もう、イリスの心配をする必要は無くなった。覚悟はいいかバラキエル!」

 マルスに睨まれたバラキエルは、数歩後ずさる。


「く、来るな! 【雷魔法:双雷龍(ツインケラヴノス)】!」

 バラキエルは、マルスに恐怖しながらも魔法を放つ。


「【支援魔法:全大天使(アークエンジェル)】。」

 マルスは、全ての能力を強化し、バラキエルの魔法を無視して、バラキエルへの距離を一気に詰めるとバラキエルを蹴り飛ばす。


「がはっ!?」

 強化状態のマルスに蹴られたバラキエルは、勢い良く吹き飛び、訓練場の壁へと衝突する。


「うっ!? 貴様本当に白魔道士なのか? 何だこの攻撃力は。 有り得ない。」

 バラキエルは、蹴り飛ばされた腹部を手で抑えながらも立ち上がる。


 マルスが全力で蹴りを入れていたならば、今の一撃で防御力の高くないバラキエルは気絶していたことだろう。


 マルスの怒りは、頂点に達している。


 イリスを攫い、汚い真似をして試合を挑んで来たバラキエルを、簡単に許すつもりは無い。


 その為、絶妙な力加減で蹴り飛ばしたのだ。


「貴方の腐った心は、簡単には治せそうにないので、暫く付き合ってもらいますよ。」

 マルスは、再びバラキエルへ向かう。


「ふざけるな!? 下民の分際で! 【雷魔法:蒼雷円(エルヴス)】!」

 マルスが避けられない様、バラキエルは広範囲魔法を発動する。


「【結界魔法:反射(リフレクション)】。」

 バラキエルの魔法に対し、マルスは反射を発動して、バラキエルの魔法を弾き返す。


 バラキエルの放った魔法が、バラキエル自身へと向かう。


「がぁーー!?」

「どうだ? 自分の魔法を喰らってみた感想は?」

 マルスは、バラキエルが魔法を喰らった瞬間に、バラキエルの近場へ転移し、連続で殴り付ける。


 バラキエルの整った顔は、徐々に腫れ上がり、見るも無残な丸顔が出来上がって行く。


「も、もう、や、やめて、くれ。」

 顔がパンパンに膨れ上がったことで、声が出しにくくなったバラキエル。


「戦闘不能までやるんだろ? 許すかよ。 これが終わったらイリスに謝れよ。」

 マルスは、バラキエルから勝負の方法については、マルスの戦闘不能と聞いていたので、ここで止めるつもりは無かった。


「……。(ふざけるなよ下民が。頃合いを見て、イリスの記憶を消せばまだ、どうとでも出来る!)」


 バラキエルは、この試合に負けたとしても、まだ諦めた訳では無かったのだ。


 マルスは、バラキエルへと飛び掛かる。


「クソがーー! 【雷魔法:紅い稲妻(レッドスプライト)】!」

 バラキエルは、最後の悪あがきに魔法を放つ。


「【転移魔法:瞬間移動(ゲート)】!」

 マルスは、バラキエルの魔法を難なく躱し、バラキエルの頭上へと姿を現わす。


「これで終わりだ! 【力の剣:建御雷神(タケミカヅチ)】!」

 マルスの剣が、バラキエルの意識を刈り取る。


 その瞬間、試合を観戦していた者達から歓声が上がる。


 マルスは、バラキエルを放置し、そのままイリスの下へと向かう。


「イリス!」

「マルス!」

 マルスとイリスは抱き合い、お互いの無事を確かめ合う。


「良かった。イリスが無事で、本当に良かった。」

「マルス。私のことに巻き込んじゃって、ごめんなさい。」

 イリスは、自分の所為でマルスを危険な目に遭わせてしまったことを、涙を流しながら謝罪する。


「イリスの所為じゃない。イリスは何も悪くないよ。」

「私がもっと気を付けていたら。」

 マルスは、俯くイリスの顔を上げさせる。



「イリス。俺はイリスのことが好きだ。」

「え?」

「俺がイリスを守る。」

「マルス。」

 二人は見つめ合うと、お互いに距離を近付け、口付けを交わした。


「私もマルスが好き。」

「イリス。」

 お互いに抱き合ったまま見つめ合う。


「ちょっと、私達もいるんですけど?」

「見せつけてくれますね。」

 ミネルヴァとフレイヤが、頬を赤らめて二人を見ていた。


 更に、ここは観客席。


 そこには、マルスとバラキエルの試合を観戦しようと、多くの人が集まっていたのだ。


 マルスの動きを、多くの人が目で追っていた。


 つまり、マルスがイリスに抱き着き、口付けしたのを大勢の人に見られてしまっていたのだ。


「「あっ!?」」

 マルスとイリスは、恥ずかしさのあまり、耳まで真っ赤になってしまう。


 こうして、マルスの告白は、多くの人が見ている前で行われたのだった。


本日もありがとうございました( ^ω^ )

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