王都襲撃〜合体魔法炸裂〜
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東門からの緊急連絡を受けたマルス達が、転移魔法で駆け付けると、既に交戦中であり、兵士らが危険な状態に陥っていた。
しかし、マルス達の迅速な行動により、兵士達は九死に一生を得る。
マルスは、結界内から周囲を確認する。
(まだ敵の数が多過ぎる。)
ただ多いだけじゃなく、マルスの見える範囲だけでも、数種類のモンスターが混在している。
(多種多様なモンスターが、これだけ集まっているんだ。こいつらの親玉は、強力な個体……魔王がいる可能性が高いな。)
壁をよじ登ろうとしているモンスターは、大方仕留めており、マルス達の周囲のモンスターも、イリスとゼウスの魔法で一掃出来ていた。
それでも、まだ王都目掛けて進行して来るモンスターの数は多く、見渡す先は一面モンスターだらけだった。
マルスは、モンスターの数に表情を引き締める。
(戦って、戦って、戦って、敵を全て倒すしかない。)
「結界を解きます。」
マルスが結界を解除すると、英雄の姿に勇気付けられた兵士達が、一斉に敵に立ち向かって行く。
「よし俺も行くか。」
「ちょっと待ってくれ!?」
マルスが気合を入れて、モンスターに駆け出そうとすると、不意に声が掛けられる。
「なんでしょうか?」
マルスは、早く加勢に向かいたい気持ちを抑えて話を聞く。
「君は、さっき相当高位な結界魔法や回復魔法を使っていたから、最上級職業の白の賢者なんだろ? 戦闘は俺達に任せて、サポートに回ってくれ。」
ライオット兵隊長は、マルスの魔法を目にして、マルスが白の賢者だと思ったのだ。
白の賢者であれば、戦闘は不向きであり、サポートに回って欲しいと願い出たのだ。
「俺は、ただの白魔道士ですよ。安心して下さい。ちゃんとサポートもこなしますから。」
マルスの衝撃的な答えに、ライオット兵隊長は目を丸くしてしまう。
あれ程の強度を誇る結界魔法や、全体回復魔法を使用する白魔道士など、聞いたことがないからだ。
「ライオット兵隊長。この人は、さっきオークキングを一撃で仕留めていました。俺らよりも遥かに強いですよ。」
ガットは、自分の命の危機を救ってくれたマルスの力を信じていた。
「オークキングを一撃だと!?」
ライオット兵隊長は、ガットの言葉に驚きの表情を浮かべる。
「確かに一撃で仕留めましたけど、支援魔法で攻撃力を強化していましたよ。俺の力では、まだ強化状態じゃないと一撃では倒せません。」
ヘラは、剣技を使わずに一撃で仕留めており、ゼウスも魔法一発で仕留めている。
(俺も二人のように強くなりたい。)
「強化したって言っても、一撃で倒せるもんじゃねぇだろ。お前は一体何者なんだ?」
ライオット兵隊長には、マルスの目指すものが高過ぎた。
そして、そんなとんでもないことを平然というマルスに興味が湧いた。
「俺は、白魔道士のマルスです。」
「……マルスか。ん? マルスと言えば、魔王を討伐したっていう、あのマルスか!?」
英雄勲章授与式を見に行くことは出来なかったライオット兵隊長だが、この国に現れた新しい英雄の名は、しっかりと覚えていた。
「ライオット兵隊長! 敵の第二波が間も無く到着します!」
ヒューイが慌てた声色で、第二波となるモンスターの大群が迫っていることを告げる。
「イリス! 敵を減らすぞ!」
「ええ! マルス強化をお願い!」
マルスがイリスへと声を掛けると、イリスが直ぐに反応する。
「ああ。 【支援魔法:大天使の頭脳】!」
最上級支援魔法で、イリスの魔力を強化する。
「イリスちゃん、一緒に放つぞ! イリスちゃんは、氷地獄は使えるかい?」
「はい! 使えます!」
ゼウスは、イリスの横へと並び、イリスに指示を出す。
「なら、俺が大嵐を使う。俺の方でタイミングは合わせるから、遠慮なく撃ってくれ。」
イリスがモンスターの大群に杖の先端を向け、魔力を練り上げて行く。
「行きます! 【氷魔法:氷地獄】!」
「吹き荒れろ! 【風魔法:大嵐】!」
「「【合体魔法:絶対零度】!!」」
合体技は、二人の息を合わせなければ発動出来ない。
その為、合体技の発動は即席で出来るものでは無いのだが、ゼウスの類い希なる魔法センスが、それを可能としたのだ。
触れたもの全てを凍てつかせる魔法がモンスター達に襲い掛かる。
あまりの威力に、マルス達の周囲の気温が急激に低下し、吐く息が白くなって行く。
更に、イリスとゼウスが立っている先の地面から先が、次々と凍り付いて行き、前方にいるモンスターらを氷の氷像へと変えた後、粉々にしてしまう。
凍り付いたモンスターが粉々に飛び散ることで、辺り一帯は、太陽の光を反射し、キラキラと輝いていた。
「ナイス二人共!」
(一撃で、これだけの敵を仕留められたのは大きい。)
初めは、目の前で起きた現象を理解出来なかった兵士達だが、徐々に頭が働き出し、状況を理解した兵士達の士気が一気に高くなる。
第二波のモンスターを一気に殲滅したことにより、若干の余裕が出来たマルス達は、門付近にいた残りのモンスターを次々と倒して行く。
「報告します! 次の第三波が、最後になりそうです!」
門の上からモンスターの動きを観測していた兵士が、声を大にして報告する。
「……次が最後か。」
「マルス。これだけの大群だ。おそらく次の大群の中に、魔王が混じっている可能性が高いぞ。」
(ゼウスさんの言う通りだ。それに、最後のモンスターの集団には、魔王に近い強い個体がいる可能性も高い。気を引き締めないと。)
ヒュン!
(ん?)
マルスの耳が風切音を捉えた。
「うわっ!?」
「がっ!?」
「くっ!?」
「ぎゃぁ!?」
音がしたと同時くらいに、次々と兵士達から悲鳴が上がる。
「敵の攻撃!?」
マルスがモンスター達がいる方へ目を向けるが、まだ距離があり、何かされているのか理解出来なかった。
「きゃっ!?」
その時、イリスも何れかの攻撃を受けたようで、悲鳴を上げる。
(イリスの足から血が出ている。何かされているのは、間違いない。)
「!?」
ヘラは、自分の身に何かが迫っているのを察知して、寸前で回避する。
ヘラが察知出来たのは、ヘラが高レベルであり、長年の戦闘経験や類稀なる動体視力があったからである。
そして、ヘラは自分達を襲っていた謎の攻撃の正体を目にした。
「針が飛んできているわ!」
ヘラが目にしたのは、尖った針のようなもの。
(針!? あの距離から攻撃していたのか!)
「マルス!」
「分かってる! 【結界魔法:大天使の守護】!」
敵が攻撃しているのなら、結界魔法で防げば良いだけだ!
「くっ!?」
マルスの横に立つゼウスから、苦悶の声が漏れる。
「え!?」
マルスが目にしたのは、ゼウスの腕に細い棘が刺さっている状況だった。
今日は、父の日ですね!
世の中のお父さん!
お疲れ様です!(自分にも)




