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魔石を取り付けよう!

金曜日がやって参りました!


平日ラストです!


今日も頑張りましょう٩( 'ω' )و!

 マルスが英雄、剣姫ヘラと黒王ゼウスに育てられたと爆弾発言した後、イリス達から質問責めにあったマルス。


 マルスには、ヘラとゼウスは単なる育ての親だったが、イリス達から二人の偉業の数々を聞かされ、自分がとんでもない人達に、育ててもらえたんだと実感する。


 (ヘラさんとゼウスさんって、本当に凄い人達だったんだな。二人のことを褒められると、何だか照れ臭くなる。)


 マルスは、あまりにもイリス達がヘラとゼウスのことを讃えるので、照れ臭く感じると共に、嬉しいと感じていたのだった。


 全員の興奮が収まったところで、オケアノス国王から、勲章や報酬については、後日改めて贈られると言われたマルス達は、王城を後にした。




「今日は、色々あって疲れたから、早く休んで明日ヘパイストスさんのところへ素材を持ち込もう。」


「そうね。私ももうヘトヘトよ。」

 マルスの提案に、疲労が溜まっていたイリス達も同意した。


 自室へ戻ったマルスは、倒れるようにベッドへダイブする。


「ふあーー、今日は疲れたなぁ。」

 ベッドに、身体全体を埋める。


「……魔王を倒せた。だけど、魔王ベヒモスはもっと強い筈だ。俺はもっと強くなる。」

 マルスは、己の決意を口にした後、眠りに落ちたのだった。


  ▽


 翌朝、起床したマルスは、早朝ランニングを行なう。


 1日ぐっすり寝たことで、体調も万全だ。


 レベルアップの恩恵もあり、身体の調子がいつもより良く感じられる。


 支援魔法と回復魔法を併用しての、強化トレーニングは、白魔道士ならではの方法だ。


 マルスが鍛錬を行なっていると、イリス、クレイ、フレイヤ、ミネルヴァもマルスの鍛錬に参戦する。


「みんな、まだ寝てなくていいのか?」

「それをマルスが言うのかよ?」

 クレイは、既に汗だくなマルスへと言い返す。


「私達も、もっと強くならなきゃダメだって思ってるのよ。」

 イリスの言葉に、フレイヤとミネルヴァは頷いて同意する。


「なら、みんなで鍛錬しようぜ。みんなにも支援魔法と回復魔法を使うから、ガンガンいこうぜ!」

「マルス式訓練法だな。望むところだ!」

 (マルス式訓練法って、大袈裟な言い方を。)


「早速始めるぞ!」

 こうして、早朝から全員で汗を流したマルス達だった。


  ▽


 魔王デスワームの件があったが、冒険者学校は平常運転だった。


「皆さん、おはようございます。遠征訓練は、魔王デスワームの乱入によって、途中で終わってしまいましたが、良い経験になったと思います。今回のようなことが今後無いとは言い切れません。万が一、同じようなことが起きても、生き残れるよう、日々の訓練を一生懸命に取り組んで行きましょう。」

 エイル先生の話を、クラスメイト達は真剣な表情で聞いていた。


 他のクラスでも、教官から同様の話を生徒達に行ったそうだ。


 この日から、生徒達は皆真剣に訓練に取り組むようになる。


 命の危険を感じることが出来た今回の遠征訓練は、良い刺激になったようだ。


 そして、学校の授業を終えたマルス達は、ヘパイストスの工房へ向かう為に、荷物を纏める。


「マルス君達は、アイテール校長から話があるそうなので、私と一緒に校長室へ来てください。」

 エイル先生は、帰り支度をしていたマルス達へと声を掛ける。


 (校長先生が? 何の用があるんだろう。)


 エイル先生が校長室のドアをノックし、返事を待ってからドアを開け、校長室へと入室する。


 机の向こうにある、大きく豪華な椅子には、60歳くらいの初老の男性が腰掛けていた。


 (この人が、校長先生なのか? そう言えば、入学した時や、クラス代表戦などの際に、校長先生がいたっぽいけど、全然意識していなかったな。)


「よく来たの。まぁ、掛けたまえ。」

 そんな影の薄いアイテール校長先生に、座るよう促されたマルス達は、部屋にあるソファーへと腰を下ろす。


「君達の魔王討伐の話は聞いている。本当に良くやってくれた。」

 アイテール校長は、自分の学校の生徒が、魔王を討伐したとあって、満面の笑みを浮かべている。


「ありがとうございます。」

「うむ。今日は、皆にお礼が言いたくての。それと今回の件で国から報酬や勲章が贈られるそうなんじゃが、学校側からも表彰する予定でいるので、そのつもりでいるようにの。」

 アイテール校長によると、魔王討伐を成した者に、学校側としても何かしら与えないと、世間体が悪いんだそうだ。


「ああ、あと、魔王を討伐したのだ。学費についても免除じゃ。」

 (おおーー!! 有難い! イリス達は最初から免除になっているから関係ないが、俺としては有難い報酬だ!学校生活において、学費代を気にしなくて済むなんて……校長先生、ありがとうございます。)


 マルス達は、アイテール校長に頭を下げて部屋から退室したのだった。


  ▽


 アイテール校長との面談を終えた、マルス達はヘパイストスの工房へと足を運ぶ。


「ヘパイストスさん、こんにちは。」

 マルス達が、工房内で作業中のヘパイストスへと挨拶する。


「おうお前らか!? 今日はどうしたんだ?」

 作業を中断したヘパイストスは、マルス達へ近付く。


 そこで、マルスは魔王デスワームを討伐し、魔王からゲットした魔石や魔王デスワームの素材があることを伝える。


「たまげたなぁ!? お前ら、魔王を倒すたぁ大したもんだ!」

 ヘパイストスは、マルスの話を信じていなかったが、マルスが魔王デスワームの皮や魔石を取り出したこところで、目を大きく見開きながら、声を上げる。


 ヘパイストスは、マルスとイリスの武器の魔石を取り替えるのは、直ぐに出来ると答えたが、魔王デスワームの皮の加工には時間がかかると伝えた。


「先ずは、このデカ過ぎる魔石を小さく圧縮しないとだな。このままじゃ、武器に取り付けられねぇ。」


 魔石の取り換えは、直ぐに出来るらしいが、このサイズのままでは、魔石が大き過ぎて、直ぐに取り替えることは出来ないのだ。


「どうすればいいんですか?」

 (魔石の圧縮なんて、簡単に出来るのだろうか?)


 ヘパイストスは、魔石職人と言う、魔石を取り扱うエキスパートがいると答える。


 ヘパイストスの知り合いである、優秀な魔石職人の下へと向かうことになったマルス達。


「ヘパイストスだ! セケルいるか?」

 目的の家に辿り着いたヘパイストスは、家の玄関扉を叩きながら声を上げる。


「うるさい! そんなにガンガン叩かなくても聞こえてるよ!」

 20歳くらいのボサボサ頭をした、丸メガネの女性が姿を現した。


「嘘つけ! この前来た時は、何度叩いても出てこなかったじゃないか! まぁ、いい。紹介しよう。このガサツな女は、魔石職人のセケルだ。こんなんだが、魔石の扱いはかなりのもんだ。」


「……なんだその紹介の仕方は!? もう貴様の依頼は受けてやらないぞ! それで、この子達は誰?」

 ヘパイストスの雑な紹介に、怒りを露わにするセケル。


「初めましてマルスと言います。」

 マルス達は、順番に自己紹介を行う。


「ふーん。で、何の用なの?」

 セケルは、興味のなさげな目をマルス達へと向ける。


「お前に用なんて、魔石のことしかねぇだろ? マルス達の武具を作ってるんだが、コイツらが手に入れた魔石が大き過ぎたんで、魔石を圧縮してもらおうと思ってな。」

 ヘパイストスの言葉に、セケルの目が変わる。


「ほう。大き過ぎたと言うからには、それなりの魔石なんだろうねぇ?」

「ああ、魔王デスワームからゲットした魔石らしいぞ。」

 ヘパイストスは、マルスから受け取っていた、特大サイズの魔石をセケルへと見せ付ける。


「何だと!? これは、確かにデカイな! それに、魔王の魔石だと? コイツらが魔王を倒したと言うのか?」

 ヘパイストスが取り出した魔石の大きさに、セケルの興奮が最高潮に達する。


「はい。危ないところでしたが、何とか魔王を倒すことが出来ました。」

「へぇーー、やるじゃないか。とりあえず家に入りな。」

 セケルは、マルス達を自宅に招き入れると、早速ヘパイストスから魔石を受け取る。


「魔石って、どうやって圧縮するんですか?」

 (そんな簡単に、圧縮することが出来るのだろうか?)


 マルスは、ふとした疑問を投げかける。


「魔石ってのは、魔力が固まって出来ているんだ。特殊な方法で、魔石に溜まっている魔力を液体状にして、それを型に流し込んで固めるんだ。液体状にすることで、魔力が圧縮されるから、元の大きさよりも魔石は小さくなるんだよ。」

 マルスの質問に答えながらも、セケルの手は動いたままだった。


 魔王の魔石を液体状にするのは、普通の魔石よりも苦労するようで、セケルは忙しなく動き回る。


 セケルの作業が終わるまで、マルス達はセケルの作業工程を眺めていた。


 (魔石ってこうやって圧縮するんだな。あれ? でもこの方法で魔石を圧縮出来るのなら。)


「今、俺の武器についている魔石と、その魔石を両方液体状にして混ぜれば、もっと強力な魔石が出来るんですか?」

 液体状にして圧縮出来るのなら、二つの魔石を一つに纏めることも出来るんじゃないだろうか?


「やっぱりその考えに至るよな!? 私もそれを研究しているんだが、中々上手く行かないんだよ。確かに、二つの魔石を液体状にして、一つの魔石を作ることは可能だ。しかし、魔石を形作った元の魔力の質が違い過ぎると、合体した魔石の質が殆ど変化しないんだ。最悪、質が下がってしまう場合もある。今のところ、同じ質の魔石を合わせた場合だけは、確実に魔石の質が向上することが分かったんだ。だから、今回の魔王から手に入れた魔石と合うのは、おそらく魔王から手に入れた魔石くらいだろう。」

 セケルは作業を続けながら、早口でマルスの意見に答える。


 (そう言うことなのか、今回の魔王デスワームの魔石は二つに分かれているので、一つにして俺かイリスの魔石に合わせる方がいいのだろうか?)


「今回の魔石は一つずつの方がいいんじゃないか? 今嵌め込まれている魔石より、かなり強力な魔石だから、二人の力が上がるぞ。」

 (確かに、俺とイリスの魔法の力が向上すれば、パーティーとしての戦力が上がるな。今後魔王を倒して魔石を手に入れたら、魔石を合体して強化してもらえばいいな。)


 セケルの意見に賛成したマルスは、そのまま一つずつ圧縮して、取り替えることに決めたのだった。


 しばらくすると、セケルが完成したと申し立てる。


 特大サイズから、現在武器に嵌め込まれている魔石と同サイズの魔石となったが、それでも魔石に込められた強力な魔力を感じることが出来た。


「魔王の魔石は、別名()()()と呼ばれているらしい。討伐数も少ないから、国宝級の魔石になる。奪われないように気をつけるんだぞ。ああ、それとこれだけ立派な魔石を扱えて、私も楽しかった。また、いつでも魔石を持って来てくれ。」

 セケルは、魔王を倒したマルス達なら、色々な魔石を持ち込んでくれると期待していた。


 マルス達は、セケルへとお礼を言い、魔石圧縮の代金を支払った。



 ヘパイストスの工房へと戻ると、直ぐにヘパイストスはマルスとイリスから武器を受け取り、今付いている魔石を取り外し、圧縮した魔王の魔石を取り付ける。


「良し。魔王石を嵌め込んだぞ。」

「ありがとうございました。」

 マルスは、ヘパイストスにお礼と代金を支払う。


「後は、魔王デスワームの皮とかだが、防具で良いんだよな?」

 (ミスリルよりも強固なものとなるなら、是非とも身につけたいからな。)


 マルスが、魔王デスワームの素材から防具製作を依頼するとヘパイストスは、完成したら連絡を入れると答えた。


 こうして、マルスとイリスの魔石が、強力な魔王石へと取り替えられたのだった。

ブクマ、評価等の応援ありがとうございます(*^^*)

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