激突〜勝利を掴め〜
本作も丸一月を迎えました( ^ω^ )!
毎日継続更新出来るのも、読みに来てくれる方のおかげです(^人^)
これからもよろしくお願いします(o^^o)
マルスの最上級支援魔法大天使の頭脳によって、魔力を強化したイリスが放った、火属性の最上級魔法地獄の炎によって、魔王デスワームは黒焦げとなった。
そして今、魔王デスワームの黒焦げの身体が剥がれ落ちて行くのだった。
マルスは、収納箱から取り出した魔力回復薬を飲み干しながら、魔王デスワームを観察する。
すると、黒焦げの身体が剥がれ落ち、その中から出てきたのは、身体を更に黒くした魔王デスワームだった。
皮を脱ぎ捨てた魔王デスワームの身体には、滑りがあり、テカテカと黒光りしている。
「あーー、アチィじゃねぇか! 一皮剥けちまったぜ。」
「コイツ、脱皮したのか!? 少し大きくなってる気がするが。」
(それよりも、さっきのダメージは残っているのかが気になるな。流石に、最上級支援魔法で強化した状態の、最上級魔法を受けたんだ。多少なりとも効いていると思いたい。)
マルスは、作戦を伝える為にオグマへと近付く。
「俺が引きつけますので、奴に強烈なのをお願いします。」
「任せろ。」
オグマに対し、最上級支援魔法の大天使の力を施したマルスは、魔王デスワームへと駆け出す。
「絞め殺してやるよ! 【 死の巻き付き】!」
魔王デスワームが尻尾を高速でしならせて、走るマルスへと尻尾を巻き付ける。
「がぁ!?」
(苦しい!? このままじゃ本当に絞め殺される!)
「今度は、お前が燃え尽きろ! 【火竜の尾】!」」
魔王デスワームは、マルスを締め上げたまま尾に炎を纏う。
「全て燃え尽きたか?」
魔王デスワームが、しばらく発動していた火竜の尾を解除すると、そこにマルスの姿は無かった。
ザシュッ!
「ガァーー!?」
魔王デスワームの身体に、マルスのミスリルの剣が深々と突き刺さる。
マルスは、魔王デスワームの火竜の尾が発動される前に、転移魔法で離脱していたのだ。
魔王デスワームの上空へと。
かなりの高度へと転移したマルスは、そのまま剣先を下に向け、重力加速を加えた一撃をもって、魔王デスワームの身体を貫いたのだ。
魔王デスワームは、あまりの痛みに、顔を天へと向けて叫び声を上げる。
「首がガラ空きだぞ! 【剣技:豪破烈斬】!」
魔王デスワームの首目掛けて振り下ろす。
最上級支援魔法を受けたオグマの最高の一撃が、魔王デスワームの首を斬り落とす。
「やった!」
イリスは、今度こそ魔王デスワームを倒したと歓喜する。
まさか、これで動くとかは無いよな?
先程の脱皮の件があるので、しばらく様子を見るマルス。
そして、魔王デスワームの身体には、何の変化も現れなかった。
「勝った、のか?」
マルスは、本当にこれで終わりなのか疑問に思ってしまう。
「流石に、首を斬り落としたんだ。もう動かんだろう。俺達の勝利だ!」
オグマは、魔王を倒したと確信していた。
「二人共、勝利の余韻に浸るのはまだ早いですよ。まだ、周りのワームが残っています。」
ディアナに指摘されたマルスとオグマは、周囲へと目を向ける。
皆、上手く連携して、ワームの上位個体と戦っている。
雑魚のワームは、もう倒し終えており、残りは数匹となっていた。
マルスとイリスは、クレイ達の下へと加勢に向かう。
「なっ!? マルス! 魔王はどうしたんだよ!」
クレイは、目の前の敵で一杯一杯で、魔王がどうなったのか見ている余裕は無かったのだ。
「倒したぞ! 後はコイツらだけだ!」
「マジかよ!? すげぇな!」
「クレイ達も、強敵相手に良く持ち堪えてくれたよ。」
「ああ。エイル先生の支援魔法と回復魔法のお陰だよ。」
(エイル先生にも、来てもらって正解だったな。)
流石に、この人数に支援魔法を施すなんて、俺一人のMPじゃ足りないし、魔力回復薬を使ってもサポートしきれなかっただろう。
今も、エイル先生は、怪我をしている教官の治療に当たってくれていた。
それ程時間も掛からずに、周りにいたギガントワームらの討伐も終える事が出来たのだった。
「誰も死なずに、魔王を倒せて良かったです。」
「応援要請を出していた生徒達も、何とか持ち堪えてくれました。」
マルスは、怪我の治療をしているエイル先生と言葉を交わす。
この時、マルス達は大事なことを失念してしまっていた。
魔王の配下のモンスターは、大抵魔王が討伐された場合には逃走するということを。
配下のモンスター達が、逃げ出さなかったということは。
突如、マルスは強烈な寒気に襲われる。
そして、その寒気の正体を直ぐに知ることとなる。
「【火竜の息吹】!」
マルス達を襲ったのは、討伐した筈の魔王デスワームの火竜の息吹だった。
「がっ!?」
「うわぁ!?」
戦闘後で、勝利したと思っていた者達が、一つに纏まっていたところを狙い撃ちされてしまい、全員が瀕死の重傷を負う。
幸い、全員がエイル先生の回復魔法でHPを回復していた為、今の一撃で死人が出ることは無かった。
だが、受けたダメージは甚大で、直ぐに行動できる者はいない。
「俺様を倒したと油断していたようだが、俺様をそう簡単に倒せると思うなよ!」
魔王デスワームの身体は、先程までよりかなり小さくなっていた。
魔王デスワームは、首を斬り落とされたが、死んだ訳では無かったのだ。
頭だけとなった魔王デスワームは、マルス達が自分から意識を外し、配下のモンスターに向かったのを確認すると、先程脱皮した自分の皮を食べたのだ。
魔王デスワームが脱皮した皮には、回復効果があったのである。
流石に、大ダメージを受けて、頭だけとなってしまっていたので、脱皮した皮を食べても全回復とまではいかなかったが、それでも身体を再生するだけの力を取り戻したのである。
「このままやられる訳にはいかない!」
(こんなところで死んでたまるか!)
マルスは、瀕死の身体に鞭を打って、立ち上がる。
「……マルス君。【回復魔法:大天使の癒し】!」
エイル先生は、自分も瀕死の状態であるにも関わらず、マルスへと最上級回復魔法を発動する。
「エイル先生?」
「貴方なら、魔王に勝てるわ。先生は、マルス君を信じています。」
エイル先生は、自分の力を使い果たし、意識を失う。
「エイル先生、ありがとうございます。必ず倒して見せます。 【支援魔法:全大天使】!」
マルスは、自身のステータスを爆発的に上昇させて、剣を構えた。
マルスは果敢に魔王デスワームに剣を振り、魔王デスワームの攻撃と互角に渡り合う。
「喰い殺してやる! 【竜の突撃】!」
魔王デスワームは、地面すれすれまで頭を下げ、顔をマルスに向けて、高速で突撃を開始する。
地面を抉りながら、マルスへと突き進んで行く魔王デスワーム。
魔王デスワームは、マルスへと辿り着く瞬間に、口を開けてマルスを喰い殺そうと目論んでいた。
「【転移魔法:瞬間移動】。」
マルスの姿が消えたが、直ぐに現れた。
「なにっ!?」
マルスが転移した先は、魔王デスワームから見て、右前方。
それも魔王デスワームとの距離は、殆ど無いと言っていい程の距離だ。
魔王デスワームは、攻撃のタイミングをズラされた事に動揺する、
タイミングをズラされた魔王デスワームは、口を開けるいとまがなくなってしまった。
「【守りの剣:不動明王】!」
マルスは、力強く大地に足を踏み付けて重心を落とすと共に、剣を横に構えると、自分の背後に結界を展開して、身体が後方に持っていかれないようにしたのだ。
魔王デスワームは、自分の攻撃を止めることは出来ず、自らマルスの剣に飛び込んでしまう。
高速移動で向かって来た大質量の身体を、マルスの剣が斬り裂いていく。
その衝撃は凄まじく、マルスの身体が悲鳴を上げる。
(痛ぇーー!? でも、ここで剣から手を離す訳にはいかない。)
「勝つんだ!」
マルスは、己の強化した身体と強い心を支えに、剣の柄から手を離すことはなかった。
そして、遂に終わりが訪れる。
マルスの身体を襲っていた衝撃が収まったのだ。
魔王デスワームは、頭から尻尾の先まで、見事に二枚におろされていた。
パキン!
そして、その衝撃によってマルスのミスリル製の剣も限界を迎えたようで、半ばから折れてしまう。
折れたのは、ミスリル製の剣だけでは無い、魔王デスワームとの衝突の衝撃をマルスは、受け止めたのだ、剣を持っていた腕の骨、結界に押し付けられていた背中の骨などが折れてしまっていた。
マルスの身体は限界を迎え、結界の解除と共に後ろへと倒れる。
「……今度こそ、俺達の勝利だ。」
マルスは、仰向けに倒れながら拳を天に突き出し、勝利宣言したのだった。
ブクマ、評価等いただけると嬉しいですm(_ _)m




