表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/197

カニングトン鉱山

余談ですが、カニングトン鉱山は、実在する鉱山となります。


鉱山のある場所は、オーストラリア、クイーンズランド州。


鉛、亜鉛、銀などがゲット出来るようですね。


銀鉱山としては、世界最大規模を誇り、世界第4位の銀生産国オーストラリアの主要な鉱山みたいですね。


作中では、ミスリル鉱石ゲットポイント!

 マルス達が馬車に揺られて辿り着いたのは、ミスリル鉱石が採取出来る、カニングトン鉱山。


 地下深くまで掘られており、最奥地がどうなっているのか、未だ謎に包まれた場所である。


 一説には、強力なモンスターが住み着いているとされているが、辿り着いたものはいない。


 そんなカニングトン鉱山に棲息するモンスターは、岩石系のモンスターが多い。


 どのモンスターも高い防御力を有しており、一体を倒すのにもたついていると、次々と迫るモンスターに囲まれてしまい、ジ・エンドとなるのだ。


 その為、カニングトン鉱山は冒険者殺しとしても有名な場所である。



 そんな場所において、現在マルス達は交戦中だ。


「そっち行ったぞ!」

「任せろ!」

 マルスが弾いたモンスターが、ゴロゴロと転がりながら、クレイの方へと飛ばされる。


 現在マルス達の周りには、丸いフォルムに、身体が岩で出来たモンスター、ビッグロックが多数襲いかかっている。


「はーー! 【騎士技:騎士一閃(ナイトスラッシュ)】!」

 クレイの攻撃により、ビッグロックは岩の身体を両断させる。


「纏めて氷漬けよ! 【氷魔法:氷結(ペークシス)】!」

 イリスの黒魔法により、複数のビッグロックが氷漬けとなる。


「終わりです! 【剣技:豪剣(パワースラッシュ)】!」

「砕いちゃうよーー! 【拳技:|剛拳《パワーナックル】!」

 氷漬けとなったビッグロックの身体を、フレイヤとミネルヴァが打ち砕く。


 砕かれたビッグロックは、身体が粉々に飛散した。


「これで最期だ!」

 マルスが最期の一体を倒し終え、マルス達の周りには、ビッグロックの砕けた身体が散乱していた。


「だいぶ倒したな。レベル上がったんじゃねぇか?」

「そうだな。でも、コイツらそんなに強く無いし、かなりの数を倒さないと、コイツらじゃレベルは上がらなそうだな。」

 クレイの言葉に、マルスが答える。


 マルスの言うように、ビッグロックは防御力が高いだけの雑魚モンスターだ。


 今のマルス達がレベルを上げるならば、効率の良いモンスターとは言え無い。


 その後もマルス達の鉱山探索は続き、しばらくするとミネルヴァが声をあげた。


「あった! これじゃ無いかな!?」

 ミネルヴァの手には、銀色に輝く鉱石が握り締められていた。


「それは銀だと思うわよ。」

「銀ですね。」

「それは銀だな。」

 イリス、フレイヤ、クレイの三人が、ミネルヴァの手に持つ物の正体を、銀だと断言する。


「そんなーー。でも、銀でもお金になるもんねーー。」

 ミネルヴァは、ホクホク顔で銀を腰布に仕舞い込む。


「なぁ、ミネルヴァって確か田舎の出だったよね?」

「ん? そうだよ。兄弟も多くてね。私が稼がないとなんだ。」


 ミネルヴァがお金を欲しがっているのは、そう言う理由があってのことだ。


 (それならなんで冒険者学校に入ったんだ?)


 そのことについて、マルスがミネルヴァに尋ねる。


「私の職業が最上級職業だって分かったら、国から学校費用いらないから、冒険者学校に入る様に言われたのよ。その間の家の援助もしてくれるって言うし。」

 (な、なんていい待遇を受けているんだ!? 俺なんて学校費用を自分で稼いでいるって言うのに! 差別だ! 職業差別だ!)


 マルスはミネルヴァの言葉に、ハートブレイクされてしまい、蹲ってしまう。


「え!? マルスどうしたの?」

 イリスがいきなり、マルスが蹲ったことに驚き、マルスに駆け寄る。


「……職業差別だ。みんな平等にすべきだ。頑張って学費払ってるのに。」

 マルスが、ブツブツと独り言を発し始めた。


「こ、混乱の状態異常にかかっているわ!? だ、誰か回復を!」

「いやいや、落ち着けよイリス。これは状態異常だけど、ちょっと違うだろ。それに、回復役はその混乱中のマルスだろ。」

 突然のマルスの暴走に、イリスは混乱して謎めいた発言をし、クレイに冷静に突っ込まれた。


「そ、そうよね。ねぇマルス。最上級職業に選ばれる人は、1年に一人いないくらい少ないと言われているの。それくらい最上級職業は強力な存在よ。国としては、そんな人達に力を伸ばして欲しいと考えてのことなの。……ほら、他の上級職の人は、皆んな学費を納めているでしょ?」

 イリスの必死の説明に、マルスは顔を上げてイリスを見つめる。


「ここには、最上級が四人もいるけどね。」

「た、たまたよ?」

「なんてね。依頼をこなして成長出来るし、学費も問題無く払えてるから、気にして無いんだけどね。」

「心配して損した!」

 マルスは、ヘラとゼウスに鍛えてもらい、自分で稼いで何とかやり繰り出来ているが、裕福じゃ無い家庭に生まれた子は、学校に通い難いシステムだ。


 マルスは、この国の冒険者学校のシステムに、改善の余地が必要と思いつつ、自分が考えることでは無いと、思考を止める。


 気を取り直した一行は、更に下へと降りて行き、遂に目的のミスリル鉱石を発見する。


 ミスリル鉱石は、銀と黄緑色の輝きを放っていた。

 ミスリル鉱石には、魔力が宿っていると言われており、そのため魔力伝導率が高いのだ。


 マルス達が辿り着いた場所では、いくつかのミスリルを採取することに成功した。


「どれくらい必要なんだろうな?」

「俺達人数分の武器となると、結構必要になりそうだよな。」

 マルス達の採取した量で全く足りない。


 マルス達が今後の方針を決めかねていると、ドスンドスンと、大きな音が近付いて来た。


 現れたのは、土色の身体をした二本の足と手を持つモンスター、ゴーレムだ。


 その内の一体は、土色の身体ではなく、ミスリル鉱石のような銀と黄緑色の身体をしたモンスターが含まれていた。


「あれは……ミスリルゴーレムって奴か?」

 マルスは、モンスターの特徴から、ヘラとゼウスの所で聞かされたモンスター名を口にする。


 ミスリルゴーレムのHP、攻撃力、防御力は、通常のゴーレムを遥かに凌ぐ。


 その為、ミスリルゴーレム討伐の依頼は、Aクラス扱いとなっている。


 マルス達は、過去にハイペリオンやギガントゾンビなどの危険なモンスターを討伐しているが、油断出来ない相手である。


 だが、ミスリルゴーレムの身体は、ミスリル鉱石で出来ている。


 つまり、ミスリルゴーレムを倒せば、ミスリル鉱石が大量に手に入るのだ。


「絶対ミスリルゴーレムを逃すなよ!」

 ゴーレム達は、マルス達を狩ろうと襲ったのに、まさか逆に狩られる立場だとは思いもしなかったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ