鍛治職人との出会い
本日も、無事に更新出来ました(*⁰▿⁰*)
ギガントゾンビを討伐し、キアリ村を救った件で、オケアノス国王から報酬を受け取ることになったマルス達。
国から報酬として渡されたのは、マルスが今まで目にしたことのない大金だった。
「こ、こんなにもらっちゃっていいのかな?」
お金とは縁のないところで幼少期を過ごしていたマルスには、目も眩むようなお金だった。
「まぁ、妥当なんじゃないか?」
イリスとフレイヤは、お金持ちの家なので動揺した様子はなかったのだが、クレイも動じてはいなかった。
「うち、親が商人だから結構お金は見慣れてるし。」
(お、俺だけ動揺してるってのか!?)
そう思っていたマルスがミネルヴァを見ると、お金から目を離さないミネルヴァの姿があった。
(あーー、ここにもいたか。)
お金については、冒険者ギルドで預かってくれるらしく、ある程度のお金を残してギルドに預けた。
常に大金を持ち歩く訳にはいかないので、助かる機能だ。
お金をマルス達から預かった受付嬢のリナは、マルス達の装備を見て、あることに気が付く。
「マルス様達は、そろそろ武器を新調してはいかがでしょうか?」
リナの言葉に、各々自分の武器へと目を落とし、武器がボロボロになっていることに気が付いた。
(そう言えば、全然武器を変えていなかったな。お金もあることだし、武器を買い換えるか。)
「あーー、鉱石の採取依頼を出したいんだが。」
マルス達が自分達の武器を買い換えようと考えていると、受付嬢のベルに依頼を出そうとしている男性の姿がった。
その男性は、燃えるような赤い髪をしており、引き締まった身体付きをした青年だった。
「へパイストスさん、またですか? この間も依頼を出したばかりじゃないですか? もう鉱石がなくなっちゃったんですか? 自分で鉱石採取に行けばいいじゃないですか。」
ベルは、呆れた顔をしながら対応していた。
「自分で行くと、鍛治をする時間が減るじゃないですか!? それと、鉱石は全部使い切っちゃいましたよ。」
「あんなに鉱石を受け取ってたのに、もう無いんですか! 呆れた。」
そう言いつつも、ベルは依頼用の用紙をヘパイストスへと手渡す。
「……ベルさん。ブレないですね。」
そう言いつつ、ヘパイストスは手渡された用紙を破りさる。
「ちょっと、何するのよ!?」
「こっちの台詞ですよ! 毎回毎回、婚約届けなんて渡さないで下さいよ! てか、毎回破っているのに、何枚持ってるんですか!」
「毎回破かないでよ! 因みに、常に100枚用意してるわよ。なくなったら補充してるわ。」
「紙の無駄だろ!」
「無駄とは失礼ね! 私が結婚出来なくてもいいって言うの!」
ベルは、相変わらずの様だった。
ヘパイストスは、慣れた様にベルを遇らう。
「全くベルさんは。」
リナの額にら怒りのマークが現れる。
(あーーあ、またベルさん怒られるよ。)
リナは、ベルに怒る前に一つのことを思い付く。
「マルス様。先程の武器のお話ですが、あそこにいるヘパイストス様の工房に行かれてはいかかでしょうか? 彼の作る武器は、かなり良い性能だと評判なんですよ。」
「そうなんですか? ありがとうございます。」
リナからの勧めを受けたマルス達は、ヘパイストスへと近付き、声を掛けた。
「初めまして。マルスと言います。お取り込み中すみません。」
「なんだお前ら? 俺は今忙しいんだ。後にしてくれよ。」
マルスに声を掛けらられたヘパイストスは、あからさまに嫌そうな表情を浮かべる。
「あら、マルス君にクレイ君。今日はどうしたの?」
「こんにちはベルさん。リナさんに、ヘパイストスさんが優秀な鍛治職人と教えていただいたので、何か武器を作っていただきたくて。」
「何だ、客か。……お前らに俺の武器は早いんじゃないか? うちのは高いぞ?」
マルスを下から上まで眺めたヘパイストスが、そう口にした。
「金ならそれなりにあるんだけど?」
「実力のない奴が、いい武器を持っていても危ないだけだ。」
「ちょっと!? マルス君達は、期待のルーキーなのよ!」
ヘパイストスの言葉に、ベルがムキになって言い返す。
「そんなこと俺が知るかよ。でもまぁ、俺の依頼を達成してくれるなら、武器を作ってやってもいいぜ。」
「何だよ偉そうに。マルスこいつから買わなくても、他の武器屋に行こうぜ。」
クレイは、ヘパイストスの態度が気に入らず、マルスの肩に手を乗せる。
「別に他所に行くならそれでも構わないぞ?」
ヘパイストスは、クレイの言葉を全く意に介していなかった。
「その斧は、ヘパイストスさんが作った物ですか?」
マルスは、ヘパイストスが背負っている斧を指差す。
「これか? ああそうだ。俺が作った最高傑作の斧、ラブリュスだ。」
ヘパイストスは、両刃斧を手に取り胸の前に持つ。
(綺麗な斧だ。それでいて力強さを感じる。)
「決めました。ヘパイストスさんの依頼を受けます。」
「おい!? マルス!」
「だって、見てくれよこの斧! こんな凄い武器を作れる人なんだ。俺は、ヘパイストスさんに武器を作ってもらいたい。」
マルスの言葉に、クレイもラブリュスへと目を落とし、ラブリュスの凄さを感じ取る。
「……確かに、かなりの斧だな。」
クレイは、ヘパイストスの態度は気に入らないが、ラブリュスの完成度に納得してしまう。
「ふーーん、お前ら見る目はあるみたいだな。いいだろう。俺からの依頼は、王都から西に行ったところにある、カニングトン鉱山からミスリル鉱石を取って来てくれ。」
ミスリル鉱石とは、鉄よりも硬い素材かつ魔法電動率の良い鉱石だ。
非常に価値が高く、装備しているのは冒険者でも中堅以上の者達であり、ミスリル鉱石で出来た武器や防具は、高額となる。
「カニングトン鉱山って、どんなところなんだ?」
「そんなことも知らないのか? カニングトン鉱山には、ゴーレムなどの岩石系モンスターが蔓延る場所だ。」
ゴーレムとは、石などで出来た身体を有するモンスターで、非常に高いHP、攻撃力、防御力を持っている。
また、カニングトン鉱山までは片道2日あれば到達出来る場所にある。
マルス達は、未だ学校が休校中で時間を持て余している為、ヘパイストスの依頼を引き受けることにしたのだった。
「一応言っておくが、お前らが採取してきた鉱石で武器を作ってやるから、素材代はマケテやるが、鍛治代はしっかりもらうからな。」
ヘパイストスは、それだけ言い残すとギルドから立ち去ったのだった。
その後、マルス達は旅の身支度を整え、カニングトン鉱山に向けて、出発したのだった。
次回 カニグトン鉱山




