アザゼルを食い止めろ
アザゼル編は、後1話で終わる予定です!
突如現れた、アザゼルの姿をしたモンスター。
そして、アザゼルから放たれたのは、火属性最上級魔法の地獄の炎。
放たれた地獄の炎は、地面を焦がしながらマルスへと突き進む。
「いきなりかよ!? 【結界魔法:大天使の守護】!」
最上級に対して、マルスが発動したのも最上級魔法。
アザゼルの地獄の炎と、マルスの大天使の守護が衝突し、炎がマルス達を結界の周りを覆い尽くす。
ミシミシミシ。
マルスに守られている者達は、アザゼルの圧倒的な魔力を前に恐怖する。
更に、結界が壊れそうな音を立てていることから、その恐怖は加速する。
「このままじゃ不味い! 【支援魔法:大天使の頭脳】!」
マルスは自身の魔力を強化し、大天使の護りを更に強化する。
何とか、地獄の炎をやり過ごせたマルス達の前で、アザゼルは笑みを浮かべていた。
「いつまで持つかな? 【雷魔法:紅い稲妻】!」
アザゼルはそう言うと、次の黒魔法を唱える。
巨大な紅色の雷が、空よりマルス達へと降り注ぎ、遂に強化した大天使の守護が突破される。
(ゼウスさんの魔法も防いだ結界魔法が!?)
「早くここから逃げて!」
その場に居た者達は、アザゼルの力を目の当たりにしたため、自分の実力では足手まといにしかならないことを理解していた為、即座にその場から離れる。
(これで周りを気にしないで済むけど、果たして勝てるかどうか。 それに、どうしてアザゼルがこんなことに?)
「アザゼル、一体何があったんだ?」
マルスは、ダメ元でも、アザゼルがこうなった原因が分かれば、何か突破口が見つけられるかも知れないと考えた。
「あ? 何がだと? これが俺様の本当の力なんだよ!」
「本当の力? ……お前、モンスターだったのか?」
(学校の入学式の際に、ステータス鑑定されている筈だが、それを突破したのだろうか? それとも、アザゼルの姿を真似ているのか?)
「は? 馬鹿じゃねぇのか? アイツから貰った物を飲んだだけさ。本当の力を引き出すと言われてな!」
アザゼルが槍を構えて、マルスへと突きを繰り出す。
(は、速い!?)
マルスは回避を試みるが、アザゼルの槍の矛先が脇腹を掠める。
「くっ!? アイツってのは誰のことだ?」
「名前なんか知るかよ。早くお前を殺したくてうずうずしてるんだ。」
「名前も知らない人から貰った物を飲むんじゃねぇよ!」
(絶対それが原因でおかしくなってんだろ! 状態異常系のものなのか? だったら。)
「【回復魔法:浄化の大天使】!」
マルスは、自分では無く、アザゼルへと回復魔法を発動する。
この魔法は、状態異常を回復する最上級魔法だ。
マルスは、アザゼルが謎の飲み物を飲んで、この様な姿になったのであれば、これで解除出来るかも知れないと考えたのだ。
「あ? なんだこれは? 白魔道士のお前が何をしようと無駄だ!」
アザゼルに変化は無く、再びアザゼルがマルスへと攻撃を繰り出す。
(元の姿に戻らない!? つまり、このアザゼルの変化は、状態異常では無いと言うことなのか。)
「【支援魔法:全大天使】!」
アザゼルを元に戻せないのであれば、倒すしかない。
マルスは、自分の最大限の力を発揮する為に、全能力を強化する。
アザゼルの槍を、剣で受けたマルス。
(くっ!? 何て力だ! こっちは3倍に強化してるってのに押されてる!)
マルスの剣が、ジリジリとアザゼルへと押し込まれる。
「【転移魔法:瞬間移動】!」
マルスは、アザゼルの背後へと一瞬で移動し、アザゼルの首目掛けて剣を振るう。
「ふっ! 【槍技:三連突き】!」
アザゼルは、マルスの行動を読んでいたかの様に、状態を屈めてマルスの攻撃を回避すると、お返しとばかりに三連突きをマルスへと放つ。
1撃目、2撃目を何とか剣で弾いたマルスだが、3撃目がマルスの腕を貫く。
「くぅ!? 【回復魔法:大回復】。」
マルスは、先程負傷した脇腹と出血の多い腕を一瞬で回復させる。
「いいねぇ。甚振りがいがあるってもんだぜ。」
マルスが怪我を治しても、アザゼルは意に介さず、寧ろもっとマルスを痛めつけることが出来ると歓喜する。
その後も、アザゼルとマルスの戦いは続き、アザゼルは殆どダメージを受けず、一方のマルスも身体に傷は無かった。
だが、マルスの身体に傷が無いのは、回復魔法を使用しているからであり、能力を引き上げているマルスですら、アザゼルに苦戦しているのだ。
そして、遂にマルスのMPが底を着いてしまい、全大天使の魔法が解除されてしまう。
「もうMP切れか? そろそろ飽きて来たし、もう死んでいいぞ。【火魔法:地獄の炎】!」
支援魔法の切れたマルスへと、アザゼルの地獄の炎が迫る。
(くそっ!? ここまでなのか。)
「【氷魔法:吹雪】!」
「【氷魔法:氷柱】!」
「【水魔法:水流】!」
突如、アザゼルの放った地獄の炎へと、氷と水の魔法が衝突する。
「え?」
(一体だれが?)
マルスが、魔法の放たれた方向へ目を向けると、そこにはイリス達の姿があった。
しかし、アザゼルの放った最上級魔法を食い止めることが出来ず、若干威力を弱めながらも、地獄の炎は尚もマルスへと迫り来る。
「【騎士技:守護盾】!」
「【支援魔法:鉄壁の護り】!」
マルスの前にクレイが飛び出して守護盾を発動し、上級白魔道士リンが、クレイの防御力を強化する。
「く、クレイ!?」
マルスは、地獄の炎の前に飛び出した友の名を叫ぶ。
地獄の炎がクレイの盾に到達し、激しい轟音を巻き起こす。
マルスの前には、ボロボロになりながらも、自分を守ってくれたクレイの姿があった。
クレイの身体が横へとふらつき、そのまま倒れてしまう。
「クレイ!?」
マルスは、倒れたクレイへと駆け寄り抱き起す。
「う、っぅ、ま、マルス、無事か?」
「あ、ああ。それよりクレイが! 今、回復魔法を、くそっ! 魔法が使えない!」
先程までの戦闘で、既にMPを消費し切ってしまったマルスは、ボロボロに傷ついているクレイを治すことが出来ない。
「私がやるわ! 【回復魔法:大回復】!」
リンがマルス達に駆け寄り、直ぐ様クレイへと回復魔法を施す。
「ふっ。弱い奴は群れなきゃなぁんも出来やしねぇ。仲良くあの世へ行くんだな。 【火魔法:地獄の炎】!」
アザゼルの黒魔法が、マルス、クレイ、リンへと放たれた。
マルスはMP切れ、クレイは負傷中、リンは魔法を発動中であり、アザゼルの魔法を防ぐ手立ては、残されていなかった。
「【結界魔法:守護神】!」
マルスの耳が、聞き覚えのある声を捉えると、自分達に迫っていた地獄の炎が、神級の結界魔法に衝突して消滅する。
「大丈夫でしたか?」
マルス達へと声を掛けたのは、白の賢者エイル先生だった。
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