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悪魔アザゼル!

謎の液体により、変貌したアザゼル。

アザゼルの暴走を食い止めるために、動き出します。

 悪魔アザゼルが魔法を放ったころ、観客席で見ていた者達は、大きな爆発があったことに気が付く。


 観客席からでは、アザゼル達がいた場所は、木々に囲まれた広場であったことから、その全容を把握することは出来なかったが、あれだけの大爆発では重傷者が出ている可能性が高いと判断し、救護班が現場へ派遣されることになった。


 エイル先生を筆頭とした、上級白魔道士の部隊は直ちに現場へと向かう。


「早く様子を見に行きましょう!」

 エイル先生は、生徒達の無事を願うのだった。


  ▽


「素晴らしい力だ! これが、俺の本当の力か。」

 アザゼルは、元々上級槍術士であり、黒魔法を放つことは出来ない。


 しかし、悪魔化したことにより、黒魔法を扱うことが出来るようになっていた。


「ば、化け物だ!?」

「逃げるぞ!」

「仲間を置いて逃げるのかよ!」

「ここに居たら死ぬぞ!」

 生き残っていた1クラスのメンバーは、いきなり目の前に、強力な黒魔法を放つモンスターが現れたことから、混乱していた。


 数名のクラスメイトがアザゼルから逃亡しようと走り出したのだが。


「逃げるんじゃない。【風魔法:風刃(ウイングカッター)】!」

 いくつもの風の刃が生成され、逃げようとしていた生徒達を次々と切り刻んで行く。


 クラスメイトの腕や足が飛び、動かなくなるその様を見せつけられた者達は、恐怖で足がすくんでしまう。


「い、いやだ。し、死にたくない。」

 殆どの者が、アザゼルの圧倒的な力を前に、戦意を喪失してしまっていた。


 アザゼルは、ニヤリと口元を緩めると、生き残っている者達に向けて掌を向ける。


 アザゼルが黒魔法を唱え、正に掌から魔法が放たれようとした瞬間。


「【剣技:稲妻突き(サンダースラスト)】!」

「【拳技:雷蹴り(サンダーキック)】!」

 アザゼルのパーティー仲間の、上級剣士アルと上級拳法家レンがアザゼルを攻撃し、掌を逸らすことに成功した。


 アザゼルを追いかけていた二人が目にしたのは、山羊の様なモンスターの前に倒れている生徒と屍だった。


 あのままでは、残りの生徒もやられてしまうと瞬時に判断して、モンスターへと攻撃を繰り出したのだった。


「……邪魔をするな。」

 アザゼルは、全くダメージを受けた様子は無く、淡々と、自身に攻撃を繰り出した者を見据える。


「なっ!? あ、アザゼル!?」

「何だよその姿は!?」

 アルとレンの二人は、生徒がモンスターに襲われていると思い、攻撃を繰り出したのだが、そのモンスターの顔がアザゼルにそっくりだった。


 しかし、その顔は人間の様な肌色はしておらず、赤黒い色をしていた。


 二人の登場により、生き残っていた1クラスのメンバーは安堵する。


 自分達よりも実力があるSクラスの者なら、あの化け物を倒してくれると。


 そう思っていたのだ。


 しかし、アザゼルへと攻撃を当てた二人は、実力差を感じていた。


 自分達の技能(スキル)で、全くダメージを負っていないアザゼルは、間違いなく危険な存在だと。


「お前ら、今直ぐ先生達を呼んでくれ!」

「俺達でもコイツは止められそうにない!」

 二人は1クラスの生徒達に叫び、助けを呼ぶ様に伝える。


 その言葉に、1クラスの生徒達は、顔を蒼褪めながらも、いち早くこの場所から逃げ出す為に、足に力を入れて走り出した。


「俺の邪魔をして、タダで済むと思うなよ。」

 アザゼルは、二人に殺気のこもった瞳を向けると、力強く槍を振り回して、二人へと突っ込む。


「くっ!? ぐはっ!」

 アルは、剣を構えてアザゼルの槍を受け止めたのだが、圧倒的な力を前に、一瞬で吹き飛ばされてしまう。


「アル!?」

 レンが、吹き飛ばされたアルへと意識を向ける。


 高位な冒険者や場数を踏んだ者であれば、この様な隙を見せることは無かっただろう。


「がぁっ!?」

 レンの瞳は、自身の腹部を貫く槍を捉えていた。


 槍が引き抜かれると、身体から血を吹き出しながら、レンは地面に倒れ伏す。


 身体を起こしたアルが見たのは、レンがアザゼルに槍で身体を貫かれるところだった。


「レーーン!?」

 アルは、アザゼルへと駆け出す。


 仲間の命を奪った化け物に、一矢報いる為に。


「死ね。 【火魔法:地獄の炎(インフェルノ)】!」

 巨大な炎を発生させたアザゼルは、自分の邪魔をした元パーティー仲間であるアルへと、最上級魔法を放つ。


 上級槍術士だったアザゼルが、魔法を放ったのだ。


「ああぁあああああああぁ!」

 地獄の炎に全身を包まれたアルは、その場で焼け焦げになり、命を失う。


 その様子を、木の陰で見ていた者が居た。


 アザゼルのパーティーメンバーである、上級黒魔道士のギーと上級白魔道士のパティだ。


「ど、どうなってるの!?」

「し、知らないよそんなの!?」

「と、兎に角、早くみんなに知らせないと! マルスの所へ戻りましょう!」

「分かった。俺は先生達を呼んで来る。」

 パティとギーは、事態は急を要すると判断した。


 パティは自身とギーに、速力を強化する高速力(ハイスピード)を掛けて、別々の方向に走り出すのだった。


  ▽


 一方、クレイチームとイリスチームは、それぞれ他のクラスと交戦中だった。


 Sクラスと他のクラスでは、個々の実力では差があるのだが、人数差がある為、クレイチームもイリスチームも少なからず苦戦していた。


「なんか、相手の人数多過ぎない?」

「これは、全部のクラスがSクラスを狙っているみたいです。」

「卑怯だよ。」

 戦闘しながらイリス、フレイヤ、ミネルヴァが、この状況に文句を言う。


 実際、今年の1学年のSクラスは強過ぎる為、他のクラスは共同して、打倒Sクラスを目標に掲げていたのだった。


 そんな時、更に敵の増援が来た事に気が付く。


「また、増えたわね。」

「怪我してませんか?」

「それに、慌ててるみたい。」

 そう、イリス達が増援と思った者達は、アザゼルから命辛々逃げ切った者達だ。


「た、助けてくれぇ!」

「ば、化け物が出たんだ!」

「仲間が何十人も殺された!」

 皆、慌てた様に口早に事情を説明する。


 イリス達は、何やら大事が起きていると察し、戦っていた相手を説得して、その者らから事情を聞き出す事に成功する。


「な、なんでっすて!?」

「アザゼルがモンスターになった?」

「魔法も使っていた?」

 三人は、何が起きたのか聞き出す事に成功したが、その内容は理解し難いものだった。


 ちょうどその頃、クレイの方も同様のことが起こり、事情を把握するのだった。


  ▽


 先生達を呼びに向かっていた上級黒魔道士ギーは、前方から走って来る集団に気が付いた。


「え? ギー君?」

「え、エイル先生! 先生大変なんです!」

 ギーは、自分が目にした状況をエイル先生らに説明する。


「アザゼル君が!? ま、まさか、悪魔化したって言うの?」

 人が突然モンスターの様になることが過去にもあり、そのような状況を、()()()と呼んでおり、市民に広く伝えられてはいないが、国の上層部や学校の先生、軍の上の人間など、限られた者は、悪魔化を知っているのである。


「あ、悪魔化?」

「場所はどこら辺ですか?」

 エイル先生は、ギーから情報を収集すると、直ぐに伝令役を指名して、上の人間に緊急事態宣言を出す様に命じた。


 付き添っていた上級黒魔道士が、空へと魔法を打ち上げる。


 予め決められていた、緊急事態の合図である。


 観客席に居て、緊急事態の合図を目にした先生方や、軍の幹部など、実力のある者達に緊張が走る。


「先程の大きな爆発があってからだな。あそこへ向かうぞ!」

 観客席から、救援部隊が出動を開始したのだった。


  ▽


「あの合図は、確か緊急事態? 一体何が起きてるんだ?」

 未だ他のクラスから襲撃を受けていないマルス達は、上級に打ち上げられた合図を目にしていた。


「はぁはぁはぁはぁ、ま、マルス君!」

 すると、パティが走って戻って来たところだった。


「どうしたのパティ? 他のメンバーは?」

 (パティは、確かアザゼルのメンバーだった筈。 何かあったのだろうか?)


「あ、アザゼル君が、モンスターに、なっちゃって、そ、それで、アルもレンも殺されて、私も何が何だか。兎に角、みんなに知らせようと思って。」


 (アザゼルがモンスターに? 然も、クラスメイトを殺したって!? )


「見つけたぜ。」

 低く、殺気の乗った声が響き渡る。


 そこに立っていたのは、アザゼルにそっくりな顔をしたモンスターだった。


 (あれは、山羊の角と下半身? それに何だあの翼は?)


「死ね! 【火魔法:地獄の炎(インフェルノ)】!」

 アザゼルの口が、裂けんばかりに弧を描き、マルスへと地獄の炎を放つのだった。

本作品への【支援魔法:ポイント付与】お待ちしてます!

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