クラス代表パーティー戦〜1学年対2学年〜
代表戦優勝を果たしたマルス。
パーティー戦も優勝することが出来るのだろうか?
クラス代表による個人戦がマルスの優勝に終わり、続いて、パーティー戦へと進行した。
マルス含むSクラスの力は圧倒的で、同学年のパーティーに苦戦することなく勝利した。
2学年と3学年も同様にSクラスが順当に勝利を抑え、いよいよ1学年と2学年によるパーティー戦が行われる。
2学年のパーティーは、槍聖士ヴァーリ、上級剣士エリウ、上級黒魔道士タラニスとエギル、上級白魔道士ベレヌスだ。
上級剣士エリウは、長身細身の男性で細剣を扱う。
上級黒魔道士タラニスは、幼い見た目の金髪ツインテールの少……いや、女性だ。
上級黒魔道士エギルは、坊主頭の大男。
本当に魔導師なのか怪しい見た目だ。
最後に、上級白魔道士ベレヌスは、灰色の長髪をした露出の高い服を着たお姉さんだ。
「へぇーー、マルスってああいうのが好みなのね。」
マルスが対戦相手のベレヌスさんを見ていると、イリスにジト目で見られた。
「へ?」
(なに? 対戦相手を見ていただけなのに。)
マルスだけでなく、観客席にいる男性たちの目は、ベレヌスが露出の多い服を着ている為、どうしても目が行ってしまう。
「ふーーん。」
「おい、マルス。」
「どうしたクレイ?」
「ちゃんと集中しろよ。あの服で俺らの注意力を削ぐ作戦なんだ。」
「な、成る程。」
(それが狙いだったとは、何て卑怯な作戦なんだ。)
「「「男って単純。」」」
マルスとクレイの会話を聞いていた三人は、単純な思考を持つ二人に呆れていた。
「でも、それならイリス達だって、相手の注意力を削いでるでしょ? みんな綺麗なんだから。」
「「「!?」」」
マルスの突然の発言に、三人の頬が紅潮する。
イリスは王女であり、フレイヤは貴族の出な為、こう言った言葉は何度も言われたことがあるが、マルスが言うと素直に嬉しいと感じられた。
素手で戦うミネルヴァは、カッコイイなどと女性としては微妙な言葉を受け取ることは多くあるが、綺麗と言われたのは初めてだった。
「それもそうだな。」
クレイもマルスの意見に同意する。
(もし、イリス達があんな露出の高い服を着ていたら、絶対戦いに集中出来ないな。)
これから、上級生との戦闘だと言うのに、マルス達に緊張した様子は無く、和気藹々としていた。
間も無く試合開始となる為、お互い中央へ近付く。
「今度は負けないぞ!」
「俺たちだって負けませんよ。」
ヴァーリとマルスはお互いに握手を交わし、配置に着いて、審判の合図を待つ。
「1学年代表対2学年代表の試合を始めます。試合、開始!」
合図と共に、上級黒魔道士エギルが水魔法水流を放ち、更に上級黒魔道士タラニスが雷魔法雷を放つ。
雷を帯びた水流がマルス達へと襲い掛かる。
「私がやるわ! 【火魔法:大爆発】!」
イリスの火魔法により、マルス達へ迫っていた水流を相殺する。
フレイヤは、相手の上級剣士であるエリウと剣で斬り結び、ミネルヴァはエギルの黒魔法を避けつつ接近を試みる。
イリスとタラニスは、お互いに接近せずに黒魔法を互いに撃ち合い、クレイはヴァーリと対峙していた。
マルスは、それぞれの戦闘に意識を集中し、サポートする機会を窺う。
1学年の試合では、マルスの支援魔法は全く必要無かった。
最上級職業が四人もいるのだ。
レベル差がかなり無い限り、負ける要素は無い。
2学年の試合が始まる前に、クレイ達から言われたことがある。
マルスの支援魔法は、必要になる時まで使用しないで欲しいと言ったのだ。
皆、自分の力で上級生と戦いたいのだ。
ただ、クラスや学年の代表として戦うのだから、負ける訳にはいかない為、マルスが支援魔法を必要と判断したら使うことで了承した。
「今のところは必要なさそうだけど、相手にも白魔法を使える人がいるんじゃ、こっちも使おうかな。」
マルスは、傷付いた仲間を回復している上級白魔道士のベレヌスを見据えたのだった。
エリウとフレイヤの戦いは、早々に決着がついた。
「【剣技:連続突き】!」
軽くて素早い攻撃が売りの細剣を使って、連続突きをエリウは繰り出す。
「【剣技:火炎突き】!」
フレイヤは、最低限の回避で細剣の突きを回避し、お返しとばかりに、火炎突きでエリウを戦闘不能にする。
二人のレベルは同じだったが、剣聖と上級剣士という職業による差は大きく、フレイヤはエリウの攻撃を回避して、剣技一発で相手を沈めたのだ。
更に、イリスとタラニスの試合も、タラニスが得意とする雷魔法を何度も撃ち続けるが、イリスはその悉くを相殺してしまう。
「しつこいのよ! 【雷魔法:雷蛇】!」
残りMPが少なくなったタラニスは、全てを使いきり、中級魔法を放つ。
タラニスが放った雷は、一直線では無く、蛇の様にクネクネと進路を変えながらイリスへと迫る。
「そんな蛇じゃ私には届かないわ。 【雷魔法:雷鳥】!」
イリスが放ったのは、上級魔法であり、雷は大きな鳥の形を成して、相手の魔法を呑み込み、そのままタラニスへと直撃し、イリスはタラニスに勝利を収めた。
ミネルヴァとエギルの戦いは、エギルが水魔法を連発するも、ミネルヴァは素早い身のこなしで回避し続けていた。
「避けてばっかじゃ勝てねぇぞ! 【水魔法:水流弾】!」
エギルは、ミネルヴァ目掛けて水の弾丸を撃ち続ける。
しかし、ミネルヴァに命中することはなく、ミネルヴァの周りを水浸しにするだけに終わる。
「今度はこっちの番よ!」
ミネルヴァが、エギルへと接近を試みようと動き出す。
「まだ俺のターンだ! 【氷魔法:氷結】!」
地面に手をついたエギルが魔法を発動すると、ミネルヴァの周りの水が全て凍りつき、ミネルヴァも足下をも凍らせてしまう。
「嘘っ!?」
「これで終わりだ! 【氷魔法:氷柱】!」
身動きの取れないミネルヴァに対し、追撃の魔法を放つエギル。
いくつもの氷柱がミネルヴァが居た場所を襲う。
「やったぜ!」
エギルは、最上級職業であるミネルヴァを倒したと歓喜する。
「【足技:真空蹴り】!」
ミネルヴァを倒したと喜んでいたエギルに対し、ミネルヴァが上空から飛び蹴りを放ち、エギルの意識を刈り取る。
「助かった。」
「おう。」
ミネルヴァが、自分をサポートしてくれたマルスへと礼を言う。
ミネルヴァが氷柱に襲われる前に、マルスが転移魔法をミネルヴァに掛け、攻撃を回避させたのだ。
ミネルヴァが超接近戦なのに対し、エギルは遠距離型だった為、ミネルヴァにとっては苦手な相手だった。
マルスのサポートは、仕方の無いことだろう。
苦戦していたのは、クレイだ。
クレイは剣と盾を装備しており、攻撃力と防御力に優れているが、速力はあまり高くない。
一方、ヴァーリは攻撃力と速力が高く、素早い動きでクレイを翻弄していた。
「今回は、俺達が勝つんだ! ベレヌス!」
ヴァーリの呼び掛けに応じて、ベレヌスが支援魔法身体強化をヴァーリへと施し、ヴァーリの全能力を引き上げる。
「脇役は引っ込んでろよ! 【槍技:槍雷】!」
マルスとの試合で使用した技よりも、強力な一撃がクレイへと迫る。
「【支援魔法:超越した身体】!」
流石に、通常の状態でも苦戦しているクレイには荷が重いと判断し、支援魔法をクレイに施す。
「サンキュー、マルス! 【騎士技:攻防一体】!」
クレイは、ヴァーリの槍雷を盾を巧みに操って威力を軽減させ、バランスの崩れたヴァーリに一撃をお見舞いした。
「がはっ!?」
「ヴァーリ!? 【回復魔法「遅いよ。」うっ!?」
ダメージを負ったヴァーリに、空かさず回復魔法を施そうとしたベレヌスの意識を、マルスが刈り取る。
戦闘が得意では無いベレヌスは、マルスの軽くはなった一撃で意識を失ってしまう。
「お、俺がこんな脇役にやられる訳にはいかん!」
「脇役言うな。俺が脇役なら、あんたは何なんだよ? 【騎士技:二段攻撃】!」
クレイは、盾を構えたままヴァーリへと突撃し、ヴァーリが反撃するも、盾でそれを防ぎ、そのまま盾で体当たりをお見舞いすると共に、怯んだヴァーリに斬撃を放った。
白目を剥いて倒れるヴァーリを審判が確認し、勝利パーティーを宣言した。
観客達も、最上級職業に恥じない戦いを見せられて興奮し、観客席は熱狂に包まれていた。
▽
「お疲れ様。残すは3学年だけだな。」
「ヴァーリさんと戦って、自分がまだ未熟だと思い知らされたよ。」
「相性の問題もあると思うけどな。」
クレイとヴァーリでは、戦闘スタイルが違いすぎる。
「戦場で相手は選べないだろ?」
「違いない。……3学年は、2学年とは比べ物にならないくらい強いね。」
3学年の試合を観戦してのマルスの感想だ。
2学年とは、動きが違う。
「……そうだな。」
「3学年相手は、支援魔法を掛けないと厳しいだろうね。。」
マルスの意見に、誰も反対することは無かった。
「3学年に勝って、優勝するぞーー!」
「「「「おおーー!」」」」
マルス達は、気合い十分に試合へと赴くのだった。
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