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フレイヤの失言

遅くなりました(^◇^;)

週末は子供の運動会があるので、もしかしたらお休みをいただくかも知れませんm(_ _)m

 フレイヤの兄フレイに勝利したクレイ。



 フレイは、自分を打ち負かしたクレイならば大事な妹のフレイヤを任せられると思っていた。



「それで、フレイヤとはいつ結婚するんだ?」



「え?」

 突然のフレイの言葉に、クレイは戸惑ってしまう。



 フレイが試合を吹っかけたとは言え、それに勝利したクレイ。



 クレイは、フレイヤのことは勿論好きなのだが、本人に気持ちを伝えたことは無い。



 その為、いきなり結婚と言われても戸惑ってしまうのは仕方のないことだろう。



「なんだ? うちのフレイヤに不満でもあるのか?」

 クレイが即答しなかったことに、フレイは睨みを効かせる。



「い、いえ。不満なんてありません!」



「なら、さっさと結婚すればいいだろう!」



「そ、その俺達()()付き合っていませんので。」



「なんだと!? なんで最初にそう言わないんだ!」

 クレイの言葉に、フレイは驚きを露わにする。



「フレイ様が話を聞いてくれなかったんですよね?」



「なんだい? 僕が悪いのかい?」



「い、いえ。そんなことはありません!」



「ふむ。君の実力は確かだと分かったから、フレイヤとの結婚は認めても良いのだが、まだ交際すらしていないのであれば、仕方がないな。」



「そ、そんな!?」



「告白すらしていないと言うことは、君のフレイヤに対する気持ちはその程度だと言うことなんだろ?」



「そんなことありません! 俺は、フレイヤのことが好きです!」

 クレイは、フレイの言葉を受けて、本心を口にする。



「え?」

 クレイの側から女性の驚きの声が上がる。



「え?」

 クレイは側から聞こえた声に、驚く。



 フレイとクレイが試合を終えても戻って来ないことから、フレイヤが呼びに来ていたのである。



 そして、クレイ達に声を掛けようとしたところ、突然のクレイの告白を聞いてしまったのだ。



 勿論、フレイは背後から自分達に近付いて来るフレイヤに気が付いていた為、クレイを焚き付けたのである。



 クレイとフレイヤの慌てた様子を見て、フレイは作戦が成功したと笑みをこぼす。



「く、クレイ? 今のって。」



「ぐっ!? 今のが俺の本心だ。俺はフレイヤのことが好きだ。俺の付き合ってくれ!」

 クレイは、覚悟を決めてフレイヤへと向かい合い、自分の気持ちを伝える。



 いつものふざけたクレイではなく、真剣な表情で話すクレイに、フレイヤは頬を赤く染めていた。



「えっと!? その。」

 フレイヤは、幼少期より剣の修行に打ち込んでいた為、恋愛経験が全くない為、どう答えて良いのか判断出来ず、あたふたしてしまう。



(だ、ダメだったか?)

 フレイヤが中々答えてくれず、クレイは内心で振れてしまうのではと思ってしまう。



「落ち着きたまえフレイヤ。」



「は、はい。フレイ兄様。ふーー。」

 フレイの言葉を受けて、フレイヤは息を大きく吐き出す。




「ふーーーーーーーーーー。」




「……フレイヤ、息を吐き過ぎじゃないか?」

 クレイは、ずっと息を吐き出しているフレイヤを心配する。




「ふーーーーーーーーーー。」




「おい!?」



「ケホッケホッケホッ!?」

 息を吐き出し続けたフレイヤはむせ返る。



「だ、大丈夫か?」



「し、失礼しました。」

 フレイヤは、しばらくして落ち着きを取り戻す。



「あ、ああ。」



「何の話でしたっけ?」

 フレイヤは、未だに冷静になれていなかったようだ。



「いや、俺がフレイヤを好きだって話をしたんだけど。」

 そんなフレイヤに、クレイが再び好きだと伝える。



「そ、そうでしたね!?」

 クレイの好きと言う言葉に、フレイヤは再び顔を赤く染める。



「答えを聞かせてくれないか?」



「わ、分かりました! わ、私に勝てたらいいですよ!」

 フレイヤは混乱していたのか、そう口走っていた。



「……え? 試合をするってことか?」

 フレイヤの言葉を、クレイは確認する。



「え? えっと、はい。」



「分かった。絶対に勝つ!」

 クレイは、試合に勝てばフレイヤと交際出来ると知り、テンションが上がっていた。



(な、なんで私、勝てたらなんて言っちゃったんだろう!?)

 フレイヤは、自分が試合をするなんて口にしたことを後悔していた。



「流石、私の娘ね。自分よりも強い者を好むと言うことね。」

 ネルトスが嬉しそうに、そう口にする。



 いつのまにか、フレイヤの周りに全員が集まっていた。



「クレイ頑張れよ!」

 マルスは、クレイがフレイヤと交際出来るようにと、クレイを応援する。



「フレイヤ、あなた何やってるのよ。」

 イリスは、フレイヤを憐れんだ目で見つめる。



「フレイヤ頑張ってね。(二人には付き合って欲しいけど、私だけボッチになっちゃうんだけどね。)」

 ミネルヴァは、複雑な心境でありながら、フレイヤを応援する。



 ミネルヴァの応援は、フレイヤに勝って欲しいのか、負けて欲しいのかは、本人も謎である。



「審判は、私がしましょう。」

 ネルトスは、ゲイドに代わって審判の立ち位置に立つ。



「それでは、クレイ対フレイヤの試合を始めます。」



「絶対勝ーーつ!」

 クレイの雄叫びと共に、交際を賭けた試合が始まったのだった。

お陰様で、本作700,000PVを突破しました!

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