86.第2回イベントの情報
迷宮ダンジョンの中ボス戦も終わり、引き続きグリモのレベル上げをメインにダンジョン攻略を進めつつ、王都図書館の読書を進めていく。
グリモ以外のメンバーはレベルが30に近づいてきているからか、レベルがなかなか上がらない。
やはり、その辺りからCランクダンジョンに挑戦していかないとレベル上げが難しくなっているようだ。
パーティーメンバーが2人欠けているのは相当大きいらしい。
早めに新メンバーを探していかないといけない。
そんなある日、学校から帰って春花と一緒に夕食を食べていた時の事。
春花が唐突に話を振ってきた。
「お兄ちゃんはどこかのクランに所属したりしてるの?」
「どうしたんだ、急に?俺は基本的に読書しかしないから、どこかのクランに所属するつもりはないぞ」
「お兄ちゃん……。ゲームのホームページ確認していないんだね」
春花は仕方ないなーという顔になり。
「ん?何か情報が更新されていたのか?」
「うん。そろそろ第2陣が来るじゃない?それに合わせて第2回目のイベントが告知されたんだよ」
どうやら新たなイベントが告知されたらしい。それとクランに入っているかどうかが関係しているという事か。
「つまり、次のイベントはクランに絡んでくるという事か?」
「そう! 次のイベントはクラン対抗戦だよ!」
夕食後、部屋に戻った俺はabundant feasibility onlineのホームページを開く。
確かにイベント情報などが更新されているので確認してみる。
まだ細かい事は説明されていなかったが、クラン同士の対抗戦のようだ。
イベントは第2陣が来てから現実時間で1か月後らしい。
それと、新規参入プレイヤーはこのイベントに参加すると恩恵が大きいと書いてあった。
今のところイベントに関する情報はこの程度だ。
それ以外にアップデート情報としてPVPが実装されるらしい。
本来は、イベント終了後に実装する予定だったがようだが、ゲーム内のトラブルが激化してプレイヤーのアカウント凍結騒ぎになることが時々あったようで、早めの実装になったようだ。
この実装は第2陣が来る直前のアップデートでやるらしい。
ホームページから得られる情報はこれくらいだろう。
春花がこの話をしてくるという事は俺を誘いたいということか。
クランについてよく知らないので少し調べてみよう。
ひとまず今回はお試しという事なら了承できるが、クランとしての行動が必要になってくるなら難しい。
調べてみた結果、クランメンバーの紹介がありクランのマスターもしくは副マスターの許可があればクランに入ることができる様だ。
そして、抜けるときは自分から脱退申請をするか、クランマスターか副マスターの権限で追放するらしい。
他にもクラン規模で受けるクエストや、クラン貢献度などのシステムがあったが、今回は置いておく。
どうやら、クランへ入ること自体は難しくないようだがその後にどうするかが問題だ。
春花がそのままクランにいてほしいのだとしても、俺はそこまで団体行動をとるつもりが無い。
そもそもゲームの動機が普通のプレイヤーたちと行動原則が違う。
あまり、団体行動を強制されたくはないし、断ったことでクランの雰囲気が悪くなるのも避けたい。
おそらく春花は現在ゲーム中だろうから、どうしたいか聞くのは明日になりそうだ。
調べ終わった俺はゲームにログインすることにした。
ログインした俺は王都図書館で読書をしている。
今週は読書週間だ。そろそろ、小説エリアの本が読み終わる。
何冊か読み終わったときにアナウンスが聞こえてきた。
≪司書の目録(中)の記録が一定まで達しました。司書ギルドに提出してください。≫
ギルドカード
司書ギルド B
≪司書の目録(中)が司書の目録(上)に更新されました。≫
そろそろだと思っていたが、これで司書ギルドのランクもBランクか。
他の人がどの程度のランクか詳しくは知らないが、前回のイベントの時にトッププレイヤーでもCランクが出てきたばかりと言っていた。
なので、俺の司書ギルドランクの上昇ペースはなかなか早いと思う。
しかし、問題はここからだ。
まず、司書の目録が更新されたことで、目録が見た目でもわかるくらいにページが大きく増えている。これを埋めきるのはかなり先になりそうだ。
そのうえ、Aランクに上がるためには知識の国にあるという司書ギルドの本部へ行かなければならない。
いまだダンジョンランクがEランクなのでこちらもとても長い道のりだ。
司書ギルドのランクアップを終えた俺は、ギルドの職員にクエストの一覧をもらう。
理由はBランクに上昇したことで受注できるクエストの種類が増えたのだ。
もしかしたら、新しい本の情報に関わるクエストもあるかもしれないので、一応調べておくことにしたのだ。
一覧を眺めていると、王都にある王城の蔵書整理など、気になるクエストがあった。
しかし、このクエストを受けるためには、王都の司書ギルドで30以上のクエストをクリアしていることと書いてあった。
現在、俺がクリアしているクエストは20くらいだ。
もう少し頑張れば受けることができるだろう。
王城に収められている本も気になるので、いつか受けたいと思う。
そうして、いくつかのクエストを確認しているともう一つ面白いクエストを見つけた。
考古学者の手伝い 依頼者 司書ギルド
気難しい考古学者の手伝いをしてほしい。
報酬 要相談




