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読書好きが始めるVRMMO(仮)  作者: 天 トオル
1.彼がゲームをする動機
9/265

8.スキル初習得とログアウト

旧15.16.です

 白衣の男ギトスは最初の印象とは裏腹にとても親切だった。いかにも研究職という感じだったのでもっとそっけない感じを想像していた。

 もしかしたら「ナビさんのお気に入り」の効果もあったかもしれない。

 ナビさんには感謝しないとな。

 そう思いながら資料室の前まで来た。

 すると、急にウインドウが開く。 


≪資料室を利用しますか?YES/NO≫

 ここでウインドウの確認が入るのか。基準がよくわからないな。もちろんYESだ。

≪一度もクエストを受注せずに総合ギルドの資料室を利用しました。称号「用意周到」を取得しました≫

 こんな簡単に称号とは獲得できるものなのだろうか?

 

 俺は疑問に思いながらも資料室に入る。

 目に飛び込んできた光景に開いた口がふさがらなかった。

 そんなに大きな部屋ではない。中央にテーブルがあり周りを本棚で囲っている感じだ。

 それはいいのだがテーブルの上にそびえる本の山は何だ。

 いくら利用が無料だといってもこんなに本を乱雑に放置できるものなのか?

 せっかく本棚に種別ごとの名前が明記してあるのに沢山の本が机に放置されていた。

 読書好きとしてこんな状態は看過できない。

 俺以外に利用者もいないみたいだ。

 なら俺のやることは1つだ。

「ふう」

 どれくらい時間がたっただろう、俺は最後の一冊を本棚に入れ思わず息が漏れた。

 俺は本の整理を始めた。表紙にタイトルのあるものはいいが、ないものもある。どうやら、個人のメモのようなものをまとめただけの資料もあったようだ。

-

 そのため内容を確認しながらの作業もあったので予想以上に時間がかかった。

 しかし、内容はとても有意義なものだった。やはり実際に体験した人の手記は資料にまとめたものにはない情報もたくさんあった。それだけでも整理した意味はあったと思う。

 実は内容を確認している時にあるアナウンスがあった。


≪習得度が一定に達したため、スキル「魔物知識」を習得しました≫

≪職業テイマー・司書にそれぞれ経験値がはいります≫

≪司書のレベルが上がりました≫

 そうまだ全然読んでいないのにスキルの習得と司書のレベルアップがあったのである。


NAME「ウイング」 

種族「人族」 種族特性「器用貧乏」

HP 100

MP 100

筋力 10

耐久力 10(+7)

俊敏力 10(+2)

知力 15 5UP

魔法力 10

 

SP  5P


戦闘職「テイマー」LV1

生産職・特殊職「司書」LV2  1UP

 スキル

「調教術LV1」「隠密LV1」「闇魔法LV1」「言語LV1」「読書LV1」 NEW「魔物知識LV1」


装備品

初心者テイマーの鞭

初心者司書のコート

初心者の靴

司書の目録(初)


総重量 4


称号

「才能を示す者」「ナビさんのお気に入り」 NEW「用意周到」


 新たにSPの表示が現れた。おそらく自分でいじれるステータスポイントなのだろう。

どうやら職業レベルがあがると、10SPのうち半分を対応したステータスに割り振られるようである。

 他の職業は知らないが。

 それから司書のレベルが上がっているのに「読書」スキルのレベルは上がらなかった。

 どうやら本の整理は司書らしい行為に当たるが読書とは関係ないと判断されたようだ。

 さて増えたスキルや称号を確認するとしよう。

 まずは称号から


「用意周到」   事前の準備こそ大事であるとわかっている者に与えられる称号。

効果 ・・・未習得の知識スキルに対する熟練度上昇に補正(小)


俺にとってはとてつもなくありがたい称号だ。

この称号を確認している最中に表記が変わっている称号を見つけた。



「才能を示す者」   チュートリアル中にスキル及びアーツを取得できた者に贈られる称号。

効果 ・・・未習得のスキルでもっとも習得が近いスキルがわかる。現在最も習得に近いスキルは「情報」


 なにやらあいまいだが、確かに魔物関係の本を読む以外は資料室の整理くらいしかやっていないのでそれが情報を整理したと判断されたんだろうか?

 次にスキル


「魔物知識」LV1  パッシブスキル   

・スキルのレベルに応じて魔物に対する行動に補正


 一発で狙い通りのスキルを習得できた。

 魔物に対する行動に補正とあるので当然テイムにも補正が入るだろう。

 様々な補正があっただろうが予想より早く習得することができた。

 おそらく新称号「用意周到」のおかげだろう、いい仕事をしてくれる。

 ただ、これだけ本に関わっているのに「読書」スキルがレベルアップしないところを見ると

スキルのレベルアップには相当な熟練度が必要なようだ。

 覚えるのは簡単で育てるのは難しいのだろうか?

 

 そんなことを考えている時、突然ピ・ピ・ピとアラーム音が聞こえてきた。

 現実世界でもうすぐ3時間経過することを伝えるアラームだ。

 このゲームは現実世界の3分の1で進むが健康上の問題で現実世界で3時間経過すると強制的にログアウトさせられる。そのため、30分くらい前にアラームによる警告がなされるのだ。

 そしてログアウト後1時間は再ログインできない。


 ・・・・・・俺は5時間以上資料室にいたらしい。さすがに初日をNPCの愚痴を聞くのと資料室の整理だけで終えることになるとは思わなかった。まぁ、多少本を読めたし目的には近づけている実感があるので個人的には大変有意義だった。

 

 俺はメニュー画面を開きログアウトを選択した。

≪ログアウトしますか?YES/NO≫

 俺はYESを押した。


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― 新着の感想 ―
[一言] ( ̄□ ̄;)!!資料室でログアウトした まさか、住むつもり?ww
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