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読書好きが始めるVRMMO(仮)  作者: 天 トオル
1.彼がゲームをする動機
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16.久しぶりのログインとアップデートの影響

「それではテスト用紙を回収してください」


 今、俺は最後のテストを前の席のやつに渡した。これで今回のテスト日程はすべて終了した。

 周りから喝さいが上がる。それぞれのグループに分かれて連休中の予定を相談しているようだ。


「今回はどうだったの? ゲームとかしていたみたいだしやばいんじゃない?」


 冨士崎がそんなことを言いながら近づいてくる。


「いや、別に今までと特に変わったことはないぞ」

「うらやましいわ。こちらは必死に勉強しているっていうのに」


 最近のテストは授業でやりきれなかった範囲を宿題などで補完することが禁止されているのでだいぶ授業の内容が濃いが、その分しっかり聞いていれば満点も夢ではないのだ。


「俺にはその感覚がわからないからなんといっていいかわからないな」


 俺がそういうと冨士崎は処置無しといった態度で


「まったく、必死に勉強してる人たちに聞かれるんじゃないわよ」


 そんなことを告げて去っていった。

 ……お前もその一人なのでは?

 癇に障ったか?


 ホームルームも終わり自宅に帰る。今日は春花が友達の家に遊びに行っているので家には誰もいない。なぜあんなにゲームをやりたがっていた春花が遊びに行っているかというと、俺たちのテスト期間中にabundant feasibility onlineで大型アップデートの実施と第1回イベントが1か月後に開催すると告知されたのだ。そのアップデートが明日の昼までだったので妹は遊びに行けたというわけだ。

 俺が直帰した理由はため込んでいた現実にある本の読破とアップデートとイベント情報の確認の為である。


 ……………………


 3冊目を読破したところでようやくネットでabundant feasibility onlineのホームページを開く。上がっていた情報は以下の通り。


 アップデート情報

1.満腹度の実装

2.昼夜の実装とそれに伴う一部クエストの変更

3.クランの実装・クラン発足クエストの発行

4.ダンジョンの仕様を一部変更

5.一部スキルの習得・レベルアップに必要な習得度・熟練度変更それに伴う補償


 イベント情報

1.制限有のサバイバルイベント

2.パーティー単位の参加

3.パーティーの組み方に制限有。

4.以降随時情報を更新する。


 こんな感じ、アップデート情報についてはようやくといったところか。

 満腹度については適度に食べ物アイテムを摂取しないと「飢餓」状態となり、行動阻害を受け最終的にHPが減少し死亡してしまう。

もともといつログインしても昼間の状態だったから違和感が凄かった。

 NPCはもともと昼夜があったものとして接してほしいと注意書きがあった。

 ……NPCには変化がなかったものとして行動するんだな。


 アップデート情報の3と4は俺に関係なさそうだな、5は実際にログインしてみないとわからないな。

 イベントについては制限があると言っている項目が2つもあるのが気になる。

 まあまだまだ先のことだからもう少し情報が出てからだな。

 制限については言及してないしまだまだ告知だけか。

 

 明日はテストの返却だけなので、午前中で授業自体は終わる。

 そのまま帰れればアップデートの終了とともにログインできるはずだ。


 ……………………


 フラグっぽいことを言ったがそのフラグを回収することなく無事に帰宅することができた。

 ちなみにテスト結果は何も問題はない。いつも通りだ。

 玄関に妹の靴があったのですでにログインできているなと思う。

 赤点があると放課後に話があるはずだから、今日の分については問題なかったのだろう。

 俺もさっそくログインするとしよう。


 ログインするといつもの資料室が視界に入る。


「チュウーー」


 ハーメルが挨拶してくれる。


 ≪運営からメールが届いています。ご確認ください。≫


 何やら運営から連絡があるようだ。

 内容を確認すると、どうやら俺が選択していたスキルや職業について変更があったらしいのでその補償についての内容だった。

 俺は慌ててステータスをチェックする。



NAME「ウイング」

種族「人族」 種族特性「器用貧乏」

 HP 100/100

 MP 200/200  

筋力 10

耐久力 10(+7)

俊敏力 15(+2)  

知力 30  5UP 

魔法力 10

戦闘職「テイマー」LV2  

生産職・特殊職「司書」LV4  1UP


SP  5


 スキル

「調教術LV1」「隠密LV1」「闇魔法LV1」「言語LV1」 「読書LV2」1UP 「魔物知識LV1」 NEW「種族知識LV1」 NEW「掃除LV1」 NEW「医療知識LV1」

装備品

初心者テイマーの鞭

初心者司書のコート

初心者の靴

司書の目録(初)


総重量 4


称号

 「才能を示す者」「ナビさんのお気に入り」「用意周到」


従魔  「ハーメル」


NAME「ハーメル」   ウイングの従魔

種族「マッドラット ♂」LV2 種族特性「泥」

 HP 30

 MP 10

筋力 3

耐久力 3

俊敏力 3

知力 6

魔法力 2

 スキル

「危険察知LV1」 「泥術LV2」1UP 「隠者LV1」「睡眠LV1」


 何にもしてないのにずいぶん強くなった気がする。

 メールに詳細があり、本来振り分けられる習得度や熟練度の配分や合計値に問題があったようだ。

 例えば最初のログインでやった資料室の清掃では本の整理ということで司書にポイントが入ったのは問題ないが、習得度の上昇で一番上がってしまったのが「情報」スキルだった。

 だが、俺がとっていた行動自体は明らかに「掃除」スキルの範囲だろう。

 しかし司書スキルの効果に引っ張られて無理やり「情報」スキルに割り振られていたらしい。

 他にもそういうことが細かくあり今のステータスとして反映されることとなったようだ。

 俺は新しく増えたスキル・アーツを確認することにした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今のところ世界観がほのぼのとしていて、 その背景としてゲーム内のPK対策や、 法律で迷惑行為を規制するなど しっかりしているのが良いと思った。 [気になる点] 読書好きのタイトルに惹かれて…
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