表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
読書好きが始めるVRMMO(仮)  作者: 天 トオル
6.魔物使いの国
145/267

135.最初の講義

2021.7.25

 上位職の再転職の説明を修正しました。

「……まず、テイマーとは何かから説明したいと思います」


 現在、俺はシャーロットさんの家でテイマーの基礎から教わっている。

 最初に会った時に俺の行動を聞いてきたのはどこから教えればいいか探っていたらしい。

 その結果、初心者も初心者という結論に至ったようで基礎の基礎からの説明になった。


 シャーロットさんの話はテイマーとはモンスターを使役することをメインとした戦闘職で……という根本的なところから始まり、テイマーギルドやクエスト等での注意点を説明していく。

 ちなみに従魔達はマイエリアで待機してもらっている。

 今日は初めから座学である事を教えてもらっていたためだ。


 その中で、今回俺が失敗したこととして情報収集のやり方を挙げられてしまった。

 今回俺が仕入れた情報はそのほとんどが本から得た知識によるものが多い。

 本による調査は正確な反面、今回のようなイレギュラーなモンスターについては載っていないことが多い。


 常にその地域に根ざしている住人や先輩から話を聞く癖をつけた方がいいと言われた。

 パラティに来て最初に着いた街で聞くのを後回しにしたのがあだになってしまったようだ。

 その後もウィンターイベントの影響で出現モンスターが通常時と変わってしまったから必要性を感じなかった。

 そういった積み重ねが、結果としてあの悲劇を招いたという事だろう。


 これは完全に俺の落ち度だな。

 順調に来ていたことで慢心があったようだ。

 1人で反省している俺をよそに講義は次の話へと移る。


「……上級職はかなりの種類があるけど、注意点は沢山あるの」


 シャーロットさんはどこから持ってきたかわからない黒板に上位職の注意点を列挙していく。


1.上位職は様々なものがあり、それぞれに職業専用スキルが存在する。

2.上位職の中に特別強いと言えるものは無く、それぞれに一長一短がある。

3.上位職に転職するには主に3つの方法がある。

・テイマーギルドのランクが高いものに転職の試験を受ける権利が与えられる。

・自分の職業の上位に位置する職業の人に弟子入りする。

・困難を乗り越え、自力で目覚める。

4.転職先によっては使えなくなるスキルや行動に制限が付くものもある。

5.上位職に転職すると、ボーナスとしてSP 25Pが転職先に合ったステータスに振り分けられる。

6.一度上位職になってから元の職業ないし他の上位職への転職は可能。ただし、元の職業に戻ると職業スキルは失われてボーナスとして手に入れたSP 25Pも失われる。他の上位職になった場合は再分配が行われる。


 上位職の説明についてはこのような感じである。

 特にテイマーの上位職はデリケートであり、転職した直後に従魔の契約が切れてしまう恐れもあるらしい。


 テイマーが上位職になるためにパラティにやって来て、転職と同時にそれまでの従魔を切り捨てる事は時々あるらしい。

 その為パラティの領土内では時々生態系に属さないモンスターがおり、討伐ないし保護のために上位職のテイマーが定期的に巡回しているらしい。


 俺が出会った三つ首のモンスター……ケルベロスもそういった従魔だった可能性が高いとの事。

 従魔を先に狙ったのは、テイマーに自分が優秀であることを誇示するためと従魔達への嫉妬ではないかといわれた。

 

 巡回は馬車の運行に合わせて行われるので、徒歩で来た俺はその巡回の時間とはズレた時間にやって来てしまったらしい。

 テイマーギルドでしっかり注意点を聞いていれば、そんなことにはならなかったとダメ出しされてしまった。


「……それじゃ、今日はこれまでにしようか?」


 テイマーとしての基礎と上位職についての説明を終えたところで、今日の講義は終了という事になった。

 俺はシャーロットさんにお礼を言って家を出る。

 今日は黒猫がおらず、シャーロットさんに聞いてみたらお散歩中との事だった。

 俺を助けてくれた時も外を散歩している最中だったらしい。

 あのケルベロスを瞬殺できるほど強ければ、どこへ行こうと問題は無いだろう。

 

 ちなみに、クエストを受けたことで手に入れた称号はこんな感じだ。


「シャーロットの弟子」   上位職テイマー シャーロットに弟子入りしたことで取得した称号。

効果 ・・・この称号を持っている時、他の上位職へ転職するクエストを受けることができない。クエスト 先輩テイマーに弟子入り を失敗するとこの称号は消える。


 要するに、シャーロットさんの弟子なのだから他の弟子にはなるなという事だろう。

 そして、転職に失敗したら弟子ではなくなるらしい。

 どんな修行になるかわからないが、気を引き締めて挑むとしよう。


 シャーロットさんの家を後にした俺はメニューを開き、この後の予定を考える。

 スクラムからは入ってくれただけで感謝しているから、問題ないと返信があった。

 ログイン時間はあと半分くらい残されているので、ウィンターイベントと並行して受けられるクエストでもこなしていこうと思う。


 なんだか急にやることが増えてしまった。

 これではしばらく読書がお預けになってしまうかもしれない。

 ……先行投資だと思って諦めよう。ここで頑張っておけば、今度の旅も楽になるかもしれない。


 テイマーギルドに着いた俺は先ほどシャーロットさんの講義であったようにカウンターなどで情報収集をしてみる。

 すると、シャーロットさんが言っていたように、本には載っていなかった情報をいろいろと聞くことができた。


 パラティ内ではテイマーが逃がした元従魔が暴れているときがあるので注意が必要であること。

 その為パラティの外からくるテイマーは首都までは馬車で向かい、首都を拠点として行動するのがセオリーであること。


 それと巡回に協力している上位職テイマーは珍しい職業が多く、各地を回りながら弟子になってくれる人を探しているとも言っていた。

 ……同じ職業の人が少ないと言っていたシャーロットさんも巡回に協力しているのだろうか?


 俺はこの街付近で達成できるクエストをいくつか受注してギルドを後にする。

 マイエリアで待機している従魔達を迎えに行き、そのまま街の外へ出た。

 今は巡回が行われてすぐなこともあり、前回のようなイレギュラーは起こらないだろう。

 仮にイレギュラーに遭遇したらさっさと街に戻ってギルドに報告すればいい。

 俺は簡単なクエストをこなしながら、イベントモンスターを倒していくのだった。


 今回のクエストを発生させる流れになりますが、

1.テイマーである事

2.テイマーの上位職に転職していない事

3.首都に到着する前に、巡回している上位職テイマーに遭遇している事

4.遭遇した上位職テイマーと同じ経路を徒歩で進んでいく事


 という感じです。

 巡回している上位職テイマーはランダムではありますが、経路によってある程度法則性があります。

 主人公の場合は猫だけが助けに来ましたが、テイマーが直接助けに来ることもあります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] セオリーなんて、その存在を教えられないと知りようがない気が…… というか主人公、出会う人出会う人説明忘れ多くないですか。 今回のセオリー云々も説明忘れ?
[一言] 自分の中ではシャーロットは鷺沢文香のイメージ。 物静かで辿々しい喋り方から勝手に想像してます。
[一言] (//∇//)にゃんこだぁ~ にゃんこ、かわい~ かわいいもふもふは正義←え
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ