デジャヴ
「さっさと車用意しろ!」
「こいつが見えねえのか!」
二人の男が騒ぎ立てる。
その男たちが僕と***にナイフを突きつけている。
警察官らしき人が何か話しているっぽいが何を言っているか聞こえない。
その後ろではパパとママが泣き叫んでいる。
そんな光景がしばらく続いた。
「あと五分以内に用意しろ!じゃなけりゃこいつらを殺すぞ!」
警察官らしき人が必死に語り掛ける。だが、ひげ面の男は興奮しているせいか一方的に怒鳴り散らしている。
「言ってもわかんねえなら・・・今からこいつを殺す!」
「おい、待てって!マジでやっちまうのか?」
まだまともそうなハゲ男が驚き止めようとする。
「うるせえ!」
次の瞬間ハゲ男の腹にナイフが刺さる。
「グアッ!」
「お前が悪いんだ・・おまえが邪魔しようとするから・・」
ハゲ男の体が何度か痙攣している。
それでもひげ面の男は何度も何度もナイフを突き立てる。
その光景を見ていた僕の前にハゲ男が持っていたナイフが転がってくる。
なぜか僕はそのナイフがとてもきれいに見えた。
そして、それを手に取りひげ面の男の真似をして、
「ウッ!」
男の腹を刺した。
男からうめき声が漏れる。
次はどうするんだっけ?そうだ、これを抜けば、
「ガッ」
力なく男が言葉のようなものを発し動かなくなる。
何が起こったのかわからない様子の少年は周りを見渡す。そして、
「おじちゃん寝ちゃったの?起きてよぉ、まだあそぼうよぉ。」
と、声をかけるが返事は返ってこない。
しょうがないから、周りの大人に尋ねる。
「ねえ、どうしておじちゃん急に寝ちゃったの?」
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「それじゃあ詳しい話はまた今度ね!」
五葉にそういわれた瞬間視界が歪み意識が消えた。
そんな後に見た夢がこれだ・・・。
一体何なんだ。
初めて見た夢のはずなのになぜだろう、どこかで見たことがある。
そんな気がしてならなかった。