決意
章子は二人に相談することにした。二人は何て言うだろう。
「フレディ、真実、話があるの。聞いてくれる?」
二人は頷いた。章子は戦うと決めたのだろうと二人は思った。
章子はお茶をいれて二人に出した。自分の決意を語るために、お茶を一口飲んだ。
「今までエドの仇を討つことばかりを考えていたわ。そのために刺し違える覚悟をしていた。でも気づいたの。エドが望んでいるのは、そんなことじゃないって」
二人は神妙に章子の言葉を聞いていた。一言一句聞き逃さないように。
「テロ組織のことを記事にしたいの」
章子の言葉に二人は驚いた。てっきりテロ組織に乗り込む算段がついたのだと思ったからだ。
「もちろんテロ組織のことを記事にするからには危険がつきまとうわ。でも、エドならきっとそうすると思うの。私はテロ組織の国へ行って情報を入手するわ。それがエドへの弔いだと思う」
「章子……刺し違えるよりも難しいことかもしれないぞ」
フレディは呻くように言った。
「そうね。わかってる。でも、一人でテロ組織に戦いを挑んでも、テロ組織はなくならないわ。社会的に抹殺するためにも記事を書く方が効果的よ」
「あのテロ組織は外国人の人質をとって外貨を稼いでる。捕まったら殺される」
「元々死ぬ覚悟をしていたのよ。それならエドの意志を継ぎたい」
章子ははっきりと言った。自分の命をかけても非道なテロ組織の実態を明らかにするのだと。
「……章子、俺は、章子と一緒に戦いたい」
真実は声を振り絞った。
「どんな戦いでも、構わない」
「……真実……あなたはここにいて情報を受け取って欲しいの。フレディもよ」
「章子、それは納得出来ないな」
「俺もだ!」
二人は反発してきた。もちろんそうだろうと予想はしていた。
「だけど、情報を受け取って記事にしてくれないと困るわ」
「向こうの国からでも記事は送れる。俺は章子と一緒に行く」
「……フレディ……」
「章子、俺も一緒に行く」
「真実まで……」
予想はしていたが、自分一人では行かせてもらえそうにない。
「でも、記事を受けとる人は?」
「俺の知り合いには新聞社やテレビ局に勤めてる奴らがいる。彼らに情報を流すんだ」
フレディは事も無げに言った。
「フレディ、まさか……予想してたの?」
「もしかして、とは思ってたさ。エドガーは記者だったからな」
フレディの方が一枚上手らしい。それなら情報を入手する人数は多い方がいい。章子も腹を括った。
「それなら、三人であの国へ向かいましょ」




