表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/20

第4話 制裁

陽もすっかり沈み、夜空には地球では間違いなく見ることのない大きな月が闇夜を照らしていた。

その月明かりのお陰でそれなりに周囲の光景を見ることは出来るが、やっぱり薄暗いせいか見える範囲は限られてくる。

そんな中。俺たちは昼間に捕らえ先ほど血抜きも済んだバロの肉を焚き火の上で炙り、さながらモン○ンの肉焼きをするように焼けた部分をナイフで削いで食べていた。


二人の名前は白髪の子がアニで黒髪の子がコロナというらしい。実は双子の姉妹で歳は10歳になったばかりだと言う。

双子といっても髪の色から話し方まで違うから二卵性双生児なのだろうが顔つきが似ている程度で他が殆ど違うことから双子というより普通の姉妹にしか見えない。

そんな似たり寄ったりな二人には先ほど幸人と彩女に話した通りまずは次の村で情報収集を行うことを話すが、小難しいことは未だよく解らないようだったが、見捨てられた訳だはないということは解ったらしく最初の時より表情が明るくなってくれた。


そして話題はこの世界の仕組みについて教えてもらった。

二人には俺たちは記憶を失い山の中を彷徨っていたとだけ伝えると普通に信じてくれた。

流石にちょっとは疑っても良いと思うんだけどと思っていると、どうやら俺たちがいた森は別名「帰らずの森」と言われ足を踏み入れた者は何年も行方不明となり突然現れたかと思うと全ての記憶を失ってしまうという謂れがある山だった。

全く、なんつー曰く付きの山に転生させてくれてんだよあの爺さん!まぁお陰でこの世界の情勢というか仕組みというか、それらを知ることが出来た。


まず地球とこの世界の大きな違いは魔法・種族・ハンターの三つなのだが、流石は異世界。やっぱり魔法はあるようだ。

だが、全ての人が魔法を使えるわけではなく大多数が使えるというだけで使えない者もそれなりに多いという。

それを見分ける為に教会ではその人の魔力を測る水晶が置かれ、魔法が使えるか否かを判断する為の魔法適正ランクというのがあるらしい。

以下がそれをまとめた魔法適正ランクのランキングだ。


S級=神


AAA級=魔王

AA級=人外・化物

A級=一握りの天才


B+級=人類の限界

B級=優等生

B−級=魔法適正有り


C級=魔法適正なし


一般的に魔法師の資格が有るB−級の人は本人の努力次第でB級B+級に上がれる者もいるそうだが、それより先にはどうしても上がる事が出来ないようだ。

しかし、これは魔法が使えるだけ良い話だ。


先にも述べたように魔法が使えない。所謂C級の人たちはいくら努力しようと辛い修行に励もうと、魔法適正ランクが上がることがない。魔法自体発動させる事ができないからだ。

つまり、C級と解った時点で一生涯負け組の烙印を押されてしまうのだ。

対して魔法適正有りのB−級以上の魔法師は仕事も選びたい放題で、その上高給取りの勝ち組になる。

魔法という便利な物があるせいで生まれた格差社会か……しかも事実上の下剋上は不可能と来てる。

何とも腹の立つ話だ、虫唾が走な。


そして話は種族に関する話題へと切り替わった。

この世界の種族は大きく別けて人種族・亜人族・獣人族・魔族の4つ分類されるようだ。

人種族は言うまでもなく人間のことで、亜人族はエルフ族やドワーフ族のことを示す。獣人族は彩女や幸人。アニにコロナのような動物をモデルにした種族を示すらしい。

そして魔族は……。

「魔族は、イガ様のような方のことですね」

「は?俺??」

四人の視線が一気に俺に集まる。

幸人と彩女はびっくりしたように目を見開いて見てくるが、俺が一番びっくりだよ!

姿形は地球にいた頃となんら変わらないし、幸人みたいに翼もなければ彩女のように耳や尻尾が生えているわけでもない。

強いて言うなら瞳の色が赤色に変わったということくらいだが、そんなもの自分で確認したわけでもないから実感が湧かない。

だがアニもコロナもうんうんと俺を魔族であると後押ししてくる。

「魔族のどの種族の方かは分かりませんが、イガ様から感じる雰囲気と匂いは間違いなく魔族特有のものです」

自信満々な表情で告げるアニに正直、落ち込むべきか喜ぶべきか迷ってしまうがとりあえず、俺は魔族なんだなぁっと頭の片隅に置くことにした。


最後にハンターについてだが、どうやら二人もハンターについてはそれほど詳しくないらしいが狩猟冒険者管理組合(しゅりょうぼうけんしゃかんりくみあい)。通称ギルドに行き、簡単な手続きとハンター登録料を支払うことによってハンターになれるそうだ。

ギルドはこの先の村にあるらしく、詳しいことはそこで聞くことにしたが、ハンターの登録料といっても俺たちはこの世界の通貨を持っていない。

どうしたものかと考えているとコロナが骨だけとなったバロの口から一番長い牙を抜いて戻ってきた。

「これ、お金になるにゃ。皮もお金になるにゃ」

そう言ってコロナは抜いた牙を俺に手渡してきた。

んー、つまりゲームでいうと牙はお金との換金部位で皮もまた然りということか。換金金額がどの程度になるか解らないが、せめて数日分の食料を買えるだけの金額は欲しいものだ。



その後は少し雑談をしてから彩女にはアニとコロナを寝かしつけてもらい、幸人には昼間ずっと周辺警戒をしてもらっていたから今夜は俺が歩哨をする為木に登って周囲を見渡していた。

巨大な月の明かりは優しく周囲を照らしてくれるお陰でそれなりに遠くのモノまでみえる。これなら夜行性の獣が近づいてきても解りそうだ。

そう思って俺はポケットから煙管出して一服していると昼間に幸人がいった四人組の男の話を思い出す。

そういや、奴らは今何してるんだ?俺たちはバロを放って帰ってくるのを奴らは待っていると思っているが、流石に帰りが遅いのを気にして追いかけてきてるんじゃないか?


そんな事を考えてしまい、つい昼間アニとコロナを助けた方角の皿にその向こうへ目を向けると。突然視界が狭まったと思ったらまるで望遠鏡でも覗き込んだかのように遠くのモノが見えて、おまけにサーモグラフィーを通しているように視界の全てに色分けされた世界が広がった。

驚いて数回瞬きをすると、視界は通常通り元に戻って自分の手の平を映し出していた。

不思議に思って今度は『見よう』と思って集中し、手の平を見ると望遠鏡のようにはならないが、サーモグラフィーを通したように熱量の高い部分は赤くてその周囲は黄色くなった手の平が映し出された。

更に面白がって集中すると、今度は骨だけが見えるようになったがそれだけじゃない。どうやら頭の中で見たいものをイメージし集中する事によって瞬時に切り換える事が出来るようだ。

「ははっこりゃ凄えな!……どれちょっくら見てみるとするか」


そう言って再び視線は焚き火をしているであろう連中の場所に向け、望遠+サーモグラフィーで探すとすぐに見つける事が出来た。

何たってこっちは視界が熱分布で表情されているから熱を持たない部分は黒っぽい青に変わり、熱を持つ場所は常温なら黄色。高温なら赤く写るから赤い部分だけ探せば容易に見つけられる。なんかチートっぽいけど、子ども相手に肉食獣を放つ外道には丁度いいだろう。

ただ見つけられたはいいけど、流石に言葉を読み取るのは難しそうだ。口の動きを読む事は出来るけど、イマイチ見辛い。

しょうがない、直接赴いてみるかな。


木から飛び降りてシェルターに入るとアニとコロナの間に幸人が入って翼を掛け布団のようにして眠っている。

隅っこでは彩女が寝ている。俺は彩女を小声で呼ぶと耳をピクピクッと動かしてすぐに起きてシェルターから出てくる。

「どったのイガ兄??」

「ちょっと昼間の奴らに挨拶しに行ってくるからしばらくの間見張りを頼もうと思ってな」

それを聞いた彩女が眠たそうだった眼を鋭く光らせ大丈夫かときいてきたが、俺は頭をくしゃくしゃっと撫でて「心配するな」とだけ言った。

装備は昼間と同じようにマチェットナイフを腰にぶら下げ軍用ナイフも装備すれば準備完了だ。

「2〜3時間で戻るから心配するな。んじゃ、行ってくる」

「ん。気をつけてね」

そう言って俺は全速力で駆け出した。


視界をサーモグラフィーとはまた違う暗視ゴーグルでも装着したように昼間と同じくらい明るくさせて夜の草原を駆け抜けていく。

そして不思議な事に体が昼間に比べてめちゃくちゃ軽い。最初は気のせいかと思ったが、途中から本当に軽いのだと気がついた。

流れる風景を見てるとジョギングレベルで走ってるつもりなのに自転車を盛り漕ぎしてる時と同じ速度が出ているようだ。

視界の切り替えに夜間は身体機能が活発化……あんまり興味がなかったが、ちょっとチートキャラ化してる自分の種族について知りたくなってきたな。


そんな事を思っているうちにあっという間に目的の場所に到着し、視界を通常(ノーマル)モードに切り替えてゆっくりと焚き火を囲む彼らに近づいていく。

うつ伏せになってゆっくり、ゆっくりと匍匐前進で近づいていくと彼らの笑い声が聞こえてきた。距離的にはもう3メートルないだろう。


「はっはっはっ!そういや、バロ共のやつら遅いな。一体何やってんだろうな?」

「お前知らんのか?バロは何故か猫族を襲うと逃げられない様に四肢を食いちぎって死ぬまでその猫族を犯し続けるらしい」

「あー、なんかそれ聞いたことあるな」

「じゃあ今頃あのガキ共はギャンギャンなかされてるってことか!はっはっは!そいつぁ傑作だ!」


そんな下卑た話を男たちは大声を上げて高らかに笑って話し合っている。確かに俺も男だから下ネタは割と好きだ。というか、普通に面白い。だが、こいつらのは違う。

一体どこが笑えるのか本気で解らねぇし解りたくもねぇ。

俺はすぐにでも切り刻もうとマチェットに手が伸びるが、まだ他にも重要な話をするかもしれないと思い、必死に殺意を抑え込む。


しばらく男たち同じ様なクソみたいな雑談を話し続けていたが、待つこと一時間ほどたつとようやく重要なことを話し始めてくれた。

「それにしたって猫族……いや、獣人族ってのぁバカばっかだよなぁ」

「あぁ、まったくだ。俺たちを貴族と思って疑いもしねぇ」

「いやいや、実際お頭は貴族じゃねぇか。『元』貴族様だけどな!わっはははは!」

「はははっ!おまけにあんな寂れた村じゃ確かめようと近くの村へ逃げ出しても俺たちがそれ全部刈り取ってんだから解る筈ねぇわな!」

「そぉーそぉー、だいたいもしバレたとしても王都の軍隊様がいちいちこんな辺境までくるわけねぇしなお頭も頭いいよなぁ〜♪」

「確か貴族だった頃は軍の内部情勢を詳しく知る一人だったんだっけな」

「あぁ、でもある日ちょっとしたミスで軍を追放されて貴族の称号も取り上げられちまったんだが、金品持って逃げ出して、俺たちの頭になっちまうんだからある意味凄え人だよ全く」


なるほど……わざわざこんな辺境に来た理由はそれか。

王都がどこにあるかは知らんが、確かにこの時代の移動手段は徒歩か馬車が基本だろう。それを例えば一週間かけて来るとしたら賊の討伐で編成された舞台が100人。いや、半分の50人だったとしても往復で14日間の水と食料の確保に加え、討伐の褒賞金を支払わなければならない。

その費用は膨大だ。それを考えたら小さな村の一つや二つ。軍は簡単に切り捨てるだろう。

何よりアニ達の村は他の村からも離れた小さな村だ。

貴族の没落を知るのは当分先だし、確認しに他の村へ出かける途中で彼らに殺され口封じをされるのは目に見えているといっていいだろう。

はぁ……やっぱどこの世界にもいるもんなんだなこの手のクソ共は。


俺は近くにあった小石を反対の茂みへと投げガサッと音を立てる。案の定男達はその音に気づくと「なんだ?!」と声を荒げて両刃の片手剣や槍に弓と各々の武器を手に小石の鳴った茂みの方向を向く。

なんでこいつら一方向しか警戒しないんだ?バカか?それとも素人か?普通全周囲警戒だろ。

等とツッコミを入れながらも俺はゆっくりとした動作で立ち上がり、腰に装備していた軍用ナイフを右手に持つと一番手前いた一人の口を素早く左手で塞ぐのと同時に右手のナイフで首をの頚動脈と喉笛を撫でるように切ると音を立てないようにその場に寝かせる。

寝かした男はヒューッヒューッと空気が抜けるような音を立てながら踠いているが、俺は気にもとめずに同じ動作で二人目の喉と動脈を切り捨ててその場に寝かせる。


残りの二人も同じ様に殺そうとしたが、止めた。

足音を立てずに再び茂みに戻り身を潜める。

ーーすぐに殺してなんかやるものか。

茂みに戻ってすぐ見回りに行った二人が戻るとさっきまで話していた仲間が死んでいることに気づき悲鳴をあげる声が聞こえた。

「おいっ!しっかりしろ!」

「ダメだ。こいつら死んでやがる」

「はぁ?!ふざけんな!さっきまで普通に話してたじゃねぇか!」

おー、おー、いい感じに混乱してんな。さて、お次はどうでる?

俺はさっきの茂みから10メートル離れた細い枯れ木に寄り添って彼らの様子を観察していた。この距離ならいくら月明かりが明るくともまず見えないだろう。

生憎とこっちからは視界を暗視モードにしているからバッチリと見える。今は死んだ仲間の遺体を焚き火の近くに並べて両手を組ませている。

へぇ、外道であっても仲間の死くらい祈ってやれるのか。

と感心していると並べたところまでは良いとして時代の懐から小さな小袋を出したと思ったらそれを二人で分け合っていた。

前言撤回。やっぱ外道は外道だな。


そのまま数時間がたち、二人で寝ずの番をしているようだが3時を過ぎた頃から一方がうたた寝を始めた。

もう一人が時々起こしながら頑張っているが、4時前には二人して寝込んでしまった。

俺は座っていた腰を上げて音を立てずに焚き火のそばで座る二人の方もとへ歩いていった。

焚き火に着くとぐっすりと眠る一人に彼らの持ち物から取り出したロープで両手と両足を縛り上げ、その場から身動きができないようにする。もう一人は同じように手足を縛るとさっきまで自分がいた枯れ木の方まで担いで歩く。

普通なら起きそうなものなのに、全く起きる気配がないのはきっとこいつらが飲んでいた酒のせいもあるのだろう。


枯れ木に着くと男の足を縛ってそのまま逆さ吊にした所でようやく目を覚ましたのは吊るす最中に石に頭をぶつけたからだろう。

痛がり「なんだこれ?!」と混乱する男に俺は黒い手拭いで口元を隠した状態で姿を現わす。

「なっ、なんだテメェ!?こんなことして、タダで済むと思ってんのか?!」

粋がる割りには声が完全に震えてる。これじゃあいくら泣こうが叫ぼうが負け犬の遠吠えにしかならないのは分かってるだろうに。

喚き散らす男に、俺は何発も殴る蹴るの殴打を繰り返した。さながらサンドバッグのように何度も何度も繰り返した。そして男が「やめてくれ」と言い始めた所でそれを止めた。


「聞くのは俺だ。そして聞かれた事にだけ答えろ、良いか?解ったら頷け」

尋ねると男はコクコクと勢いよく首を縦に降る。

「じゃあまずは……」

アニ達の村で何が起こっているのか。お前達はどこから来たのか。何が目的なのか。ボスは誰なのか。何人の仲間がいるのか。武器は何か。防具は何か。

あらゆる質問をして情報を聞き出すと最後の質問をした。

「村から逃げた人たちは何人いた?」

「は、8人だ」

「その8人はどうした?」

「……ッ、こ、殺した。」

「どうやって?」

「お、女は犯してからバロに食わせた。男は剣や弓で殺したんだ……た、頼む見逃してく……ぐぁっ!」

「最初に言ったろ。聞かれた事だけ答えろと」

「ひぃっ!」

「それにしても、そうか。バロに食わせたか……。

そういえばお前達は面白い話をして笑っていたよな。確かバロは猫族の女の四肢を食い千切って犯し殺して食っちまう、だったか?

お前達は随分と楽しかったんだろうな。捕らえて犯して逃がしてバロに玩具にされる様を高みの見物をして酒を酌み交わす……全く良い身分じゃねぇか。え?」

「や、やめろ、助けてくれ……」

男は青ざめて涙目になりながら命乞いをしてくる。

俺は腰にぶら下げたマチェットを抜くと

「安心しろ。命はとらねぇ」

「ほ、本当ですかい?!あ、ありがとうございます!」

男が涙して自分は助かるのだと思った瞬間。

俺は男の右腕を切り落とした。


「ぎゃああぁぁっ!う、腕がっ俺の腕がぁ!」

「うるさい。喚くな」

ーーザクッ

「うぎゃあああぁぁあっ!!」

ーーザッ……ザクッ!

叫ぶ事に男の左腕を切り落とし最後に右足を膝から切り落としてマチェットに付いた血糊を男の布服で落として鞘に収める。

腕は一発で落とせたが流石に足は肉も骨も太いので二割ほど切ると後は皮で繋がってる状態でだったからそれで終わりにした。

「どうして?!だ、だすけてくれると言ったじゃないか!」

「何言ってんだ?俺は命はとらないと言っただけで助けるとは一言も言ってねぇよ。勘違いするな」

そう最後に吐き捨てると喉をひと蹴りして声帯を潰して切り落とした手足を拾うとそれを持ってもう一人が待つ焚き火の方へと歩いていく。


縛り上げた男の方へ行くと男は途中で目が覚めたらしく必死に踠いてロープを抜けようとしていた。その男の前に立つと先ほど切り落とした手足を男の目の前に見せる。

男は急に大人しくなると俺の方を静かに見てくる。

俺はできるだけ普段通りに、いつも幸人と彩女に挨拶するのと同じ感じで「こんばんわ」と笑顔で言って目の前にある座る。

「貴方が出来るだけ聡明である事を願います。

質問にさえ答えて頂ければ彼方で眠ってる二人ようにはなりませんし、この手足の持ち主のようになる事もありません。解りましたか?」

男は青ざめた表情のまま静かに頷き、俺は先ほどと同じ質問を聞いて聞き出した情報に誤りがないかを確認していく。


ちなみにさっきと言葉使いが違うのには理由がある。

切り取った手足を平然と見せ、笑顔のまま丁寧な口調で話しかける事で相手に「こいつはヤバイ。殺しに慣れてる」と思わせる事が出来る。

そうすれば殴る蹴るなどの暴力無しでこの手の粋がってる奴らはすぐに黙り込み、こちらの質問に答えてくれる。

これらの方法もデビッドさんから教えてもらった手口の一つなんだが「この程度でゲロする奴らは所詮小物だ」ということらしい。


話を聞き終えると最後の質問をする。


「村から逃げた人たちは何人ですか?」








ーーーこれ以上先は言うまでもないだろう。















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ