+++第二十八話:暗雲立ち込める情勢不安
時系列は少し移動する――――――。
【12月3日】
王都より北西900キロメートル。
小規模タウン:【ギャラス】よりほど近い平野にて。
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「ハアハア・・・・ハア、ハアッ‼」
(私は――――走るッ!)
吾輩の名前は、【デッド・ヨーボーダン】。
王国軍の少将位にある者だ。
数日前、ある町が解放戦線系と思われる亜人族の集団に襲われ・・・・その後に占拠された。北西支部は対応のため、ラッダーヨ・インク中将位の指揮する中隊を派遣したッ!
(・・・・!)
そして、中将は死んだ‼吾輩の目の前で、一瞬にして奴らに敗北したんだ。
(あんなに強いとは、どういうことだ?)
聞いてないぞ、我々の手には負えないのは明白だ。
(――――だから私は走るッ‼‼‼)
犬死にはごめんだし、報告こそが次の命を救うからだ!
「ロワーヌ王国に幸あれ‼
~~~~~~うごふぉッ⁉⁇」
(なんだとぉ―――――――――⁉)
突如として腹部が裂け切れ、口から大量の血が噴き出した。
「おいおい、きたねえよ」
その男は爪に付いた血を払い、まるでゴミのように見下ろした。倍ほどの背丈に、肩幅・・・発達した筋肉を見ても、人間族ではない。
【エルク・ダンヴァード】は、黒灰の毛皮をなびかせ、黄色く光る眼光で彼をにらみつける。
「ぶ、ああああああツ⁇⁉くあああッ‼」
腹部を抑え、痛みに悶えながら泥を転がる。
雨水が氷のように冷たい・・・・なぜ私がこんな目に。
「・・・・おまえ、階級は?」
「ゼエ・・・・ハア・・・・」
こいつはさっき中将を殺した女じゃない。おそらくは、その一派か?
恐ろしく速く、強力―――‼
「――――おい」
男の語気が強まると、空気もそれに付随してピリピリと震えだす。
「階級はァ」
「しょ、少将位です・・・・」
(屈辱ッ)
「・・・・・・。
あァ、どおりで弱ェし、もろいわけだ。王国軍もなめてるよなあ、こんな雑魚集団よこすなんてよお」
「ま、まって―――」
彼は言葉の途中にもかかわらず少将位の頭部を蹴り飛ばし、彼の息の根を止めた。まるで興味もなくしたように、無言で、つまらなそうに。
そして彼は、輝く月を見上げると・・・・興奮し声量を挙げた。
「もうすこし、派手にやろうぜ⁇延期だ、延期‼大きな花火を打ち上げたいだろ⁇
王国終焉の始まりはァ――――最高のパーティーにしようぜェ‼」
*第二十九話につづく




