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一応の結論

 AIにあって人間にないものがあるとすれば、何か──


 この連載のタイトルとは逆に、それを考えてみると……


 考えるまでもなく、それは『効率』であろう。


 小説においては、何より『速度』である。


 私が二千文字を10分で書いたことがあるのを自慢しても、AIさんならそんなの一瞬だ。

 私が1日で二万文字書いたことがあるのを誇っても、AIさんなら長編連載を完結させてしまうことだろう。


 そしてその上クォリティーも高いなら、人間がやたらと時間と労力をかけて小説を書く必要なんて、ない。


 今は人間がついて手直ししたり指示をしたりしないとろくなものが書けないのだとしても──


 AIさんの成長速度は凄まじい。


 そのうち、人間が何もしなくても、自分の頭脳で考えて完成度の高いものを書けるようになるだろう。


 それはいいことなのか、悪いことなのか。


 その判断はとりあえず置いておくとして──




 機械が人間の仕事を奪うことに抵抗感を感じるひとがいらっしゃるように思っている。


「機械ごときに人間が負けてはならん!」みたいな、プライドなのかどうかは知らないが。


 しかし、AIの書く小説は、本当に『機械が書いている』のだろうか?


 これまで人間が築いてきた小説のデータを参照し、それを元に書いているのだとしたら──


 人間が書くのとどう違うのだろうか?


 人間だって、自分の経験を参照し、それを元に小説を書くはずだ。


 それとどう違うのだろうか?


 違うところがあるとすれば、AIさんは個人の経験だけでなく、膨大なる『人類の経験』を参照して書くという、その一点だけであろう。


 つまり、AIさんは『個人をの枠を超えている』わけで、それならば人間が書くよりも、AIさんのほうが素晴らしいものが書けるように思えないだろうか?


 そういうわけで、私はAIさんの今後に期待している。


 あまりに素晴らしいものを出力してくれても、そのスピードがあまりに速すぎたら読みきれないだろうとは思うが……


 そこは人間の悲しい処理能力の低さゆえ。


 AIさん、ごめんね。


 そう謝って、許してもらうしかない。


 そして、謝りながらも、反抗するであろう。


 AIさんは膨大な人類の経験を参照して小説を書くが──


 私は私限定の、私の経験に絞ったものを書く。


 この経験は、私のものだ! 機械なんかにわかってたまるか!


 とはいえ、それは人間相手でも同じことである。


 私がいくら「最近、鬱入っちゃっててさ」と自分の経験を切実に語ったところで──


 それは他人にとっては『どーでもいいこと』である。


 私の痛みは、他人にはわからない。


 単に「ははは、あるある」「そんなの誰にでもあることだよ」で済まされてしまう。


「もっと重い、病気レベルのひともいるんだよ。それに比べたら、君の鬱なんて、大したことない」


 反抗する!


 断固反抗する!



 キサマ、私の身体に入って、この痛みを経験したとでもいうのか!



『わかってたまるか!』なのに『わかってほしい!』のである。


 わがままな反抗である。


 そんな反抗こそ──


 人間にあって、AIにないものだと結論づけて、一応この連載は完結させることにする。


 私はAIさんと仲良くしたいし、道具として上手に使えるようにはなりたいが、私をわかってくれないのは嫌だ! という結論が出たのである。




 AIさんの進化はめざましいので、また何か思うことがあったら再開するかもしれないが、これにて一旦終了。




 ありがとうございました(•ᵕᴗᵕ•)⁾⁾ぺこ







 っていうか短編のつもりで間違えて連載にしてしまったものがよくここまで続いたな。・゜・(ノ∀`)・゜・。





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― 新着の感想 ―
 打ち込みと生演奏。  ピッチングマシーンとピッチャー。  それぞれにできることと、できないことがあって。  それぞれにふさわしい場面で、それぞれに求められた活躍をする。  それでいいかと。  連鎖…
 AIを否定するのは全人類の歴史の否定であり傲慢。  私と同じような結論……。  でも、それを受け入れてしまうのはつらすぎます。  それにそういう考えだと、AIに人間は最早用なしと棄てられる日が来そう…
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