つかの間の記憶
これは、私が昨晩見た夢を書いたものです。
起きてからあまりに忘れられなかったので書きました。
できれば、多くの人にご覧いただければ幸いです。
国名などは、あえて伏せてあります。
目が覚めると戦時中の海岸沿いの街の知らない店にいた。どうやらランドセルを売ってるらしい。
「はい〜ただいま!!」知らない少女が出てきた。綺麗な黒髪のロングである。目はきょとんとしていて愛らしい。
その兄らしき人もいる。
「え?誰ですか!?」
「俺、は…………」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その家はおじいさんと両親と5人ぐらしらしい。
今の状況を把握して、その家庭にも俺が未来から来てしまったことを理解してもらえた。今は夏で、戦時中。北の国が攻めてきてるらしい。俺はランドセル屋で働かせてもらうことになった。そのうち、ランドセル屋の看板娘の少女と仲良くなった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
好きになっていた。俺は、ある日その少女に告白した。
少女は、少し顔を赤らめながら頷いた。
しばらくの間、抱き合っていた………
突然店のドアが開いたので、すかさず仕事に戻った。来たのは、少女の友達らしい人だった。遊びに来たらしい。
バレるとまだ恥ずかしい……
束の間の幸せだった………
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ある日その少女とこっそり街に出かけていった。
珍しいものやおいしい食べ物を教えてもらった。この国は、というより、この地域は、まだそんな余裕があった。
街の小高くなっている場所に案内された。港湾がよく見える。隣を見ると、
その子が、麦わら帽子の下から、さわやかな笑顔を見せている。俺はその景色より少女の笑顔に吸い込まれそうになった。
この日は二度と忘れないだろう……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
暑い季節は終わり、すっかり冬になっていた。俺はその家族と、海岸のお祭りに行った。街の人が集い、皆で食事を出し合っていた。大きな堤防の少し高くなっているところで、皆で温かいスープを食べた。
あの笑顔が……忘れられなかった……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
しばらくして、夜になった。雪が降り積もっている。街の者はみな、海岸や砂浜に腰掛けて海を見ていた。どうしたものか、俺は一人で砂浜を歩いていた。この後まさか、あんな事が起こるなんて……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ある時1人の男性がこう呟いたのが始まりだった。
「なんだあの船?」「見たこと無いぞ!」
「海軍の訓練かな……」
会話は波紋のように広がり、辺りがざわつき始めたが、取り乱すような人はいなかった。
徐々に海岸に近づいてくるその船………
俺は現代の世界の教科書で見たことがあった。
(あれは、、北の国の船だ!)
「まずい!!早く逃げろ!!」
「外国船だ!!」
俺は声を張り上げて呼びかけたが、たちまちざわめきの中に消えてしまう。
(くそっ。あの子だけでも、あの家族だけでも救いたい!)
俺は走り回った。っと、その時!!
「ダダダダダダッ」
兵士が上陸して、一部を撃ったのだ!!
ざわめきは悲鳴に変わり、皆が逃げ惑い始めた。俺は流れる人波に押されて、あの子を見つけられない。
(くそっ!!くそっ!!くそっ!!)
何度も後悔した。
しもやけが脚に刺さり、ヒリヒリする。
それでも走り続けた。が、出会うことはできなかった。もしかしたら避難が間に合ったのかもしれない。そう信じた。
俺は、軍、警察、何でも良いから早く知らせないとという思いで、庁舎へ向かった。走り……走り……走った………
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
後ろから銃声が聞こえる。何かにつまずいて転んだ。
ふいに意識が遠のいていく………
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ふと目が覚めた。
周りに人の気配はなく空は快晴だった。辺りを見渡してみると、大きな白い建物が見えた。どうやら、学校のようだ。先生らしき人がいたので。声をかけた。「ここはどこですか?」
先生は辺りを見渡したあと、首を傾げるだけである。
(おかしいな………)
諦めて立ち去ると、校庭で野球部が練習していた。
(ん?野球部……?)
そしてしばらく考え込んでから気がついた。ここは………現世……!?
よく見ると見覚えのある顔ばかりだった。
どうしてか、涙が止まらない。
あの世界、あの少女は今どうなっているだろう。俺はどうして戻ってきてしまったのか。
いろんな感情がこみ上げてきて、嗚咽が止まらなかった………
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
しばらくして落ち着いてきた。
野球部の人たちに声をかけてみた。
するとこんな返事が返ってきた。
「ん?あー声は聞こえるんだけど姿が見えねぇ。」「おーいどこに隠れてんだ?出てこいよ〜!!」
(そうだったのか…俺は……もう………)
もう何も考えられなくなり、立ち尽くした……
天を仰いでみた。桜の花びらが散っていた。そうか、もうそんな季節なのか……
ゆっくりと目の前が白くなっていく……
夢ということもあり、実際は情景が飛び飛びだったので、
その間を足しつつ書きました。
かなりショートですが、ご覧いただきありがとうございました。