九条光という男
チームラビットに仮入部という形で入った闘志。今回は九条光とともに任務に向かう。
翌日の話。
チームラビットに仮入部という形で入った闘志。
「今日は、僕の任務に付き合ってもらうよ。」
「押忍!よろしくお願いします!」
チーム内で唯一の3年生であり、日本国内でも最強と名高い光とともに行動ができることに闘志は心を躍らせていた。
学園を出て少し歩いた所から電車に乗り、田島町という場所に向かう。今回の任務は田島町にある田島山に得体のしれないものを見かけたとのこと。
「多分化身だろうね。」
「え?化身?」
「うん。僕たちのチームの主な活動内容は、化身の残党の討伐だからね。闘志が混沌を倒したって言ってたけど。それでもこうやって、隠れて生きてるやつもいるんだ。そういう奴らを僕らが倒す。」
「戦いか!ワクワクすんな!!なんとなく戦うことは予想してたけど。」
ぴょんぴょんと飛び跳ねる闘志を横目に光は優しい笑みを浮かべていた。
「まぁ、今回は僕のサポートだけどね。基本的に戦闘は僕一人でやる。」
ズコォォォォォォォォォ!まるで漫画のように地面を滑る闘志。
「えー!俺だって戦えるぜ!混沌だってぶっ倒したんだからよ!」
つまんねぇの〜と呟く闘志をなだめながら、田島山の山奥へと足を踏み入れていった。雑木が生い茂る中、ケモノ道を進んで行き光達は、到着から約30分程でそれらしき影を見つけた。
「あ、いた!あそこだ!光先輩あそこ!」
「お、ホントだ。闘志は目が良いね。野生児か何かなのかな?」
「違うって!!けど、目と耳と嗅覚には自身あんだよね!」
「やっぱ野生児?」
「だから違う!!!」
光達は影を追っていき、ついに戦闘が始まる。
「それじゃ闘志はここで見ててね。まぁ、あんまり見れるかどうか分かんないけど。」
そう言って光は、手のひらから光を放ち光剣を手に取る。
最強と呼ばれる者の戦いを間近で見れることに、闘志は期待を膨らませていた。
「やぁ。」
「ギヒッ?!な…お、お前はまさかっ!」
化身が一歩後退りしようとした瞬間、光はすでに化身の背後に立っていた。20メートル程の距離があったのに。
「は、速っ」
「遅い」
ザンッと体を裂く音。すでに化身の体には大きな音切られた跡がくっきりと浮かんでいた。
「ぐあぁぁぁぁぁぉぉぉぉ!!!!!」
「さぁ、僕を目で捉えられるかな?」
さらに光剣を一振り。やはり見えない。剣を振ったかどうかも分からない。化身はいつの間にか吹き飛ばされていた。
「すげぇ!これが最強の力か!」
まだまだこれからだよ!そう言いながら優しい笑みを浮かべながら、光は化身の後を光のスピードで追っていく。負けじと闘志も追う。しかし、まったく追いつく気配がない。それほどまでに光速で、輝いていた。
「くそっ!全然追いつけねぇ!速すぎだろ!てか、眩しい!目がいてぇ!」
そう言いながら走り続けるが一向に追いつかない。微かに、遠くで木々ご倒れる音と斬撃音が聞こえるのみだ。
「さぁ、そろそろフィニッシュといこうか!」
「く…くそったれが!くらえ!二枚斬取!」
「それじゃ遅いってさっきも言わなかったっけ?」
華麗に避けながら光が空中に星の形を作り、その光が剣に纏われる。太陽のように眩しく輝く剣が今振り下ろされる。
「いくよ!流星斬撃!」
「うがあぁぁぁぁぁぁぉぉぉぁぁあ!!!」
辺り一面が剣の光に包まれる。世界が全て白くなってしまったと錯覚させる程に眩しい光で。
「すっげーー!俺も光先輩と戦ってみてぇ!あと眩しい!」
「じゃあ、今度手合わせしてみるかい?」
「ほんとか?やるやる!!」
任務を終えた2人は、笑いながら田島町を後にしていった。
とある場所。
「報告します!田島山で、スレイサーがチームラビットの光によって倒されました!」
「そうか…。報告ご苦労。」
「はっ!」
「また光か。奴も色々と面倒だな。」
薄暗く光る赤黒の地。そこに住まう1人の恒星外生命体。後に闘志達チームラビットと死闘を繰り広げる敵。彼は不気味な笑い声を上げながら、その時を待っていた。
「ではそろそろ久々に暴れるとするか。なぁ混沌兄さん。クックックッハッハッハッハ!!」
ワンオク最高。ライブいきたい。