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そんな私はヴァンパイア  作者: 松栄
第4章 モンスター討伐編
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第96話 人知を超える者 アズライール

 「よっこらしょ、と。ひとまず休むとするか。」

 

 そういうと、ルシファーという人はその場に腰を下ろして、瓢箪から酒?を呷る。


 「そうだな、話もしないといかんしな。」

 「話ってなんだ、ってか、結局お前は何者なんだ。それに、なんでアイツの気配がするんだよ!」

 「貴様、今こそは全て明かしてもらおうか。」

 「ま、もとよりそのつもりで来たんだがな。」

 「ワシはモンスター殲滅のついでにコイツと一緒に来ただけじゃ。気にせんでくれ。」


 8人で輪になり座る。

 なぜかもうモンスターが襲い来る気配がないのは僥倖ではあるけど……


 「私はな、あの方、タカヒロから頼まれてこの世界に顕現したんだ。」

 「な、何だと!?」

 「アイツから、頼まれた、だって?」

 「あの方は死後、あの世界で最高位存在となったんだよ。」

 「そ、それって……」

 「高位存在、だと?ウリエル、それは何だ?」

 「アタイ達のはるか上の階層、太古の昔には人間からは“神々”と呼ばれていた存在だよ……。」

 「か、神、だと!?」

 「あー、そんな大仰なものじゃないがな。そもそも神というものも、人間が認識できない存在に対して人間が勝手に付けた呼称にすぎない。」

 「お父様が、神?」

 「それって……」

 「あー、だから神じゃないんだ。ちょっと、説明はかなり難しいんだ。そうだな……」

 「分かりやすく言うと、だ。ワシら悪魔の対極に位置する存在だ。天使の一番偉い人、という認識でよかろうよ。」

 「まぁ、微妙に違うんだが、そういう感じだ。」


 アズライール様の話はちょっと信じられない話ではあった。

 けど、それは事実でもあると思ったんだ。

 聞けば、アズライール様はお父様の魂の一部を授かり、ルナ様とウリエル様を通じて私とシャルルを守護する為にこの世界に顕現したんだって。

 アズライール様からお父様の気配を感じたのは、そういう事らしい。

 そのお父様の一部というのは、ウリエル様とルナ様に新たな力を与えるものでもあったらしい。

 それがどう言うものかははぐらかされたけど。

 

 「要するにてめぇはアタイ達に代わって二人を守るってことなのかよ?」

 「いや、ルナとウリエルに代わる者などいないさ。新たに加わる、という形だな。」

 「アタイらに加わるだって?」

 「とはいえ一時的な事だ。用が済めば私はあの世界へと帰還しなければならないからな。」

 「何だと?」

 「で、だ。この世界はもうすぐ末期に差し掛かる。キミたち二人と、こいつらが顔を合わせたというのはその証拠でもあるんだ。」

 「えーっと、ルシファー、様。」

 「あー、ルシファーでよいぞ、ディーナ。」

 「いえ、それはその……」

 「ま、呼び方はどうでも良いか。キミの言いたいことはわかる。世界の末期、というのはそこのドアホにまた後で聞けばよい。

 それより知りたいのはコイツ等の事だろう?」

 「は、はい。この子達は、もしかして……」

 「ムサシ様の子孫、なんじゃ?」

 「シャルルも鋭いの。その通りだ。ワシが見つけ出して保護し、鍛えたんじゃよ。」

 「……」

 

 すでに飽きて寝息を立てているこの子達は、正真正銘の初代勇者の子孫らしい。

 で、私達は2代目勇者の子、この邂逅が意味するモノって……


 「初代のムサシはな、本当にあり得ない出自の、元々勇者として出現した者なんだ。

 で、タカヒロも勇者なんだが、彼らが決定的に違うのはムサシは元から勇者という存在で、タカヒロは後から勇者と呼ばれる者となった、という点だな。」

 「そうじゃな、ムサシがアクティブなら、タカヒロ様はパッシヴ、と言えばわかりやすいだろう。」

 「ウリエルもわかっていたと思うが、正直言うとだな、タカヒロには生来、勇者の素養は一切無かったんだよ。」

 「ええー!?」

 「しかしな、幼少期にシヴァに逢い、エルデに見いだされ、この世界に転移した事で勇者の素養が揃ったという、極めて奇跡的な者なんだ。」

 「まぁ、それ自体があの方が持つ勇者の素養、とも取れるんじゃがな。」

 「話が逸れたが、こいつらは生まれた時から勇者としての力を発揮していた。」

 「で、でも、シヴァ様が言っていましたけど、ムサシ様の子孫はもっといっぱい居るって……」

 「ああ、あの助兵衛の子孫は多いんだがな、はっきりとこれだけの素質をもったのはこいつ等だけなんだ。」

 「そ、そうなんですか……」


 そうして二人を見てみる。

 鼻提灯を出して寝ている、少年といっていい年頃の二人。


 「で、でもなぜルシファー様はこの二人を?」

 「ワシもこの世界の行く末を心配しているんじゃよ。星に住まう者が居なくなるとだな、ワシらの存在意義が無くなってしまうからの。」

 「存在意義、ですか?」

 「説明するのもややこしいんだが、マモン、いや、マコーミックの野望は聞いてるじゃろう?」

 「は、はい。世界征服、でした。」

 「あやつはその意味を取り違えているようじゃが、仮に人間も魔族もいなかったら、あ奴のその野望はどうなると思う?」

 「それは……」

 「全くの無意味……」

 「うむ、そう言う事じゃ。ただし、正確には存在意義がなくなるだけでな、ワシらは存在そのものは無くならない。」

 「え?」

 「そこのドあほうも同じでな。もちろん、今は別世界にいるあのお方も同じじゃ。」

 「何がドあほうだ。まあいい、しかしだな、ウリエルは同じとはいえ今のままでは世界が崩壊すれば消えてなくなる。そして……」

 「そして?」

 「ルナはそれを待つ事なく、その肉体が崩壊するんだよ。」

 「え!?」

 「ル、ルナ様が!?」


 肉体が崩壊しちゃうって……

 それって、ルナ様が死んじゃうって事?

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