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そんな私はヴァンパイア  作者: 松栄
第4章 モンスター討伐編
95/295

第95話 君たちはなぜこんな所に?

 前方のトンネルの奥、そして後方、私達が来た方向の両側からモンスターの集団が挟撃してきた。

 その数も尋常じゃない。


 後方のモンスターたちは、さっきの側道みたいな洞窟から来たんだろうなと思う。

 ともかく、迂闊ではあったがこうなってしまってはやるしかないよね。

 躊躇する事なく襲ってくる前後のモンスター達。


 「シャルル、伏せろ。」

 「はい!」


 モンスターに向かって風の魔法を纏った横なぎの斬撃を繰り出すルナ様。

 5体を真っ二つにしたところで、すかさずシャルルが火の魔法で残骸を焼却する。

 二人の連携は息もピッタリだ。

 けど……


 「前、数が増えてる?」

 「ああ、そうみたいだな、だけどよ、こっちもだぜ!」

 「き、キリがない……」


 とはいえ、手は止められない。

 モンスターに斬りつけつつも、魔力を練って光の魔法を圧縮して放つ。

 フェスタ―様の助言で作った、もはや普通の魔法じゃない魔法だ。

 群れに飛び込んだ光の魔法は、そのまま爆裂すると10数体のモンスターは塵になって消える。

 強力な魔法だけど、それなりに魔力を消費してしまうので連発は厳しい、かな。

 でも

 増援のペースが尋常じゃない。

 本当にこのままだとキリがない。

 どうしようかと逡巡していると、ウリエル様は何かに気づいたようで手を止め、トンネルの奥、前方に向き直ってこんな事を言った。


 「ディーナ!前に行くぞ!」

 「え?ウリエル様?」

 「こっちは放っとけ、急げ!」

 「?? は、はい!」


 後方のモンスター集団を無視し、ウリエル様に従って前方のシャルルとルナ様に合流する。

 こっちはこっちで一時は半分以下まで数を減らしたけど、やはり増援がなだれ込んできている。


 「おお、来たか。」

 「ああ、こっちに集中しようぜ。」

 「で、でもウリエル様、後ろ、迫ってきてますけど!?」

 「大丈夫だろ。任せときゃいい。」

 「へ?」

 「誰に?というか、何を?」


 その途端、入口方面の群れの、最後尾だろうか。

 まばゆい光の後に激しい衝撃がやってきた。


 「え?え?」

 「気にすんな、こっちを片づけるぞ。」

 「え、は、はい!」


 ひとまず目の前の群れを殲滅する。

 4人なら4、50体程度のモンスターは何とかなる!

 そうして、10分程で前方のモンスターは一掃できた。

 あとは後ろ……は?


 「う、うそ……」

 「1体も、いない?」

 「ぜ、全滅させたの!?」

 「え?何が、というか誰が?」


 と、誰かがこっちに歩いてくる。

 暗くてよく見えないけど……二人?


 「いやいや、お前達、かなり強くなったな。」


 と、突然背後に誰かが現れ、そんな事を言った。

 これって……


 「ア、アズライール様?」

 「て、てめぇだったのか!」

 「い、いつの間に!?」

 「ルナ、ウリエル、すまんな、遅れた。」

 「な、何を?」

 「ほッほッほッ、大したもんじゃな。やはり強いの、お前ら。」

 「だ、誰だてめぇ!」


 知らないおじいさんまで!

 え、何?何が起こってるの?

 と、歩いてくる二人が見える様になってきた。

 その姿は……


 「カ、カルロ!?」

 「え?ウソ!?」


 い、いや、違う。似てるようだけど、よく見ると全然ちがった。

 でも、まだ少年、だよね……


 「カルロ?だれだそりゃ?」

 「てか、ねぇちゃん達スゲエな。」

 「き、君たちは?」

 「俺らはそこのじいちゃんに騙されて連れてこられたんだよ。」

 「こんな大仕事だとは思わなかったぜ。」

 「へ?」


 何が何やら、まったくわからない……

 と、アズライールさんは


 「このジジイは悪魔だ。そして、そこの二人は悪魔に騙された可哀そうな子供だ。」

 「このバカ者が。可哀そうなのはワシじゃ。それじゃワシが一方的にワルになるだろうが。」

 「うん?お前は一方的にワルなんだから良いだろう?」

 「何がだ!。」

 「おい、ジジイ、お前もしかして……」

 「うん?やはりウリエルにはわかるかの。」

 「ル、ルシファー……」

 「ルシファー、だと?何だそれは。」

 「マコーミックよりも高位の、有名な大悪魔だ……」

 「悪魔!?」

 「じゃ、じゃあアズライールさんも悪魔なの?」

 「あー、私はその逆だな。私はウリエルと同じだよ。天の使いだ。」

 「何だと?」


 「なー、ねぇちゃん達が“でぃあまんてす”ってやつか?」

 「そ、そうだけど、何で知って、っていうか、なんで君たちはここに居るの?」

 「まー理由はねぇちゃん達と同じだよ。モンスターを殺しにきたんだよ。」

 「そ、それって、君たちが?」

 「ああ、俺たちは強いんだぜ!」

 「こんなモンスターなんて屁でもないさ。」

 「へ、へぇー……」


 とりあえずピンチは脱した、のかな。

 というか、この状況をまず何とかしないとね。

 頭は混乱したままだ……

 

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