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そんな私はヴァンパイア  作者: 松栄
第4章 モンスター討伐編
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第70話 帰ってきたらこの世界の素晴らしさを実感した

第4章突入!

いよいよディーナとシャルルの二人の活躍が始まる、かも知れません。

 白い霧のようなものが晴れて周囲が見えてきた。

 龍族の里の神殿に戻ってきたんだ。

 完全に白い渦が消えると、目に入ったのは……


 「おかえりなさい、ディーナ。」

 「おかえり、シャルル。」


 お母様達全員、そして兄弟姉妹も全員集合していた。


 「ただいま!って、え?ええ??」

 「みんな、な、なんで?」


 「おかえりお前達、本当にお疲れ様だったな。」

 「トキワお兄様……」


 トキワお兄様は前に出たと思ったら、私達をしっかりと抱きしめてそう言った。

 そのお兄様の目には、うっすらと涙が湛えられていた。


 「お兄様、ありがとう……」

 「お兄様……」

 「辛かったろうな、本当に……」


 トキワお兄様にこうして抱きしめられると、やっぱりお父様にそうされているみたいになる。

 でも、お父様とは少し違う、トキワお兄様らしさがあるなぁ。

 

 「話はエルデ様から聞き及んでいました。」

 「お前達、辛かっただろう。さぁ、もう、ゆっくりと休もう。」

 「ルナ殿、ウリエル殿、ホンにご苦労じゃったの。二人には感謝してもしきれぬな。」

 「いや、こちらこそ感謝しなければな、エルデにも、マリューにもな。」

 「ああ、アタイらは苦労以上の宝物を手に入れたようなもんだしな。」


 『ほんとうに、ありがとう。ディーナ、シャルル。』

 「エルデ様?」

 『ルナ、ウリエル、あなた達も、そして、あなたも。』

 「「 え? 」」

 「て、てめぇ!」

 「なぜ貴様がここに……」

 「ああ、帰ってくるのを確認しにきただけさ。他意はない。おかえりディーナ、シャルル。」

 「アズライール様。」

 「では、な。また後でな。」


 アズライール様はそう言うと消えた。

 本当、一体何者なんだろう?

 お父様と同じ雰囲気も感じられるし、ルナ様やウリエル様とも似たような感じだし……


 「まぁ、とにかくじゃ、今宵は宴じゃ。お前達の帰還を家族全員で祝おうぞ!」

 「食事とお酒は極上のものを取り揃えましたよ。存分にご堪能ください。」

 「マコーミック様まで。」

 

 帰ってきたんだ、そう実感する。

 さっきまで感じていた圧迫感というか嫌悪感というか、嫌な感じが一切感じられない。

 この世界はやっぱりあっちとは全然違う、とても気持ちが安らぐ世界なんだと心から思った。

 でも、それはコアがあるから、なんだろうねきっと。


 もう、二度と行く事のないであろうあっちの世界。

 思い出もたくさんできたし、何よりとても濃い時間を過ごして、修行という目的も、お父様の進むべき道を開く事もできたと思う。

 私達は、かけがえのない時間を過ごせたんだ。

 そう思うと、自然と涙が流れた。

 この涙の意味は、色々有りすぎて正直解らないけど、止める事すら勿体ない、とても大切なものって思えた。

 そうして、龍王城へと向かったんだ。




 「しかし、本当に変わったなお前達。もう、兄弟姉妹の中じゃ二人は別格だろうなぁ。」

 「もしかして、トキワ兄より強くなったんじゃない?」

 「なんか、魔法力もアタシより強力な感じだよねー。」

 「ところでさ、アンタ達、“覚醒”ってできたの?」


 あっちでの出来事、私とシャルルの変化、そんな話で兄弟姉妹で盛り上がった。

 実質半年ちかくにも及ぶあっちの旅の事は、話が尽きない。

 あっちの世界のお父様の事も話したんだけど、みんなそこだけは羨ましいって言ってたな。

 まぁ、そうなんだろうけどね。

 そして、カルロの事も。

 どうしても、カルロの事を話すと泣いてしまうんだ。

 だから、あまり話したくはないけど、話さないといけないと思ったんだ。

 カルロの事を、みんなに知ってもらいたい、みんなと思い出を共有してもらいたいと思ったから。




 「ひとまずこれで私達も安心ですわね。」

 「そうだな。しかし、あれだけ強くなるとは思わなかったがなぁ。」

 「もはやあの二人は、タカヒロ様の力を超えていますね。」

 「しかし、お主らもたいへんじゃったであろう?本当にご苦労じゃったな。」

 「なに、それほど苦労はしていないさ。しかしな、私とウリエルにしてもいい経験にはなった。」

 「そうだな。アタイらもこの世界の凄さを再認識できたしな。」

 「あっちって、そんなに酷いの?」

 「ああ、カスミとサダコならわかると思うが、お前達の居た元の世界、それがあのまま悪い方向に進んだような世界だ。」

 「うぇー、それって……」

 「本当なら、あの二人には見せたくは無かった世界だぜ。でもよ、そのお陰で覚醒できたし、その先にも進めるようになったんだ。」

 「その先?」

 「あの二人、もはやアイツより強いしムサシをも軽く超えるぞ?もしかすると今のエイダムすら凌駕するかもな。」

 「それってもう、無敵じゃん!」

 「まぁ、あくまでその先に到達できれば、だがな。今はまだそこまでは行けていない。」

 「アルチもシャヴィも、これで肩の荷がおりたというか、安心できるよね。」

 「はい。とはいえ、これからどうするんでしょうね、あの子たち。」

 「何となく、何を言い出すかは想像がつくけどな。」

 「ま、何はともあれ、飲んで騒ごうじゃないか。あの子達を労う為にも!」

 「姉さまは飲みたいだけみたいだな……」


 宴は夜通し続いた。



 ―――――



 「良かったのですか、あれで。」

 「ああ、私が居てもシラケるだけだろうさ。それにしても、お前にも気苦労かけたようだな。すまん。」

 「いいえ、私は好きでこうしてかかわっているんです。苦労など気になりませんよ。」

 「そういえば、お前の同類はどうしたんだ?」

 「あの方は今、自由気ままにあの子供達の世話をしていますよ。最近あまり動向を掴めていませんけれどね。」

 「アイツ、私を見るとすぐに喧嘩を売ってくるしなぁ。苦手なんだがな。」

 「ご冗談を。それだけ貴女様と仲が良いという事ではないですか。」

 「やめろ。私とアイツはそんな関係じゃない。遥か昔は対極に存在する敵同士だったのだからな。」

 「確かに、しかしそれを言うのであれば、ルナ様とウリエル様の関係も同じではないですか?」

 「あー、まぁそうかもしれんなぁ。」

 「ただ……」

 「うん?」

 「あの方、ルシファー様もやはりこの世界の行く末を憂いています。その為の子供達の世話、なのでしょう。」

 「そうかも知れないな。さて、私はもう行く。少し休むとするよ。ではな、マモン。」

 「はい。また後程、アズライール様。」


 アズライール様も心配なのでしょうね、この世界の行く末、そしてお二人の事が。

 それは無理もない事かもしれません。

 なにせアズライール様の一部は、あの方そのものなのですから。


 しかし、ディーナ様とシャルル様のお二人が無事帰ってきた事で、少しは未来に明光がさした、というのは実感できたのでしょう。

 ルシファー様もそれを理解したはず。

 いずれにしても、こんな素晴らしい世界は未来永劫守っていきたい、というのが、かつて天上に住まう者と言われた私達の総意ですからね。


 さて、ディーナ様とシャルル様は、この後どのような形であの子達と出会うのか、少し楽しみではありますね。

 


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