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そんな私はヴァンパイア  作者: 松栄
第3章 修行の旅へ ~もう一つの世界編~
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第58話 失意のアンデス越え

 カルロとお別れしてから、やっぱりこのままにはしておけないので家を綺麗にした。

 壊れた椅子やテーブル、ドア、傷ついた外壁なんかも、できる限り修復した。

 そうして一息ついたところで


 「おい、てめぇいつまでそこに居るんだよ。」

 「まぁそう邪険にするな、心配しなくてもすぐに消えるさ。」

 「というかだな、なぜ貴様がここに居るんだ?」

 「それによ、その気はアイツだろ、なぜてめぇがアイツを……」

 「詳しくはまた後でちゃんと話すさ。それよりも、だ。ディーナ、シャルル。」

 「は、はい。」

 「なんでしょうか?」

 「まずはお前たちに謝らなければな、申し訳ない。」

 「え?」

 「な、何を?」

 「カルロを救えなかった。私はこの世界の事象に干渉できなかったのだ。」

 「え?」

 「あの盗賊集団だったか、奴らが襲った直後に私はここに来たんだ、その時はまだカルロは息をしていたよ。」

 「……」

 「だが、だ。治癒の力は発動しなかった。できたのはあの子の魂を実体化させることだけだった。」

 「それって、もう死んだから干渉できたって事か?」

 「そうだ。生きている者には干渉できないらしい。これは私の誤算だ、済まなかった。」

 「い、いいえ、そんな事はないです。」

 「最後に会わせていただいただけでも、むしろ感謝します。」

 「そう言ってもらえると少しは救われる。」

 

 でも、なぜアズライールさんはここに居たんだろう?

 そう聞くと


 「お前たちの事が心配でな、付いてきてたんだよ。とはいえ、遠くから見てただけなんだがな。」

 「けッ、つまり野次馬かよ。」

 「あー、まぁそれと変わらないかもな。否定はしないよ。」

 「で、貴様はそのまま私達についてくる気か?」

 「いや、私はこのまま先にあっちへ帰るよ。もう心配ないみたいだからな。」

 「心配ない、ですか?」

 「ああ、ディーナもシャルルも覚醒した。単純な戦闘力ならもう父親を超えている。」

 「え?」

 「ただ、な。まだこの先があるんだが、そこに到達するのも時間の問題だろうさ。」

 「貴様、何を何処まで知っている?」

 「それについても後で話そう。今言える事は一つだ。」

 「何だと?」

 「二人とも、こちらの世界の辛い所、悲しい所はまだまだこんなもんじゃない。だからな、挫けるな、前に進め、そしてそれらを忘れるな。」

 「勝手な事言いやがって、てめぇは何様のつもりなんだ!?」

 「それもいずれわかるさ。じゃあ私は行くよ。ルナ、ウリエル、すまないが二人を頼んだよ。」


 そう言い残して、アズライールさんは消えた。


 「何だってんだあいつ。」

 「まぁ、敵ではないんだろうが、な。何かすっきりしない。」


 名残惜しいけど、私達はカルロの家を後にした。

 きっと、いつしかここにはまた人が集まって、集落、あるいは村を作るんだろうな。

 その時、あの家がそのまま残ってくれればいいな。

 カルロとおじいちゃんが暮らしていた家なんだもの。


 これで、あとはもうラディアンス王国のある大陸へ帰るだけ、なんだけど。

 ひとまずはカルメンに立ち寄ることになるけど、少しルートを変えた方が良いってルナ様は言う。


 「死体は残っていないが、血の痕なんかが残っているしな。まして盗賊集団がいた場所から何事もなく来たとなれば、怪しまれるだろうよ。」

 「そう言われればそう、ですね。」

 「幸い、北側にもう一本街道がある。ちょっと険しい道だがな。」

 「馬さん達は大丈夫?」

 「ブルル!」

 「あはは、まかせとけ、だってさ。」

 「ディーナ、あんた馬さんと話せるの?」

 「ううん、そう言っているような気がするだけ、かな。」

 「ヒヒン!」

 「そ、そうなんだ。」


 山を回避するように、北側にもう一つカルメン方面に通じる細い街道が伸びていた。

 ウリエル様の情報ではこっちの街道はあまり人も通らず、途中には村があるらしいけどかなり閉鎖的な村らしい。

 ただ、それ故に盗賊なんかはあまり出没せず、村も襲われる事もないんだって。


 私達は言葉少なにその街道を進んでいく。

 やっぱり気持ちは落ち込んでいるし、色々と考えてしまうのであまり話もできない。

 そうして進む事一昼夜、そろそろ村が見えてくる頃だとウリエル様が言ったんだけど……

 なにやらその村周辺が騒がしい感じがする。

 と


 「襲われてる!」

 「あれ、モンスター?」

 「うん?あのモンスターは……何だ、あれは?」

 「と、とにかく、助けないと!」

 「う、うん!」


 私達はモンスターの集団へと飛び込んでいったんだ。


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