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そんな私はヴァンパイア  作者: 松栄
第2章 修行の旅へ ~デミアン王国編~
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第27話 試練の森、クリア!

 試練の森9日目の朝。

 満身創痍の私達だけど、気力は漲っている。

 少し体を動かすのが辛い、というのはあるけれど、それが何故なのかと調べる事も始めた。

 自分の体を理解する、というのもこれからは必要なのかも、と思ったからだ。


 「さて、最後の追い込みだね。」

 「うん、でも、ちょっとは強くなったのかな?」

 「ちょっとは、ね。じゃなきゃ今までが無意味だろうし、ね。」

 「ふふ、そうね。」

 「じゃ、行きますか!」

 「うん!」


 訓練のメニュー自体は変わらない。

 ただ、その内容は濃くなっている。

 走り込みは持久走なんだけど、ほぼ全力疾走に近い。

 緩急をつけて、ジョグとダッシュを繰り返す。

 

 その間にも襲撃者の襲撃は止まらない。

 昨日から襲撃者は10人に増えていたし、中でもあの人ともう一人は強敵だった。

 でも、攻撃を受けることは無くなった、と思う。

 むしろ、複数人からの攻撃を避け、流し、時には反撃をする。

 一回の襲撃の時間が物凄く短くなっている気がした。

 相手はヒットアンドアウェイ、というのか、一撃離脱を基本戦術へと変えたみたいだ。


 そんな9日目を終えて、ゆっくりと月を眺めながら休んでいる時の事。


 「もう、明日が最終日だね。」

 「長かったような早かったような、いえ、早かったわねー。」

 (なぁ、お前たち結局攻撃魔法とか殆ど使ってないな。)

 「そう言えば、そうですね。」

 (キミたちの魔法の力も、かなり向上しているはずだよ?)

 「そうなんですか?」

 (ああ、基礎能力が上がってるってことは、全体的にレベルアップしてるってことだからな。)

 (とはいえ、キミたちがあの襲撃者に魔法を使うと大変な事になりそうですから、使わない方が良いのでしょうか?)

 「そんなに、なんですか?」

 (あれだ、明日試しに使ってみるといいんじゃないかな。襲撃者に直接はマズイだろうから、威嚇で。)

 (今ならその余裕もあるんじゃないですか。)

 「そう、ですね。一度試してみたいと思います。」

 (ディーナは前にサラマンダの補助を受けただろ?あの感覚は覚えてるか?)

 「はい。」

 (それをおさらいしてみようぜ、忘れないようにさ。)

 「はい。」

 (シャルルにはボクがそれを教えるよ。要素は違うけど基本は同じだからね。)

 「ありがとうございます、ムーン様。」


 この日はそうして就寝した。


 そして迎えた最終日。

 走り込みを始めた所で早速襲撃者が来た。

 昨夜フェスタ―様が言ったように、襲撃者のいない所に威嚇の為火と水の魔法を放つ。

 シャルルも同じように風と火の魔法を繰り出した。


 結果、試練の森の一部は地表が抉れて木々が消滅してしまった。


 「ええー!?」

 「ちょ、ちょっと、これ!?」

 

 もう、ビックリだ。

 というより、怖いよ、これ。


 「あ、あの人達は!?」

 「大丈夫かな、ね、ねぇ、探そ!」

 「う、うん。」


 どう考えてもこれはやりすぎちゃったみたいだ。

 周囲を調べたんだけど、襲撃者の人達の姿が見られない。

 ちょっと、焦る。


 と、土砂の中から襲撃者の人たちが這い出てきた。

 どうやら咄嗟に防御魔法を展開して伏せていたみたいだ。


 「だ、大丈夫ですか?」

 「ご、ごめんなさい、あの!」


 ゆっくりと立ち上がる襲撃者、あの人だ。


 「だーっ!!死ぬかと思った!」

 「ヒエン、ちょ、出してよー!」

 「キッカ、お前何お尻だけ出してんだ!」

 「いいから、早くぅー!」


 ぶ、無事、みたいだね。

 他の人たちももそもそと起き上がってるし。


 (あちゃー、やりすぎちゃったな。)

 (こ、これほどだったとは)

 「あ、あの、フェスタ―様、これって……」

 (あー、とりあえず魔法は止めといた方がいいな、訓練の時は。)

 (もう魔法に関しては殆どタカヒロに届いてますね、コレ。)

 「ねえ、ディーナ。」

 「うん。」

 「後で人が居ない所で練習しないと、だね。制御も含めて。」

 「そう、だね。」


 結構な音と衝撃が響いたみたいで、エイダム叔父様とエヴァ様がすっ飛んで来た。


 「こ、これは……」

 「魔王様、これはあの時と同じ……」

 「「 ご、ごめんなさい!! 」」

 「あ、ああ、ともかく、二人とも無事で良かったのである。あ、あいつらは……」

 「魔王様、こちらに。」

 「おお、ヒエン、無事であったか。」

 「他の者も、何とか生存しております。が……」

 「が?」

 「もう、この方たちの相手は辞退します、もう、イヤです。」

 「そ、そうであるか……」


 そんなこんなで、試練の森は一時使用不能になってしまったので、これにて試練は終了となってしまった。


 「ま、ひとまずこれで終了、ではあるか。しかし……」

 「「 ?? 」」

 「二人とも、見違えたのであるな、うん。」

 「そ、そうなのですか?」

 「私達、少しは強くなれたんでしょうか?」

 「す、少し、は強くなったと思うぞ、うん……」

 「魔王様!」

 「叔父様!」

 「がしかし、これ程とはなぁ……。まぁ、一度宿へ戻り、リフレッシュすると良い。その後魔王城まで来るのだぞ。」

 「「 はい。 」」


 ともかく、これで試練は終わり、一旦宿へ戻って10日ぶりのお風呂に飛び込んだ。

 しっかりと汚れを落として、お風呂から上がり身支度を整えてから、魔王城へと足を運ぶ。

 叔父様の執務室に入ると、エヴァ様とアベルも居た。


 「さ、とにかく試練の森を無事終えた事、ご苦労であったな。」

 「本当に、二人とも大きく変わりましたよ。自信を持っていいと言えますね。」

 「姉ちゃん達、ホントに強くなったね、見ただけでわかるよ。」

 「で、今後の事であるが」


 「あの、叔父様、一つ、お願いがあるのですが……」

 「うん?何であるか?」

 「えーっと、体術の基本をご教授頂けないでしょうか?」

 「ああ、なるほど、それを理解できたか。」

 「はい、あ、いいえ、それは教えてもらいました。ですけど、痛感したのも事実です。」

 「ま、経緯はどうあれそれを理解できたのであれば良いのだ。で、だ。」

 「はい。」

 「お前たちにはこの後ロプロスへと行ってもらうのだが、その前にその体術の修練をしようぞ。」

 「ありがとうございます。」

 「であるからして、ロプロスへの出発は一週間後としよう。ひとまず今日はゆっくり休んで、明日から修練であるな。我が直々に指導しよう。」

 「はい。」

 「じゃあ、姉ちゃん、今日はあそこ行ってその後休もうよ!」

 「アベル、貴方は今日はお休みではありませんよ?」

 「母上、あそこへ行くまで、で良いのでちょっと時間をください!」

 「もう、仕方ありませんね。」

 「えへへ、ありがと。じゃあ、行こ!」

 「あそこって?」

 「新作を食べに行くんだよ!」


 こうして、試練の森での修行は終了となったんだ。

 

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