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そんな私はヴァンパイア  作者: 松栄
第5章 次世代の勇者達 編
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第106話 トンネル、いや、ダンジョンの攻略開始!

 「ご馳走様!旨かったー!」

 「ご馳走様でした!オレマジ腹いっぱいだ!」

 「これ、はしたない。」

 「うふふ、満足してもらってこちらも嬉しいですよ。」

 「マスミ姉ちゃんのご飯旨いよ、俺、大好きだ!」

 「じいちゃんのメシより何百倍も旨いよ。」

 「お前ら、それはどういう……」

 「ま、ジジイの料理は知らんけど、何となくそんな気はするな。」

 

 朝ごはんを頂いて、皆でそんな感じでゆっくりしていた。

 今日はいよいよトンネルへ向かうんだ。

 昨夜のうちに大まかな作戦を立てて、それぞれの役割を決めた。


 先行班は私とルナ様。

 中核というか本隊はシャルル、タカ、ヒロ、アズライール様。

 殿をルシファー様とウリエル様だ。

 戦闘が始まればウリエル様はワールドに入るから、ヒロがバックアップに付く。


 前回の戦闘ではモンスターが誘い込むような戦術を使ってきたし、今後はもっと狡猾な手を使ってくる可能性もある。

 それに、光が一切ないトンネル内だと、特にフェスタ―様の魔力消費が激しいので長時間の行動は難しくなる。

 この配置はそれをも考慮した速攻型の陣形だ。


 ところで。


 「ねぇ、タカとヒロって武器は所持してるの?」

 「そういえばココに来た時も持ってなかったよね。」

 「あん?俺達の武器?」

 「これの事か?」


 と、なんとその手に剣が出現した。

 特に何の特徴も無い様な、鋼でできた剣だ。

 でも


 「それって、もしかして……」

 「ああ、コレな、魔力を注ぐと変化するんだよ。」

 「そうすっとな、鉄も簡単に切れるんだぜ、すげえだろ?」

 「そ、そうなんだ……」

 「つーかさ、姉ちゃん達の剣も相当なもんだよな、それ。」

 「うん、コレより強力な感じだよな。」


 ワールドが普通の武器じゃないってのはやっぱり判るのね。

 というか


 「元々この武具は君たちのご先祖様が造ったものだよ?」

 「あー、ムサシだっけ?」

 「その人が初代勇者なんだろ?」

 「あんたたち、そういう所聞いてないの?」

 「そーだな、あんまり興味ないしな。」

 「オレらはそういうトコ気にしないし。」

 「そ、そうなんだ。」

 「だけどよ、俺達のこの剣はさ、タカヒロって人が打ったって言ってたぜ?」

 「え?」

 「お父様が?」

 「じいちゃんが言ってた。」


 お父様が剣を造った、なんて話は聞いたことがない。

 かなり器用で何でも作っちゃうって事は知っているけど、剣や防具を、というのは無かったはず。

 何よりそういう武器はあまり好きじゃなかったはずだもんね。


 「ま、まぁ、それはともかく装備はちゃんとあるのね。」

 「ああ、防具も同じように出せるしな。」

 「ていうか、普段何処に仕舞ってんの?」

 「ん?知らね。」

 「出ろって思うと出てくるし、要らねってなると消えるんだよ。」

 「へ、へえー……」


 そんな事を話しつつも、準備は滞りなく済んだ。

 するとマスミお姉様が良いものをくれた。

 

 「ばってりーらいと?」

 「うん、これね、ウチの秘宝の一つでね、お父様が試しに作ったものだよ。」

 「これって何にどう使うの?」

 「簡単に言うとね、懐中電灯の強化版というか進化版だね。」


 電気が使えるとは言っても、発電機はそれなりに大きいので持って歩く事はできない。

 なので、夜道で明かりを灯すのは松明かランタンが普通なんだ。

 サーチライト、というのもあるけどけっこう大きくて重たいから持ち運びはできないんだよね。

 まして、夜中にそんな暗闇を闊歩する人間はそんなにいないし、私達魔族の中には夜目が利く者が多いから。


 と、試しにスイッチを入れてみると……

 白い光が輝いた。

 どうも超小型の発電機を仕込んであるらしく、明かりを灯す部分はアーマーから取った“えるいーでぃー”とかいう素子を使ってるとか。

 ちょっと、そういう所はよく分かんないけど。


 「聞けばトンネルの中って光の要素がゼロなんでしょ?

 そうするとフェスタ―様の魔力消費もバカにならないはずだからね、少しでもそれを軽減できればさ。」

 「なるほど。」

 「ありがとうお姉様。」

 (おお、これはイイな。オイラの負担もほとんどなくなるな、コレ。)


 「さて、準備も整った事だし、行くか。」

 「で、トンネルまでどうやって行くんだ?シャルルにこんだけの人数乗らねぇだろうよ。」

 「なに、ワシが連れてく。一瞬じゃて。」

 「ジジイ、便利だな……」

 「あ、あの、ルシファー様、その術って私でも覚えられますか?」

 「ああ、ディーナならすぐ理解できるじゃろ。後で教えてやろう。」

 「ありがとうございます!」


 食料は1週間分準備した。

 武器防具は問題ない。

 バッテリーライトっていう道具も手に入れた。

 日用品や、一応着替えなんかも。

 バッグ一つで済むのは本当に有難いなぁ。


 「じゃあ、行ってきますお姉様。」

 「ひとまず一週間で帰ってきます。」

 「マスミ、留守は頼んだぞ。」

 「エルウッドと待っててくれな。」

 「う、ウリエル様!」

 「あはは、まぁ、行ってくるぜ。」

 「もう。はい、行ってらっしゃい。」

 「ふむ、では、行くかの。」


 こうして私達は一瞬で前回突入したトンネル入り口にやってきたんだ。

 前回あれだけ不穏な雰囲気をまき散らしていたけど、今はそんな事もないみたいだ。

 ただただ、先が見えない暗闇が口を開けているだけだった。


 「それじゃ、行きましょう。」

 「では、打ち合わせ通りだな。私とディーナが先行する。それぞれの間隔は30メートルが目安だ。」

 「なぁ、シャルル姉ちゃん、俺らは明かりがないけど大丈夫なのかよ?」

 「えーっとね、一応バッテリーライトは私が持つからね、それにフェスタ―様の魔法も光の要素があれば前回より広範囲に展開できるんだって。」

 「へぇー。」

 「あ、オレあとでそれ教えてもらおう。」

 「もっとも、シャルルは夜目がかなり利くのでしょう?」

 「そうですね。少しでも光があれば問題なく見えますよ。」

 「アズラさんは全然見えるんだろ?」

 「そうですね、私は問題ありません。」


 「で、殿はいいとしてジジイ、何だよその瓢箪の束は?」

 「これはな、ワシのエネルギーの源じゃ。気にしてはいけない。」

 「……ま、いいけどな。」


 こうして私達は、再びトンネル内へと突入していったんだ。

 驚愕の事実が待っているとも知らないままに。

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