召使いの仕事
「とうちゃ~く。ここがあたしの、一流の貴族の部屋よ。三流貴族は入れるだけで最高の栄誉と思いなさい」
「はあ・・・・・・ありがとうございます」
俺は初めて同世代の女の子の部屋に入った訳だがあまり感動はしなかった。なぜなら部屋がものすごく散らかっているからだ。
部屋自体は俺の部屋がベッドと机と椅子があったらもうほとんど物が置けないくらいの狭い部屋なのにエリザベスの部屋は町の宿屋の寝室よりも広くそしてその広大な床に脱ぎ散らかした衣類が散乱していた。
「ていうかここ女子寮じゃなくて迎賓室ですよね?」
「元はそうかもね。でももう今は違う。あたしの部屋よ。ここに来る前に少し手直しもしたしね」
なんてやつだ。本当にコイツはやりたい放題だな。
「あたしこれからちょっと寝るから部屋の片づけと机に置いてある手紙を教務課に出しといて。当り前だけど中身は見るんじゃないわよ」
「はい」
言われなくたってお前みたいなサド女が誰に手紙出そうと興味ないんじゃい!
「ふわぁ~先に手紙を教務課にもってけな。あたしちょっと着替えるから。間違ってものぞこうとするなよ。のぞいたら目ん玉抉り出す」
「はい、十分時間をかけて教務課に手紙を届けます・・・・・・」
のぞこうなんて元より考えてねーよ。あとが怖いからな。
「後寝ているあたしを起こさないようにベットの天蓋の埃を掃除なさい。いいわね?」
「え、そんなのどうやってやるんですか?」
「知らないわよ。あんたが考えて」
何言ってんだこいつ。そんなの無理だろ。俺がまごついているとエリザベスは気を良くした。おそらくは俺にお仕置きして遊ぶための口実づくりだろう。そこは大人しく寝とけよ!
「さあほら。アンタがいると着替えられないわ。方法は手紙を運びながら考えればいいでしょ。それ早く行った、行った」
「はい」
俺は机まで行って手紙を取るとエリザベスの部屋をあとにした。