初めての冒険者ギルド
初めての手紙を交わしてから6年の月日が流れた。あれから2人は互いに距離を縮め偶に互いの家に泊まりに来る事もあった。この世界は成人は15歳からなのでそう言う行為はしていないが、2人とも気づきはしていた。
そして今日はアルフェリスが10歳を向かえていた。アルフェリスは家族から祝われている途中だった。
「アル~、これは私からよ~」
アリシアはアルフェリスに家紋入りの防具を渡した。
「わぁ!母様ありがとうございます!」
「ふふ、喜んでくれて嬉しいわ。それはね、皮はボルテックスの皮とミスリルの防具で更に、耐久力と防御力を上げる術式が埋め込まれているのよ~」
渡された防具は冒険者を始めるのに十分すぎる程で、なんなら、A級までまでなら難なく動けるレベルの防具だ。
ボルテックスは地竜型の魔物でトカゲを大きくしたみたいな見た目だが、危険度はA級と高い。
ミスリルは耐久力と防御力が高く希少性が高いものだが一般にも買えるものだ。
この世界の冒険者はランク制度でF.E.D.C.B.A.S.SSランクまであり基本的な戦力は同等のランクの魔物ならば何とか倒せるレベルだ。ランクを上げるには冒険者ギルドから出されている依頼をクリアし、信用を得ることが出来れば上がることができる。しかし、Cランクからは昇格試験がある。試験内容はギルド別だ。
そしてアーベルトからのプレゼントだ。
「私からはこれをやろう」
渡されたのはアーベルトが昔に使っていた愛剣"キキリ"で、両刃で1メートル程の長さだ。それは、昔に名を馳せた高名な鍛冶師がアーベルトに向けて打った剣で、今でも色褪せていない。
「本当にいいのですか?父様。大事になさっていたのでは無いですか?」
「良いのだ、剣は使われるためにある。それにこれは前から決めていたことだ」
アーベルトやアリシアはまだアルフェリスから冒険者になりたいと言われていないが、この家では10歳から冒険者の活動を許可しているのだ。
そんな風習から言われれる前にアーベルト達はプレゼントとして一式を渡したのだった。そして最後にワトリスからだが、貴族の学校に居るためこの場にはいないのだ。長男は絶対に行かなくては行けないのだ。ワトリスの代わりにアーベルトが言った。
「ワトリスからだが言葉と物を預かっているから渡すぞ」
そう言うとアーベルトはアルフェリスにワトリスからの贈り物の箱が手渡された。
アルフェリスは箱を開けた。そして中にはペンダントと手紙が入っていた。
「これは...」
そう言うと手紙を手に取り読んだ。
"アルフェリスへ
10歳の誕生日おめでとう。
アルは前に家に戻った時に冒険者になりたいと言っていからこれを送ります。
これは、魔力を貯めておいて必要な時に取り出すことができるペンダントだ。
俺は危険な冒険者にはなりたくないから、親父の跡を継ぐことにしたので安心して励んでな。まぁ、あと一年で帰るけどな。それまで元気でな。
追伸
学校行くではダンジョンに入る授業もあるからそれはその時に宝として出てあるにやるって決めたし、そこで冒険への道は折れたよ。
ワトリスより"
召喚士として魔力は生命線とも言えるので少しでも貯金できる物は宝と言えた。
「こんないいものくれたんだ、、、。相当レアだろうに」
ダンジョン品はゴミが多く、宝が出てくる可能性も低い。
アーベルトもいい評価だった。
「ほう、これはいいものだ。数値的にいえば2000位はためれるだろう」
「そんなにですか!」
この世界の平均魔力は4000-5000なので平均の半分くらいは貯めれる計算なのでとてもすごい量だ。
「ああ、大切にするといい」
「はい!」
アルフェリスは返事をして改まってアーベルトに言った。
「父様、私も10歳となりました。この装備で、冒険者になる事をお許し下さい」
アーベルトは頭を下げるアルフェリスにすぐに砕けた口調で言った。
「おう、行ってこい」
アルフェリスはパァっと明るくなり元気に返事をした。
「はい!」
そうしてアルフェリスの誕生会は終わり、イリアスに向けて今日あったことを手紙にして出したのだった。
そして次の日、誕生会で貰った装備を着て冒険者ギルドへと自分の足で向かった。順当に着き冒険者ギルドの中へと入った。
中は冒険者がワイワイと話していたり、朝から酒をグループで飲むものや、依頼書が貼ってあるボードを見ている人など様々な人がいた。
そんな中をアルフェリスは前へ進み、受付へと行き、前に立つと受付嬢に話しかけられた。
「ようこそ冒険者ギルドへ、見ない顔ですが、登録ですか?依頼の受理ですか?」
アルフェリスは言った。
「登録でお願いします」
受付嬢は座っていて顔を見ていなかったが、用紙を取りに立ち上がり初めて顔を見ると少し動揺した。アルフェリスは10歳であるが160cmであどけなさは残るがいい顔立ちをしていたのだ。
「は、はい承りました(うわ!イケメン少年だ!)。冒険者の登録は初回なら無料ですが初めてでしょうか?また、説明入りますか?」
アルフェリスはよくアーベルトから冒険者のことを聞かされていたので、大丈夫だった。
「初めてですが、よく父から説明は受けていたので大丈夫です」
「かしこまりましたでは少々お待ちください。(イケメンの上に言葉使いもいいとみた!好物件だわ!」
そんなことを思って用紙を取りに立ち上がり、数秒後席に戻り用紙をだして言った。
「では、適性ランクなどを測る前にこの用紙にお名前とメインのジョブをお書きください。また代筆が必要でしたらお申し付けください」
習字率が低いので代筆を提案したのだ。
「わかりました。ですが自分でかけますので代筆は大丈夫です」
「はい」
そうして、自分の名前とメインジョブ、召喚士を書いた。
「はい、かけました」
そうして受付嬢へと書いたものを渡した。
「はい、ありが...とぅ。。。。」
途中で止まったのでアルフェリスは聞いた。
「なにか不備がありましたか?」
「い、いえ、、お名前にお間違いはありませんか?」
そう聞かれ、アルフェリスはピンと来たのだ、貴族の名前を勝手に使う事は犯罪行為に当たるのだ。
「ないですよ。あぁ、証明はこの防具の家紋でいいですか?」
「は、拝見し、、いたします」
そう言うと受付嬢は家紋をまじまじとみて、頭の中で結論を出した。本物だと、家紋というのは血縁の者にしか渡さず、威光を他人が見せる時は、家紋のものに横線が二本入っている。がアルフェリスのものに当然そんなものは無い。
そして受付嬢は態度を改めて謝罪した。
「も、申し訳ありませんでした!部屋をご用意、、いえ、ギルドマスターを!」
アルフェリスは人の目が集まっていることを察して受付嬢に言った。
「お、落ち着いてください。僕は確かに領主の息子ですが、今はただの冒険者登録をしに来たただの一般人です」
頭がぐるぐる回っている受付嬢には届かない。そしてそうこうしているとギルドマスターが二階の部屋から出てきた。
「おいおい、一体なんの騒ぎだ!?」
そしてギルドマスターがアルフェリスを見ると言った。
「なんだ、坊ちゃんか。そういや昨日誕生日だなんだと#あいつ__・__#が騒いでたな」
あいつというのはアーベルトの事である。ギルドマスターはアーベルトと一時期冒険を共にしていたので親しいのだ。
「まぁ大体はわかる、悪いな。そいつは新人でな、おーい、ディスト!変わってやれ」
それだけ言うとギルドマスターは元の部屋へと戻り最初の受付嬢は別の部屋へと運ばれて行った。
ディストと言われた人は長くギルドで働いている人で、受付業務も慣れている。
「はーい、お騒がせしました。問題ございませんので、こちらの紙に血を一滴垂らして頂くと登録は完了でございます。本日発行はできないため明日以降にお受け取りにこられてくださいませ」
「わかりました」
そう言われるとアルフェリスは指の腹を噛んで1滴紙に落とし回復魔法で傷を直した。
「はい、これで完成でございます。また後日お待ちしております」
そう言われると、「ありがとうございました」と言ってギルドを後にした。
その後にギルドには貴族のボンボンが冒険者になったと話題になった。
「はぁ、やっぱり目立つなぁ」
そうボヤいて家路にとついたのだった。
そしてその後にアリシアにどうだった?どうだったと聞かれさらに疲れるのだが、今はまだ知らない。
ありがとうございました