ステータス
あの騒動から1年が経ちアルフェリスは言葉を覚え始めていた。そしてよたよたと歩きながらアリシアの元へと歩いている。
「まぁ〜、まァ〜」
そしてたどり着くとしゃがんでいるアリシアが言った。
「私がママですよ〜。今日はあなたのステータスを見る日ですよ〜」
アリシアは貴族では珍しくあまり人に頼らずに子供を育てる方針だった。
「あうーたう?」
「そうステータス。神官の方が来てステータスをどうにかして紙に書いて見せてもらうのよ〜」
「あい!」
アリシアは神官の仕事がどうするのか、どうやったらステータスが見れるのかなど一切興味はなく、やり方も知らないし一切の息子に対して言う気も無い。
そんなことを言っていると、メイドから声がかかった。
「奥様、神官の方がお見えになられ、準備が整ったとのことです」
「あら、そうですか、では行きましょうかアルフェリス」
そう言うとアリシアの腕を掴んで立ったままでいたアルフェリスはアリシアが抱っこして移動を始めた。
アルフェリスはアリシアに抱っこされて上機嫌だ。
「あう〜!」
「ふふ、楽しみにしているのかしら?
こちらも楽しみですわ」
数分後部屋に着くとメイドの手によって扉が開かれた。そこにはアーベルトやセバスチャンが来ていた。そして10人ほどいるなかの神官の一人は前に一歩でて挨拶を述べた。
「おはようございます。奥様。本日は息子様のステータスの.....それでは神の采配を拝見致しましょう」
神官は挨拶が長いのでアリシアは途中で顔は作りながらも意識は前に抱えているアルフェリスの方へ向いていたので聞いていなかった。
「ではこの紙のどこでも結構ですので、ご子息様の血を一滴垂らして下さいませ」
ステータスを見るにはその者の血が必要で体が育ってくる1歳からしか見られないものだ。そして紙は2層になっており、表に血を垂らせば裏にステータスの数値が出る仕組みだ。鑑定という無系統に属する魔法でステータスを見ることも出来るが周りは見ることは出来ず、尚且つ簡易的にしか見れない。そのためステータスの用紙は重宝されており神官の前で行われると正式に行ったという記録が成される。
「じゃあアルフェリス〜おてて出して〜」
アルフェリスは手と言うことを理解しており、アリシアの前に手をばっと出した。その手をメイドがサッととり一人の神官がナイフでサッとアルフェリスの人差し指の腹を切りポタポタと血が垂れ落ちる時にもう1人がサッと用紙を下に引いた。
もうその時には最後の神官一人がアルフェリスに回復魔法をかけているのでもう痛くはないのだが、アルフェリスは痛みが、切られる時に激痛がはしりこれでもかと言うほど大きな声で泣いた。
「あ゛ーーーーーーーーーーん」
「おー、よしよし。もう痛くないわよ、もう痛くない、、痛くない」
そう言いながらアリシアは泣きついてくるアルフェリスの背中をポンポンと叩きながら、落ち着くまで背中を撫でていた。アルフェリスももう痛くなく、アリシアにポンポンされているので泣き止んだ。そして疲れたのか眠りについた。
そしてアリシアは寝ているアルフェリスをドアを開けたメイドに渡した。そしてメイドは全員続く様に外へと出ていった。静寂の中神官たちは慣れているのかすっと元の位置に戻り、話が始まるのを待っていた。そして口火を切ったのはアーベルトだった。
「...ワトリスの時もそうだったが、やはりこの時ばかりは気が重いな」
ワトリスとはアーベルトの横にいる3歳の長男の事である。
「ええ、そうね、でもこれはやっておかないといけないことだもの」
アリシアも息子が痛がることをしたくはないがこれは、神官に見せるためでもあるので仕方が無いことなのだ。
そして神官は話を切るようにに行った。
「はい、では旦那様、奥様、これがステータスにございます。しかとこの目でステータスが顕現された事を確認致しました。我々はこれにて失礼致します」
そう言うと、そんなに必要だったのか?と思うほどの人数が一斉に部屋から、屋敷から出ていった。
ステータス用紙は表に向けたまま渡され、神官は内容は見ていない。本来なら見てから、帰るのだが、そこは貴族の特権だ。"見ずに帰れ"が貴族のお決まりである。そしてまたアーベルトが口火を切った。
「はぁ、毎度毎度あの人数でこられてはこちらの費用もかかるものだ。絶対に要らんだろうに」
セバスチャンが言った。
「とれるだけ取りたいと言うのが一番でしょうな」
「そうだが、、まぁしょうがないとするか、、」
「ええ、それがよろしいかと思います」
2人して少しため息を出し、頭を抱えた。神官を呼ぶには一人10金貨、日本円にすると10万円の出費である。絶対に子供が産まれると、呼ばなくては行けないのでそれに漬け込んで貴族位を見て限界まで人を送るのだ。
2人が落ち込んでいる中アリシアが言った。
「まぁいいじゃないですか。それよりもステータスをみましょうよ。私はそれが楽しみで今日は早起きしたんですから」
「あぁ、そうだな」
アーベルトがステータス用紙を裏にすると驚きのステータスがこと細かく書いてあった。
名前:アルフェリス・ド・ビジグッド
性別:男
レベル:1
体力:40/?
力:22/?
素早さ:8/?
知力:26/?
魔力:3060/?
運:80/100
魔法適正
火・風・光・契約・空間・回復
魔法レベル
無系統:0/10
火:0/10
風0/10
光0/10
契約5/????
空間0/10
回復0/10
使用可能魔法
契約/召喚 念話
称号
水の大精霊と契約を交わせし者
種を持つ者
母の愛を貰いし者
身体面のステータスはどれだけでも頑張れば伸びるので誰しもが?の状態だ。また魔法レベルも/10は人族なら極めたものならば6に到達できるかどうかと言った物である。
無系統魔法はこの世界の誰でも使うことができる魔法であるので適正等はあまり関係なく全員にある。
アーベルトが言った。
「...やはり、とんでもない事になっているな...」
アリシアが続けて言った。
「ええ...流石に凄すぎるわ。..」
2人とも驚き言葉を失っていた。
セバスが言った。
「やはり、、称号でしょうか、、、それにステータスが引っ張られているように思いますね」
そう、絶句しているのは、魔力量と称号である。通常では称号は大精霊以外のふたつであり、魔力量は、赤ん坊なら多くて100程度である。適正魔法については平均よりかは多いがいない訳ではなく、全て持っているものも、過去世界に数人存在しており現在も存在している。
そんな飛び抜けたステータスに数分の沈黙は当然だった。そして口火を切ったのは、長男ワトリスだった。
「父様眠いです。。」
この時間は子供はまだ寝ている時間なので眠いのは当然だろう。セバスチャンが正気に戻りワトリスを連れて出ていった。
「貴方、ワトリスってステータス普通だったわよね?」
「あぁ、普通だった..が、私たちに引っ張られてか、契約魔法と魔力は少し高い..と言っても契約レベルは2と魔力は80だったぞ?」
「だよね、、あの子の未来、どうなるのか心配と同時に楽しみですわ」
「あぁそうだな。私もそうだ、契約魔法の使い方は早いうちに教える事にしよう。そっちも教育頼んだぞ。家庭教師は必要な時に呼ぶから教えてくれ」
「ええ、わかっているわ。あの子達は私が育てるって決めたんだもの。頑張るわ」
そういった会話が20分ほど続くと、アリシアは「じゃあアルの所へ戻るから」と言って出ていき、アーベルトも「私も仕事だ」と部屋を出ていき、宝物庫へといきステータス用紙を置いてから、書斎へと足を運び、日常へと戻ったのだった。
時間がある時に文字化け治します。
ありがとうございました