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期待

~side アリシア~


精霊がアルフェリスの手の甲に近づいている時だった。


「え?もしかして、、、契約..?!」


通常赤ん坊の時に契約する事はまづありえない、知恵ある者でも下位の者ならば怖がり契約などはせず興味本位で周りを飛び回るだけだ。しかし、どう言ったことだろう。なんと輝き契約印が手に浮かび上がったのでないか、そして精霊はどこかへ消え、何が起こったかは分からないアリシアは呆然とアルフェリスを見つめ、アルフェリスは興味を持っていたものが消え少しぐずりかけているようだった。数分後アルフェリスが泣き出すとアリシアは はっとなりぼーっとしていた頭を動かし初め、お乳をあげるのを再開した。


「アルフェリス...貴方は..きっと大物になるわね♪!」


そう、アリシアは親バカなのである。

しかし、起こったことを誰にも言わないのはまずいので父親、アーベルトに言うため、アルフェリスをメイドに任せ仕事場の書斎へと向かうのだった。


"コンコン"「あなたー、私です~」


アリシアはあまり書斎には訪れないためアーベルトは何かあったのかと思い少し緊張が走った。


「空いてるぞ~」


そう言われるとアリシアはガチャリとドアノブを回し押した。重く大きい扉がスムーズに開きアリシアが入った。そして部屋の真ん中にある向かい合った右側のソファーに座り言った。


「あなた、今大丈夫だった?」


アリシアは仕事中だとわかっているので一応確認の為聞き、アーベルトが答えた。


「おぉ、大丈夫だぞ。何かあったのか?」


そしてアリシアは先程起こったことをそのまま伝えた。するとアーベルトは驚いたが少し、考える素振りをした。

アリシアはアーベルトが驚きアルフェリスの元へ行くことを予想していたため少し予想外だった。


「...ふむ...確か、、昔に先祖様が同じような事が起こったと、書いてある本があったな、、おーい!セバスはいるか!」


アーベルトは昔の記憶に自信がなくアーベルトの専属執事"セバスチャン"を呼んだ。部屋の前で待機していたのだろうか、すぐに部屋へ入ってきた。

初老のできる執事感がどこからか漏れだしている。


「はい、お呼びでございましょうか、旦那様」


アリシアがいつものように言う。


「まぁセバスさん、いつもながらお早いのね」


「お褒めいただきありがとうございます奥様。しかし、私の事は呼び捨てで読んで下さいませ」


「ふふ、あなたも諦めなさいな」


「根気強く言わせていただきます」


そう言うとぺこりとお辞儀をしてアーベルトの方へと歩いた。

見慣れた光景にアーベルトも一言添えて言った。


「お主らも変わらぬのセバスよ、それでな。先祖様の伝記はこの書斎のどこにあったかわかるか?」


ここの書斎は入って右と左に扉がありその先には大量の本棚の中にぎっしりと大量の本が所狭しと並んでいる。そのためここの書斎の本は一般に小さい町の図書館か少し大きめの図書館位ある為アーベルト本人でさえどこに何がるのかを知らないことが多い。


「伝記でございますか。もちろん覚えておりますよ。貴方様がまだ小さい頃に..」


セバスチャンは1回昔話が始まると長く話す癖がある為アーベルトは打ち切るように行った。


「昔話は今はよいよい、また時間のある時に私が()()()()()アリシアに聞かせてやってくれ」


アーベルトは自身の昔話に対して別に羞恥心など持ってはいない。しかし、自分が聞くのは少し躊躇いがある為自分がいない時にと加えたのだ。


「はい。わかりました」


「楽しみにしていますわね」


「じいの語り部頑張らせていただきます。では取ってまいります」


そう言うとセバスチャンは右の扉に入り数ある中からある伝記の欄からごっそりと全て持って出ていった。


「旦那様これで良かったでございましょうか?」


そう言うと段済みにした国語辞典のような大きさの10冊の本を机に置いた。


「おぉ、そうだそうだこれだ。ありがとうセバス」


「いえいえ、またなにかございましたら、メイドをお呼びください。私はお茶をお入れて参ります」


そう言うとセバスチャンは部屋から出ていった。


「さて、、どこだったかなー、これか?」


アーベルトはアリシアと対面するように座り手探りに自分が思う本を手に取った。


「んー。おっこれだったぞ。えーなになに?」


アーベルトはアリシアに聞こえるように音読した。


"814年 × × ×


月日が書いてないのは許してくれ、わからなかったらぐちゃぐちゃに書くんだ。前のページをめくっても毎日書いてないしわからんぞ。


なぜ書いているのかと言うと、私の30年の人生中で驚いた事が起こったからだ。

なんと末の子供、まだ生まれてまもない赤ん坊になんと契約印が現れたというのだ。私は気付かずに寝ていると妻に起こされこのことを知ったのだ。そして状況を聞くと、寝ていたら眩い光で目を覚まし、見たら契約印だけが残っていた。と言うのだ。今はまだ赤ん坊のステータスや契約者は分からないが、この子には未来が明るい事を願うばかりだ。


この子のことは余り知られたくない為書き足す時は1番最後に書くであろうから、この本の最後のページを見るといいだろう。子孫たちよ、いつなんどきも子供の未来を妨げるような事はするなよ。"


「..最初の× × × はさすが先祖様としかいいようがないな」


同調したようにアリシアが言う


「ええ。あなたにそっくりです」


アーベルトは分からないと重要な文書以外はグチャっと書いてしまうのだ。


「あーっと、最後のページを見てみるか」


「ええ」


"845年 8がつく2のひ


私はこの世界では珍しく61年も病気にかからず生きてきた。しかし、最近になって病気か分からないが、徐々に目が見えなくなり手も震え体力も落ちてきている。これが最後の日記になるだろう。

最後に書くことは、末の子のことを書くと決めていたので、長く書くことにする。


末の子には驚かせた後半の人生だった。生まれた数週間で#火の上位精霊__・__#との契約を成して、5歳の時には上位精霊を召喚するにまで至ったのだ。さすがに驚いた、国に知られれば、宮廷魔導師やお抱えの召喚士に呼ばれるだろう。しかし、私も親だ、この子には自由に人生を選択して欲しかった。そのため外に出る時には必ず私が一緒に行き人の目を気にして動いた。兄弟からは羨ましいがられ申し訳無い気持ちになったが妻がいいフォローをしてくれたようだった。

そして末の子が12の時私は、呼び出し事の重要性を細かく真剣に教えた。そうすると、わかってくれたように頷いてくれた。15の時、成人した時に言われたのが、冒険者になり生きて世界をみたいと言われたのだ。私は背中を押した。家は次男が継ぎ長男は魔導師の道へと歩いている何も問題はなかった。末の子の英雄談は私の耳にも入って来ていた。正直生きている事だけをし知ればそれで良かった。そして、家に時々帰ってきたと思えば、驚く話ばかりだった例えば「契約はどんなやつとしたんだ?」と聞くと驚いた、上位火龍や水龍更には#古龍__エンンシェントドラゴン__#や精霊とも契約をしたというのではないか、私は驚いた、腰を抜かすほど驚いた、しかし、話を聞き酒を一緒に飲んで話を聞き私は感動もしていた。ここまで大きく育ったかと、そして最後にはこう言われた。#試練__・__#へと時が来れば挑戦したいと。私は止めなかった、息子の目を見たからだ。しかし、親ならなば1度は止めるべきだろう。1度入れば抜け出せないと言われているところに行くなんて、、と。ここでも私は息子の背中を押した。行ってこいと。もし死んでも、私が向こうへ先へ行く、来た時には話してくれと行ったら、息子は任せろと言った。力強かった。その後も話は続くのだが、疲れたので、最後に息子から聞いた簡単なステータスはどれもずば抜けていたため書き、子ら(子孫)への言葉をかいて終わろうと思う。


体力7800

力:1220

素早さ:200

知力:75

魔力:100000

運:80


もし、この子のような子が現れた時には、自分が向かう方へ向かわせてあげて欲しい。決して、道を逸らさせては行けない。もし逸らしてしまえば親の責任だと思いなさい。そして15まで育ち成人し道が決まれば背中を押してあげなさい。

私が言えるにはここまでだ。そしてこのページを見ているということは、興味本位か実際に起こった時だけだろう。

成人すればこの下にある()をあげて欲しい。1個しか入れられないため1個しかない。だから絶対に生まれた子に渡して欲しい。

帰還魔法が入った結晶だ帰ってくる場所は取り出した場所に設定するようになっている。いかなる場所に居ようとも1度は帰って来れる。。試練へと向かうはずの子にも渡そうとしたが、受け取って貰えなかったものだ。よく考えて渡しなさい。"


「長いな、、しかしわかったこともあるな。アルフェリスだけではなかったということだ」


「ええそうですね。私たちもあの子の行く末を希望をもって見守りましょう」


話の途中でお茶を入れて帰ってきたセバスチャンも言った。がセバスチャンはアルフェリスが該当する子だと今知ったのだ。そして口にしないことをこころに誓った。


「なんと、そうでしたか。このじいも見守りましょうぞ」


「頼んだぞ。よし、この話は一旦は終わりだ。まだ赤ん坊だ、とりあえずステータスを見るその時までこの話には箝口令をしく。未だ3人しか知りえないことだからな。漏らすんじゃないぞ」


2人は同時に言った。


「はーい」「はい」


そして部屋から出ていく際にアーベルトにアリシアが言った。


「楽しみね」


と、返事をする間もなく出ていった。

ありがとうございました

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