いざ、異世界へ!
「は、はい?」
アセトは反応を見て急ぎすぎたと思い、言い直した。
「あ、ごめんごめん。あなた今の状態わかんないもんね。じゃーこれでわかるかな?」
アセトはおもむろに近づき人差し指を額にくっつけた。
「え?な、、?!」
アセトは口で説明するのが面倒だと思い、状況をまとめた自身の#記憶__・__#を渡したのだった。
「な、なるほど。。えーと、ここは天界でいた世界じゃない所へ宣告を受けて行けって事ですか?」
「へぇ...」
主人公は一気に記憶を受け取り普通なら混乱して慌てるはずだが、ヴィゼットの魂の改変で#天界の魔法__・__#に適応があるのでアセトは少し驚いたのだった。
「あ、あの?合ってますか?」
「あぁ、ごめんね。うんあってるよ?で?
異世界行きたい?」
「も、もちろん行きたいです!」
主人公は老いて死んだのだが顕現する際に体は最適化されているので若い体になっている。そのため若い頃の口調になっているのだった。
「うん、わかった~。じゃあ準備するね~.....あ、ちょうどいいか」
「?」
アセトが管理する世界では魔法や魔物が存在し、"魔力"という物も存在する。魔物は魔力やダンジョンから生まれる。
魔力は潤沢に存在するが、億単位の年月に1度世界が魔力を過剰に放出し、魔物の異常発生を繰り返し、文明を滅ぼしかける事が存在する。その後は魔力が減少し増えるまで時間がかかり、自然にも影響するので、アセトが天界から何かを送り魔力を分け与え均衡を保つことをしている。そして今は、異常発生後1000年が経過しそろそろ魔力を送らないと行けない時期なのだった。
そんな事を知らない主人公は考えているアセトをじっと見つめていた。そうアセトも相当の美人なのだ。ヴィゼットとは違い身長は低いが容姿端麗で万人受けする容姿なのだ。
「んー、ここは、こうして、こうっと
おっけーおっけー。ん?なに?なんか着いてる?」
アセトが目線に気づき主人公に対し言葉を投げかけた。それに対し主人公は頬を赤く染め俯いて言った。
「い、いえ。お綺麗だな、、と」
それに対しアセトはイタズラを成功させた時みたいな笑顔で言った。
「よく言われるよ!」
そんな顔で真正面で言われて落ちない男はいない位の迫力で主人公は更に赤くなりついには顔すら見れなくなった。
5分がすぎた辺りで、作業が終わったのかアセトが話しかけてきた。
「さぁ、こっちの準備はできたよ。次は君だ」
主人公はなにかすることがあるのか?と言わんばかりの顔で顔を見ないように頭をあげた。
「なに?みたいな顔だね。えーっとね、一応ここ(天界)の規則で違う世界から来た人に対しては、平等じゃないって言う理由からなにか恩恵を与えて下界へ送るって事になってるんだけど、特に何かをあげちゃ行けないなんてことはなくて、でも私が許可する物しかダメなんだけど、なにか欲しい物とかして欲しい事とかあったりする?」
少々説明するのが苦手なアセトが口で言ったので回りくどい風になっていた。
それに対し主人公は質問をいくつか上げた。
・なぜ異世界に行くのか?
A秘密だよ
・魔法がある世界だと思っていいのか?
Aうん
・魔法は元から使えるのか?
Aまぁ、ほどほどに数は使えるんじゃない?適正とかもあるし。
・適正とは?
A火・水・土・風・闇・光・契約(召喚)・空間・回復・死
だね、上位互換も存在するやつもあるけど今はこんだけでいいでしょ。あと1個1個の説明はしないわよ、まんまだし。
・元の世界の漫画とかにあるチート能力は存在して、願えばくれるのか?
A 君が考えているようなスキルは存在する。そしてあげることに関しては、構わないが、平等の範囲内になる。強ければ1個とか弱ければ数が多くなるかもね。
・
・
・
主人公は考えれる質問をその後もしていった。
「ありがとうございました」
少し疲れた様な表情のアセトが言った
「いいのよ...それで?恩恵は決まった?」
真剣な顔になり言った。
「契約魔法を世界トップレベルにして下さい!そして僕と契約してください!」
アセトは目を丸くして言った。
「は..??」
対して主人公は無理かなぁ無理だよなぁと諦めた顔で言った。
「ダメですか、、?」
「いや、、ダメっていうか、、そうかぁ、、あの説明じゃそうなるかぁ」
アセトは続く質問に疲れを感じていた。その時に契約の質問になりアセトは半適当に答えていた。
・契約魔法は神様とかもよべるんですか?
えー?まぁ#世界トップレベル__・__#なら行けるんじゃない?まぁ契約できないと意味無いけどね~ ふぁ~(欠伸)
ということがあったのだ。
「あ~言っちゃたもんねぇ..タブン。嘘は良くないよねぇ、、ちょっと上に聞くからちょっと待って」
そう言うとアセトは目を瞑り話し出した。
「あー、ビッド様ですか?アセトです。実はですね.....」
アセトは腰を低くして事の顛末を話しているようだった。そして会話が終わり、戻ってきた。
「えっとね、今確認とったんだけど、ね、いいっぽいのよね。。」
主人公は大いに驚いた、絶対に突っぱねられると思っていたからだ。
「えぇ!いいんですか!」
しかしアセトは「でも!」と大きめの声で言った。
「でもね、この恩恵は大きすぎるから君がこの世界で魔物を倒し、功績を挙げて、ある一定のレベルに達して尚且つ#試練__・__#をクリアして順等に私に会うことが出来たらその時は契約してあげる。でもこの事は貴方は下界に行けば忘れているし、受ける恩恵は一つの契約魔法の強化だけよ。これは私のミスと譲歩で可能になったからね。忘れないでって言っても忘れるか。じゃあ私に会った時ここの記憶だけを貴方に渡すわ」
契約魔法の強化だけなら弱い恩恵だ。しかし世界トップレベルにするのは強すぎる、しかも神との契約は恩恵の範囲の外の外位外れているものである。なのでアセトは引き続き言った。
「あ、そうだ契約魔法を世界トップレベルにすることだけど、それはちょっと無理だから、#種__・__#を上げるわ。成長すれば私と契約できるぐらいの花が咲く#スキルの種__・__#をね」
主人公は笑顔いっぱいの顔で大きく返事をした。
「はい!」
「よろしい。では行ってらっしゃい」
主人公は意識が薄れる中で重要な事を言われた。
「あ、生まれはスキル強いから貴族の侯爵家の#次男__・__#ね~」
「えぇ~!!!」
主人公は抗えずに光となり消えていった。記憶は消され新たな生の始まりである。
ある豊かな国の街の大きな邸宅に一つの大きな声が響いた。
「オギャー!オギャー!オギャー!」
ありがとうございました!