オレンジのライト
「意味わかんねー」ヒロが言った。
「てことはヒカリのフリしてたのがハルナ?」
「いや、ハルナちゃんも本当に電話かかってきてびっくりしてた感じだし、
シュン元気?って言ってたから、ヒカリのことは本当に何も知らないと思う」
「てことはさ、シュンの妄想・・?」
「あいつ、多分、ハルナちゃんに振られてすっげー落ち込んでたっぽいんだよな」
「シュンの精神状態がおかしくなって・・ヒカリっていう妄想を抱いてしまったとか?」
***
自宅に着いても、まだ鼓動が早くなっているのを感じる。
ショックだった。
シュンが首にあてる包丁。
こんな場面を、友達が主体となって作り出すなん、て想像もしてなかった。
でも、本当に今日、シュンの家にみんなで行ってよかったと思う。
行ってなかったら、あのままシュンはこの世からいなくなっていたかもしれない。
涙が目から溢れた。
***
この数ヶ月はみんなでシュンのケアをしようということになり、シュンの健康的な生活を実現させるためにモーニングコールをしたり、食事を届けたりとするうちに、シュンの健康状態も回復して来たようだった。
テレビでは今ワクチン接種開始の報道が流れている。
今日も太陽の光を浴びながら、私は部屋に敷いたヨガマットの上で鳩のポーズをとっている。
いつものように十分ヨガを終え、スマホをみるとラインのメッセージが来ている。
【義昭:久しぶり。元気してる?今日本に帰ってて。】
義昭・・。
大好きだった、元カレの義昭からだ。
そしてマッチングアプリのメッセージもきていた。
ヨシト:そろそろお会いしましょうか。
太陽の光が差し込む。
太陽のオレンジの光が、眩しい。
オレンジのライトが光った。
未来が開けていく。そんな気がした。




