ブルーライトが眩しい〜シュンの場合〜 前半:1
ブルーライトが眩しい〜シュンの場合〜 前半
これは新型ウィルスによる自粛中の、俺の記録だ。
「お疲れー。」
パソコンのディスプレイに映る、五個に区切られた四角い箱。
その箱に一人ずつ顔が映り、それぞれがワイングラスやビール用のグラス、酎ハイのはいったグラスを持っている。
「あー今週もやりきりましたよ。」
ユウスケがグラスを手に取り、口に運んだ。
「いや、ってかサエ飲むの早すぎじゃね?」
ヒロが笑顔でいつものように、つっこみを入れる。
「今日は飲む。」
サエがビールの入ったグラスを水を飲むように一気に飲んだ。
「サエ、どしたー?何があったんだよ。」
「せっかく神席だった SEVSのライブ中止になったんだよね。
それがあるからこの数ヶ月、仕事も頑張れたのに・・。アリーナ三列目の真ん中だよ?
辛すぎる。」
「うわ、それつら。」
リエがフォークでチーズを突き刺しながら言う。
「俺も彼女と行く予定だったニューヨーク旅行キャンセルよ。彼女の誕生日にサプライズ考えて計画とかしてたのにな。あー。今頃タイムズスクエア辺りを颯爽と歩いていたはずなのにな。くそっ。」
そう言いながらヒロが手元に映る、ポテトを頬張った。
「ほんとなー。そんなんばっかよな。もうネットフリックスとAmazonプライムも見飽きたし。逆に映画見るのも体力いるのなー。リモート飽きたわ。仕事暇だし。」
ユウスケが近所の居酒屋からウーバーイーツで注文したという、たこわさを箸で掴んだ。
「俺もリモート始まってケツいてぇ。会社の椅子、結構いいやつだったんだよな。今気ずいたけど。」
俺はそう言いながら画面に向かってビールを飲んだ。