10_問いかけ
「私は、レイブ。お前を絶対に許さない!!!私から、大切なものを奪っていったお前が!!!」
フンヌは、過去の記憶が甦り、込み上げてくる憤怒が、禍禍しい瘴気となって剣に宿ると、レイブの剣を押し返します。
なんて、力じゃ。さすがに歳かのう。剣を持つ手に力が入らなくなってきた。
レイブは、次第に、フンヌのとてつもない力に、押し負けていき、体の傷をおっているため、体力も限界を迎えようとしています。
「フンヌ、お前のいうとおりだ。私は、なにも守れなかった。剣神として、一人の夫として、守ることができなかった」
「そうだろ!!!お前は、剣神にふさわしくなかった。コトナと結ばれるべきではなかった!!!お前ではなくこの私こそが、ふさわしかったのだ。レイブ、消えてくれ、この世界から」
フンヌは、レイブに顔を近づけ言います。
わしは、フンヌのいうように、大切なものを守ることができなかった。
この世界に生きてはいけない人間なのかもしれない。いなくなってしまったほうが、きっと楽だろう。つらかった過去と向き合わなくて済むし、すべて忘れられるのだから。
フンヌの怒りを感じるとともに、過去の悲劇を思い出し、自責の念に駆られますが、コトナや、街の人々のことを思いだします。
じゃが、このまま、この世界からいなくなるのは、逃げじゃ。
生きて、大切な人を救えなかった過去と向き合い、救える命を救っていく。その義務がわしにはある。
「それはまだできないのう。私には、守るべき人がいる。ここで、終わるわけにはいかないのじゃ」
レイブは、剣を握る手に力を入れ、フンヌの剣を押し返します。すでに、体力の限界を迎えようとしていますが、力を振り絞り、あがきます。
「大切なものの命を奪っておいてのうのうと生きるのか、レイブ、お前は。答えろ!!!なぜ、お前は、コトナを殺した!!!守り抜くと言っていたのに。なぜだ、なぜなんだ!!!」
フンヌも、レイブに負けずと剣を押し返します。
「それは......」
レイブは、フンヌの問いかけに答えようとした時でした。
次回は11月23日に投稿予定です!




