05_乱れる心
積み重ねた努力は、裏切らない。大丈夫だ。きっと、俺は、このレイブとの戦いに、勝つ。
「行くぞ!!!レイブ、俺は、俺の全力をぶつける。だから、お前も、お前の全力でぶつかってこい」
「心配無用だ、もちろん、全力で挑もう。フンヌ、お前さんには、強い覚悟を感じる。それで、どうして全力を尽くさないことがあろうか。一切、妥協せず、本気で剣を振るおうじゃないか」
強烈な竹刀の音が響き渡ります。お互い、全力で、攻防を繰り返し、なかなか、勝負が決まりませんでした。
レイブとフンヌの間に、あったとてつもなく大きな実力さは、いつの間にか、ほとんどなくなっていました。フンヌは、鍛練に鍛練を積み重ね、実力を飛躍的に上げていたのです。
長期戦になり、体力が二人ともだいぶ落ち始めた頃、フンヌが、少しレイブを押し始めます。
フンヌ、お前さんがここまで力をつけているなんて思いもしなかった。だが、俺も負けるわけにはいられない。
「レイブさん、頑張って!!!」
フンヌの剣に押され負けそうになっているレイブに、コトナの力強い声がしました。
その瞬間、フンヌの竹刀を持つ手がわずかに緩みます。
コトナは、自分ではなく、レイブのことを応援している。
彼女がもとめているのは、俺の勝利ではない。レイブの勝利だ。
「フンヌ、全力を尽くせ!!!心に迷いが見られる。俺は、全力のお前さんと戦いたい」
フンヌは、レイブの言葉を聞いて、心の迷いを振り払い、再び、竹刀を構え、目の前の戦いに集中します。
「すまない。少し、考え事をしてしまった。もう、気を抜いたりはしない」
今は、目の前の戦いに集中しよう。ここで、全力を出しきれずに、終われば、きっと後悔する。レイブの実力であれば、先程のわずかな隙を逃さず、俺に一撃を入れ、本来、勝負を決していただろう。
レイブは、俺にチャンスを与えてくれたのだ。
フンヌは、まっすぐ、レイブを見て竹刀を構えると、思いっきり、床を蹴り竹刀を振ります。
今は、この戦いを楽しもう。
次回は11月8日に投稿予定です!




