03_軋轢
レイブとフンヌには、共に思いを寄せる女性がいました。剣の稽古で、傷ついた体を、手当てしてくれたコトナです。明るく、何事にも慈愛に満ちた表情で取り組む彼女の姿に、二人は、心打たれていました。
彼女の笑顔が元気をくれる......。
彼女とそばにいたい。
レイブは、彼女への気持ちが徐々に高まっていき、そのように、強く思うようになっていました。
ある日、剣の稽古の後、傷だらけになった体を、コトナに手当てをしてもらっていた時でした。レイブは、コトナと二人きりの状態で、思いを伝える絶好の機会だと思い、勇気を出し彼女に気持ちを伝えることにしました。
「コトナ、ずっと、好きだった。俺のそばにいてくれないか......」
レイブは、まっすぐ彼女の目を見て話します。それを聞いたコトナは、みるみるうちに顔を赤らめて、恥ずかしそうにしています。彼女の反応は悪くなさそうです。
「すみません、突然、言われても、気持ちの整理がつかなくて......少し考えさせて」
コトナは、すぐに首を縦に振りはしませんでしたが、断ることはなく、考えてくれるということになりました。さて、彼女の気持ちがどう動くのか、楽しみですが、そんな二人の様子を遠くから、眺める人物がいました。
ご察しのとおり、フンヌが、二人の話す様子を眺めていました。彼の中で、不満と妬みと悔しいという負の気持ちが渦まいて、拳を強く握ります。
レイブも、コトナのことが好きだったとはな。
コトナのあんな様子、初めて見た。俺の前では、見せたことがない表情だ。
このままでは、奪われる。レイブに何もかも。
負けられない。レイブなんかに。
次回は、11月2日に投稿予定です!




