02_二人
レイブは、最初から剣士になりたくてなったのではありませんでした。父親が、剣道場を営んでおり、生まれてすぐに、剣技を教えられました。
「お前は、剣士になれ。そして、多くの人を救い、この道場を継ぐんだ」
「はい」
父親の言葉に、まだ、無邪気だった子供のレイブは、答えます。
親からは将来の道は、剣士以外の道は与えられませんでした。わし自身、剣を振ることは、特段、嫌だったわけではなく、好きだったので、剣士になることに、異論はなかったのです。
剣の修行に励むうちに、才能が開花し、10才くらいの頃には、回りの大人が、恐れるほどの実力が身についていました。
「レイブ、最近、調子にのってるじゃないか。俺と勝負しろ!!!」
若き頃のフンヌが、片手に持った竹刀の先を、レイブに向けて威勢よく言います。フンヌは、レイブと、同い年で、彼のことをライバル視していました。フンヌも、特別な才能はありませんでしたが、日々の鍛練を欠かさず行い、剣技を磨いていました。
「フンヌか。また、挑んで来るとは、大した奴だな」
フンヌは、何度か、今までに、レイブに挑んでいました。数えきれないほどに。ただ、フンヌが、レイブに勝ったことは一度もありませんでした。それでも、諦めずに、フンヌは、自分を信じ、レイブに挑み続けました。
「今度は、負けない」
「いいだろ。こい、受けてたとう!!!」
レイブは、フンヌが、自分に挑んでくることに嬉しさを感じていました。周りは、自分を恐れ、どこか距離をとっていて、挑んでくるものなどいませんでした。そんな中、フンヌだけが、諦めずに、挑んできてくれたのでした。
「おう!!!」
竹刀と竹刀がぶつかる音が、どこまでも広がる青い空に響き渡ります。
「今回も、負けてしまったな。でも、次がある。次は、絶対に負けない」
今回も、結果は、レイブの勝利でした。当初、二人には、圧倒的な実力差がありましたが、少しずつ、その差が縮まっていました。
「フンヌ、お前さんは、強くなってるよ。動きのキレが格段によくなっているし、竹刀による打撃も、強くなってきている」
フンヌも、成長していましたが、レイブ自身も、フンヌと戦うことによって成長していました。互いが互いを高め合う、良い関係ですね。このまま、そんな関係が続けば良かったのですが、二人の関係にヒビが入る出来事が起こってしまいますーー。
次回は、10月30日に投稿予定です!




