06_フンヌ
「おじいちゃん!!」
クスカが、レイブに心配そうな声で言います。
「心配しなくていい。クスカは、ナズナの頼み通り、薬屋に行ってきてくれ」
レイブは、荒れ狂う巨獣の様子を伺いながら、クスカに言います。
「分かったわ。絶対に死なないでよ!おじいちゃん」
「わしを誰だと思っとる。剣神と呼ばれた男じゃ、簡単には死なぬ。クスカの方こそ、気を付けるんじゃぞ。おそらく、この様子だと魔法壁が壊れて、魔物たちが侵入してきとる」
「ええ、私も、剣神の孫ですもの。生きて帰ってくるわ。それに、カゼキリもいるしね」
クスカは、腰に、添えたカゼキリを片手で触れます。
《おうよ!!!クスカと俺のコンビなら、敵なしだぜ。たぶん。じいさん、安心してくれ》
カゼキリの言葉に、レイブは頷きます。
「ああ、頼んだぞ。カゼキリ」
クスカは、この場をレイブたちに任せ、ナズナの示した薬を買いに、薬屋へと向かいます。
クスカの後ろ姿が見えなくなった直後、巨獣の体が、完全に再生し、レイブを襲います。
「さて、やるかの」
レイブは、片腕を回し、筋肉をほぐすと、鋭い眼光を輝かせます。まさに、巨獣との戦いに、本腰を入れようとしたところに、何者かの声がします。
「お前も老いたな。レイブ。この程度の魔物に、その様だとは」
声がしたかと思うと、足を再生させ立っていた巨獣が、いつの間にか縦に真っ二つになっています。あっという間の出来事ですが、一体、何が起こったのでしょう。
真っ二つになった巨獣は、動きがとまり、体から瘴気が抜け、消えていきます。消え行く、巨獣の先には、一人の男が立っています。
「お前は......フンヌ」
次回は10月4日の投稿予定です!




