04_ナズナの治療
《なんで、ナズナは、両親の容態が大丈夫って分かったんだ?》
カゼキリの問いかけにクスカが答えます。
「お母さんは、耳がいいの。耳を澄まして、集中するだけで、相手の容態が分かっちゃうの。お母さんは、以前は、看護婦で傷をおった人たちを何度も救ってきたのよ」
クスカは、ナズナが、子供の傷の手当てをしているところを、見ながら言います。
《そうなのか。すごいな。そんな特技がナズナにあるなんて思わなかったな》
カゼキリはナズナの知らざる力に感心していると、レイブが、迫り来る殺意を感じ叫び声を上げます。
「危ない!!!ナズナ、敵が襲ってくるぞ!!!」
レイブが、叫び声を上げた直後、ナズナの近くに建っていた建物が、激しい音を立てて崩れ去り、巨獣が姿を現します。
巨獣が、ナズナに手を伸ばしたところに、カゼキリが叫びます。
《クスカ、俺を、あいつの腕に向かって振ってくれ!!!》
「分かったわ!!!」
クスカが、カゼキリを横に振ると、剣先から、大気をきるように衝撃波が駆け抜けて、巨獣の腕を見事に切断します。
ですが、巨獣は、痛がる素振りすら見せずに、もう片方の手を次は、ナズナに伸ばしていきます。
「私も、なめられたものね」
ナズナは、短剣を懐から取り出し、巨獣ではなく、巨獣の影に向かって、思いっきり刺します。
【影止めー闇】
すると、巨獣の動きが、急に止まります。ナズナは、短剣の力を使い、巨獣の動きを止めたのでした。
ナズナは、子供の片手を握ると、一緒に、巨獣から離れていき、子供の両親の元へ向かいました。ナズナは、すぐさま、子供の両親に手を当てて、回復の魔法を使用します。
【シヤイー光】
「あれ、おかしい。いつもなら、あたたかな光が、手に集まって、回復が始まるはずなのに......」
いつもと違う感覚に、ナズナは戸惑います。魔法を使用したはずなのに、発動している感覚が全くなかったのです。
その様子を見ていた子供は、不安そうに言います。
「お母さん、お父さん、大丈夫だよね。死んだりしないよね」
ナズナは、一瞬、魔法が使えなくなっていることに、戸惑いを感じましたが、気持ちを切り替えて、子供を優しく両手で握ります。
「大丈夫よ。あなたの親は、私が救ってみせる」
ナズナは、強い意思を宿した力強い目で、子供に言います。魔法が誕生してから、人の治療は、魔法を使っての治療が主流になっていました。当初の医学に基づき、手作業で、治療することはめったになくなっていましたが、ナズナは、かつて、頭に入れた医療知識に基づいて、治療を始めます。
自分の衣服の一部を破り、包帯がわりにすると、子供の両親の止血をします。
「クスカ、お願い。近くの薬屋に行って、この紙に書いた薬を買ってきて」
ナズナは、紙に、ペンで流れるように、薬の名前を書くと、近寄ってきたクスカに渡します。
「分かったわ。魔法が使えないのね。薬屋まで急いで行ってくる」
と、クスカが、薬屋に、行こうとした時でした。矢のごとく速度で、空を裂き、鋭利なものが、近づいてきます。
《危ない!!!巨獣の舌が俺たちを襲おうとしてる》
次回は9月28日に投稿予定です!




