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魔王ノ聖剣ーRebirth'sー  作者: 東雲一
エピソード0
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06_聖剣と白き竜

 塔の真ん中には、聖剣が地面に刺さっており、周りの光を反射して煌めいています。


 まずは、あそこに刺さった聖剣を抜かないとーー。


 だが、そのためには。ドラゴンに接近し、聖剣のところまで行く必要がある。



 ドラゴンは、クリアを標的にし、地面を揺らしながら、迫ってきます。クリアは、自分の手を見ると、迫り来る恐怖に、手が震えていることに気づきます。今までに感じたことのない恐怖と不安にかられ、心臓の鼓動が狂いだし、息が乱れます。


 俺に、できるのか。ドラゴンを倒すことが。


「いつものクリアさんなら、きっとドラゴンにだって打ち勝つことができます。気が動転しているクリアさんなんて、あなたらしくない」


 立方体に閉じ込められたゼノアは、クリアが、恐怖で前に進めなくなっているのを見て、言います。


「ゼノア......そうだな、俺らしくない」


 クリアは、震えた手を握りしめ、まっすぐ聖剣の方を見ます。そして、覚悟を決めて、全速力で、駆け出します。


 この状況、不安や恐怖を抱くのが正常なんだ。


 決してそれらは悪いものではない。場合によっては、限界以上の力を引き出すものだ。


 むしろ、不安や恐怖を武器にして、突き進んでやる。


「クリアさん、危ない!!!火の玉がそっちに向かってる」


「えっ......」


 ゼノアの声で、左側から火の玉が自分に飛んでいることに気づきます。ドラゴンとの距離が、まだ、離れているので、油断していました。まさか、火の玉を飛ばして、遠距離攻撃を仕掛けて来るとは、考えもしませんでした。


 火の玉だって、聞いてないぞ。


 クリアは、横から、飛んでくる火の玉は、すぐそこまで接近しており、彼の身体を一瞬で焼き焦がすほどの大きさがあります。


 どうする。どうすればいい。火の玉が大き過ぎる。


 クリアは、心を落ち着かせて、冷静に迫り来る火の玉を観察します。


 こうなったら、一か八かやってみるしかない。


 火の玉が、今にも直撃しそうな距離まで接近した時、クリアは、身体を低くし、即座に聖剣のほうまで叫びながら滑り込みます。


「おぉおおおおお!!!」


 迫ってきた火の玉は、地面を滑り込むクリアのほんの少し上をものすごい勢いで通り過ぎていき、塔の壁に当たると、激しく爆発します。実は、火の玉と地面の間には、わずかな隙間があり、火の玉を回避するには、この隙間に回避する必要がありました。


 熱い。直撃すれば、火傷ではすまなかっただろう。


 とはいえ、聖剣までたどり着いたぞ。


 クリアは、ドラゴンの攻撃を回避し、なんとか無事に聖剣までたどり着いていました。聖剣を両手で握り、力を入れて引き抜こうとします。


 引き抜けない......。


 聖剣が深く刺さっており、すぐに抜けません。何度か、力を入れ引き抜こうとしますが、微動だにしません。聖剣を引き抜こうとするクリアに、ドラゴンが地響きをたてながら、近づいてきます。


 早く、聖剣を引き抜かないと。


 ドラゴンは、クリアの目の前まで接近し、鋭利な歯が生えた大きな口から、大量のよだれをクリアの頭の上に垂らします。


 えげつない悪臭を放つ、よだれに動じず、クリアは、全身よだれ紛れになりながらも、聖剣を引抜き抜く力を緩めません。


 すると、その直後でした。ドラゴンにも今にも襲われるというタイミングで、やっと聖剣が地面から抜けます。聖剣は、引き抜かれるタイミングを分かっているようです。


 引き抜けた。ドラゴンの胴体はがら空きだ。こんなチャンスもう一度やってくるとは限らない。


 ここで決める!!!


 クリアは、聖剣を構えると、ドラゴンの胴体をめがけて、渾身の力を込めて、振ります。


 カキーン。


 剣先が、ドラゴンの胴体に当たった瞬間、弾かれます。ドラゴンの纏う硬質な鱗が邪魔して、攻撃を与えるどころか、聖剣を弾かれてしまったのです。


 攻撃が通らない。まずい、やられる......。


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