02_雪崩
空を滑空するドローンから、二人は、吹雪のなかを駆けて、逃げます。ですが、しばらく、走って進んだところで、目の前の光景に、思わず立ち止まってしまいます。
「おい、嘘だろ。この先を進まないといけないのか」
「急斜面だ。違う道を探したほうがいいかもしれないな」
二人を止めたのは、下りようとするのは、自殺行為とも思えるほどの急な斜面の存在です。斜面の下の方を見ると、真っ暗で何があるのかさえ確認できません。ただ、二人には別の道を探す時間は残されていないようです。
ドッ、ドドドドドドドド!!!
殺戮マシンと化したドローンたちが、音を立てて滑空しながら、銃を連射します。
「もう、追い付いてきたのか」
ゼノアは、滑空するドローンを見ながら言います。
「こうなったら、やるしかない。行くぞ!!!」
クリアは、近くに落ちていた木の板を持ち上げ、叫びます。
「まさか、それでここを下りようっていうんじゃないですよね!!!」
ゼノアは、木の板を見て、動揺します。
「そのまさかだ、ほら、行くぞ!!!飛び乗れ」
クリアは、持っていた木の板をセットすると、体を乗せて滑り始めます。
「ま、待ってください!!!」
ゼノアも、急いで、木の板に、乗ると、木の板が二人の重みで、急加速します。後ろに乗っていたゼノアは、後ろを確実に確認すると、さき程まで、二人が立っていた場所にドローンの激しい銃の弾丸が、直撃し、大量の雪が弾け飛びます。
「危なかった。少し、躊躇っていたら、あそこで射殺されていた」
「うんっ!?なんだ、変な音がしないか。吹雪でもない。ドローンでもないこの音は......」
クリアが、奇妙な音を感じた直後、ゼノアもその音を聞きます。ゼノアは、再び後ろを振り返ると、目の前に飛び込んできた光景に驚愕します。
音をたてながら、大波のように雪崩が迫ってきていたのです。雪崩は、勢いを失うことなく、あらゆるものを飲み込み、より大きく成長していきます。この巨大な雪崩に飲み込まれようものなら、確実に、命を失うことになるでしょう。なんとか、二人は逃げきらなければなりません。
「ヤバい、クリア。雪崩が起こって、こっちに迫ってきてる!!!」
「ドローンの次は、雪崩か。勘弁してくれ」
「いや、そのドローンなんですが、俺たちのことをまだあきらめてない感じです」
「なんだって、どういうことだ?」
「雪崩だけじゃない。ドローン一体が俺たちについてきてる」
ゼノアの言うように、雪崩の上を、滑空しドローンが、二人のもとに凄まじい速度で飛んできます。
《熱源再確認》
《ロックオン中......》
ドローンが、二人に照準を合わせ、装備された銃で、狙い撃とうとしています。
「ドローンにロックオンされてる」
後ろを見ていたゼノアは、前方を見ているクリアに言います。
「こっちも、このまま直進すると、岩にぶつかってしまう。左だ。左に、重心を傾けるんだ!!!」
二人は、すかさず、左に身体を傾けて、木の板の進行方向を左に変えます。
ドッドドドドドドドド!!!
ドローンの無慈悲な連射した弾丸が、二人に向かって飛んでいきます。
「うぉ、いけぇええええ!!!」
「間に合ぇええええええ!!!」




