09_虚無感
カラドは、声が漏れます。地面には、先に派遣された騎士団の仲間たちの亡骸が何体も、地面に横になっていました。かつて、一緒に鍛練に励み、ともに苦難を乗りきってきたカラドの顔見知りの騎士の亡骸もありました。
許さねー。絶対に。クアルスター帝国の奴らは、俺が倒す。
カラドの闘志にさらに可燃性の油が投入され、狂気なまでの復讐心が形成されます。
騎士団の仲間の死を目の当たりにして、悲しみと憎悪に包まれカラドたちの沈黙に、大気と大地を揺らすほどの轟音が前方から鳴り響きます。
轟音とともに、強烈な暴風も、前方からカラドたちに激しく吹き付けます。彼らは、腕で、顔を隠し、前方からの風をしのぎます。
とてつもない破壊音。尋常ではない。
カラドは、風が吹き抜けた後、信じられない光景に、茫然と立ち尽くします。
「う、嘘だろ......」
カラドたちが目にした光景。
それは、前方にあった山が丸ごとなくなっている光景でした。先ほどの破壊音は、山が、粉砕するほどの爆発によるものだったのです。
魔法......。あれが魔法によるものだったしたら。
途端に、戦慄が走り、クアルスター帝国の者たちが使う魔法という言葉が瞬時に、カラドの頭のなかに、明瞭に浮かび上がります。
俺は、一体、この剣一本で何ができるというんだ。
次回は8月5日に投稿予定です!




