08_戦地派遣
ソラがいなくなってから、数年後、クアルスター帝国の人たちが、ナハト帝国の一部の地域に侵入し、村の人々を襲っているという情報が騎士団に届きます。
「ついに、やつらが、攻めてきたのか」
「かなり、手こずっているらしいぞ」
「クアルスター帝国の奴らと戦い帰ってきた奴らは、みんな、恐怖で震えていた」
「それほど、クアルスターの奴らは、脅威なのか。やはり、例の魔法という奴を使ってるかもしれない」
「俺たちも、戦地に行かなければならないのかな、嫌だな、怖いな」
騎士団たちの会話を、ギルドのなかで、聞きながら、カラドは闘志を燃やします。
情けない。騎士ともあろう者が、戦う前に、弱音を吐くとは。俺は、クアルスター帝国の奴らを許さねー。ソラさんを、やった奴らを、ただではすまさねー。
カラドは、剣を持つと、一人、訓練場に行きます。精神を一旦、落ち着かせ、剣を握ると、横に振ります。
すると、訓練場に立てられた、一本の木は、音もなく、きれいにずれて真っ二つになります。お見事です。
カラドが闘志を燃やす最中、ついにカラドたちにも、戦地に行くように、上層部の人たちから、依頼が来ます。
カラドたちは、ナハト帝国の東に位置する荒れ地に、すぐさま派遣されます。圧倒的なクアルスター帝国の実力を耳にしており、戦地行きを望まぬものもいましたが、そんなことはお構いなしに、強制的に、戦地に送られました。もはや、パワハラの域を越えています。派遣された騎士団のなかには、キリナの姿もありました。
「私は、母親を殺した魔族がゆるせなくて、騎士団に入ったけれど、まさか、人と戦うことになるなんてね」
「ああ、だけど、これから戦う奴らは、もしかしたら、魔族なんかよりもずっとおっかないかもしれないぜ」
荒れ地に、着くと、目の前の悲惨な光景に思わず立ち止まります。戦地に派遣された騎士団は、皆、顔に陰を落とし、悲しみの表情を浮かべます。
「これが、人間のやることか......」
次回は、8月3日投稿予定です!




