08_剣士との出会い
現れたのは、若き頃のカラドでした。今にも、やられてしまうというちょうどいいタイミングで、現れます。まるで、ここだと、タイミングを見て現れたかのようです。
「やっと、楽しめると思ったのになー」
クデュが次の攻撃に転じようとしたので、カラドは、受け止めていた鎌を勢いよく弾き飛ばします。そして、鎌を弾き飛ばし、持っていた剣で、クデュに一撃を食らわせます。見事に、一撃を食らってしまったクデュは、後退り、思わず距離を取ります。
な、なんだ、こいつ。意外とやるじゃないか。このままではまずい。
クデュは、カラドの実力を知り、身の危険を感じて、「覚えてろよ!」といい残すと、森の奥深くに消えていきます。
「ありがとうございます」
クスカは、クデュのもとに歩み寄ってお礼の言葉を言います。
「なに、たいしたことはないさ。たまたま、魔族の気配を感じて、来てみたら、襲われてるようだったから、助けただけだ。感謝されるほどのことはしていない」
「すごいですね。私じゃ、あの魔族に、太刀打ちできなかった......」
クスカは今までやって来た積み重ねは、結局、無駄だったのと虚無感にも似た感情に苛まれていました。報われると信じて、やって来た。でも、現実は、それをことごとく否定してきます。何を持って、自分に自信を持てばいいのか、前に進めばよいのか分からなくなっていました。
そんな落ち込むクスカの様子を見て、カラドは、肩に手をやって言います。
「俺は、お前が何で悩んで落ち込んでいるか知らない。だけど、人が落ち込んでいる所を見たくはないからいうぞ。お前は、強い。俺が保証してやるよ」
思わぬ言葉に、クスカは、顔を上げてカラドの方を見ます。
「え......」
「落ち込むってことは、頑張ってきた証だ。頑張ってるやつに、弱い奴はいない。それを否定するやつがいるならば、そいつらが無能なんだ。だから、自信を持て。根拠がなくたっていい、それで前に進めば、それだけで充分だろ」
クスカは、初めてこの時、自分のことを認めてくれる人に出会えた気がしました。自分は、弱くて、才能がなくて、弱虫で、何もできないと言われ続けて来て、すっかり、自分を信じられなくなっていましたが、自分を信じてもいいんじゃないかと思うようになりました。
次回は7月14日の投稿予定です!




