07_救世主
近くの草むらから音がすると、ゆっくりとクデュが姿を現します。逃げきったと思わせておいて、突然、出てくるパターンです。
嘘でしょ。逃げきったと思ったのに。やっぱり、私じゃ、何をしても。
何をしても無駄という虚無感に襲われ、クスカは、クデュを目の前に動き出すことができません。
「さっきまでの威勢は、すっかりなくなってしまってるようだね。万策つきたという感じかー」
クデュは、徐々にクスカな方に歩いて迫ってきます。クスカには、クデュの一歩一歩が、とても重く遅く感じられました。距離が縮まるにつれて、心臓が狂ったように激しく鼓動し、呼吸が荒くなります。もう、何も考えなくてなって、とりあえず、魔法の呪文を立て続けに唱え、攻撃を加えますが、クデュには全く効いていません。
もっと、私に才能があったら、こんなことにはならなかったのかな。きっと、今よりずっと幸せな人生を送れたんだろうな。
クスカは、目を閉じて、自らの死を覚悟します。暗闇のなか、クデュの足音が、響き渡るのを聞きながら、その時を待ちます。クデュは、クスカの目の前で、立ち止まると、片手の鎌を、振り上げます。
「お前は、本当に、それでいいのか」
突然、男の声がしたかと思うと、凄まじい金属音がクスカの目の前に響き渡ります。一体、何者でしょうか。クスカは、何事かと、目を開けると、剣でクデュの鎌を受け止める男性が立っていました。
「なんだよ、せっかく、やれると思ったのにさ。お前、何者だよ」
クデュは、思わず突然現れた男性に言います。
「俺の名前は、カラド。剣士として、彼女を守らせてもらう」
次回は、7月11日の投稿予定です!




